作品情報
日本史は、受賞作としての輪郭を保ちながら、作者の関心を凝縮して伝える。
フロイス『日本史』は、受賞歴を通じて読まれてきた作品で、作者の問題意識と表現の特色がまとまって現れる。刊行が確認できる場合は紙書籍の識別子を優先し、単独刊行が確認できない場合は雑誌号などの番号を流用していない。
書籍情報
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 2020-03-19
- ページ数
- 279ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.2 x 15.3 cm
- ISBN-13
- 9784122068650
- ISBN-10
- 4122068657
- 価格
- 1100 JPY
- カテゴリ
- 本/歴史・地理/日本史
厚い信任を受けたポルトガル人宣教師の見た織田信長の素顔。一五六八年、初めての謁見の様子から、安土築城、八二年の本能寺の変、直後の明智光秀の死まで。戦国日本の第一級史料「日本史」から信長に関する章を訳出し、詳細な訳注と解説を加えた。文庫化にあたり新たに人名索引を付す。 〈解説〉和田裕弘 (目次より) I回想の信長 第一章信長の素性、およびその性格、権勢、富、ならびに彼が到達した顕位と公方様の複位について II信長とフロイス 第六章ルイス・フロイス師が、信長の許で援助を求めるために美濃国に赴いた次第、ならびに彼(信長)が彼に示した寵愛について 第八章公方様と信長の葛藤、ならびに上京焼失の際、教会に生じたこと III信長とオルガンティーノ 第十章五畿内の諸事の発展、ならびに安土山の神学校について 第十一章安土山で収め始めた成果について 第一二章ジュスト右近殿が信長に投降した時に示した英雄的行為、ならびにその際、オルガンティーノ師とキリシタン宗門が蒙った大いなる苦悩について 第一三章信長が荒木一族に課した厳罰のこと、ダリオの追放、ならびに三ケ殿とその息子が蒙った生命の危険のこと IV安土山にて 第一六章信長がその富、権力、身分のために陥った大いなる慢心と狂気の沙汰について V本能寺の変・山崎合戦 第一七章明智が謀叛により、信長、ならびに後継者の息子を殺害し、天下に叛起した次 第十九章明智の不運と十一日後の死去について など
ルイス・フロイス 一五三二年(天文元年)、ポルトガルの首都リスボン生まれ。十六歳でイエズス会に入会。六三年(永禄六年)来日。八三年(天正十一年)、日本副管区長から「日本史」の編述を命ぜられる。秀吉の伴天連追放令の後、マカオに退去したが再び日本に戻り、九七年(慶長二年)、長崎で没する。長い布教活動を通し、信長との会見は十八回にわたり、多くの戦国武将との面識を得た。 松田毅一 一九二一年(大正十年)、高松市生まれ。上智大学文学部史学科卒業。元京都外国語大学名誉教授。『完訳フロイス日本史』全十二巻(共編訳)にて第二十九回菊池寛賞と毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書『南蛮史料の研究』『在南欧日本関係文書探訪録』『南蛮史料の発見』『黄金のゴア盛衰記』など。九七年(平成九年)没。 川崎桃太 一九一五年(大正四年)山口県俵山(現長門市)生まれ。ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ州ノーヴァフリブルゴ市アンシェータ大学哲学科卒業、サン・レオポルド市クリスト・レイ大学大学院修了。京都外国語大学名誉教授。『完訳フロイス日本史』全十二巻(共編訳)にて第二十九回菊池寛賞と毎日出版文化賞特別賞を受賞。ほかの著書に『フロイスの見た戦国日本』『フロイスとの旅を終えて今想うこと』、『回想の織田信長』『秀吉と文禄の役』(共編訳)などがある。二〇一九年(平成三一年)没。
レビュー
-
フロイスの日本史、信長公記とともに
NHKの大河を見たり、歴史物を読んだりするときに、信長公記やフロイス日本史の該当箇所を読み比べています。 この本の内容はフロイスの日本史の抜粋なので、新たに買う意味はないと思っていましたが、結局フロイスの日本史で繰り返し読むところはよく歴史もので取り上げられる織田信長がらみのところなので、一冊にまとまっていて便利かも、との思いで買ってみましたが正解でした。 こちらは信長公記のように短い章ごとに細かな注釈が記載されており、フロイスの記述の信憑性の評価(右近が活躍しすぎであることなど)があり、とても分かりやすいのに加え、巻末の人名索引が、あの人についてはどんな記述だったっけ?と確認するときにとても便利です。 この時代のことがお好きであればフロイス日本史と併せて持っていても無駄にはならないと思います。 また、松田毅一の中公新書 南蛮資料の発見 と併せて読むと理解がさらに深まります。
-
聞くところによると
フロイスの日本史を要約して読める。
-
興味深い内容です!
ルイスフロイスにハマっています。とても良い内容でした。
-
新説が出ているようだ
まだじゅうぶんには読んでないが
-
信長に関心のある方は必読の貴重な一次史料
宣教師ルイス・フロイスが綴った『日本史』の中から、信長に纏わる記述を抜粋した一冊。 勿論、編訳者が指摘しているように、彼は敬虔なクリスチャンである事から「見聞する所、全てが全てキリスト教に立脚している」ので、キリスト教信者や擁護者は「善」であり、それ以外の者は全て「悪」(仏僧ともなれば最早「悪魔」)…その見方が偏見に満ちている点は否定出来ないが、その一方で、外国人という第三者の目を通して見た当時の日本の姿やそれぞれの人物像は、かなり緻密でもあり、また面白い視点を以って観察し尽くしてもいるので、私達に今迄とは違った観点を与えてくれるであろう。 本書は冒頭に於いてフロイスの略伝と『日本史』の概要を紹介し、続いて「回想の信長」「信長とフロイス」「信長とオルガンティーノ」「安土山にて」「本能寺の変・山崎合戦」を以ってフロイスと信長の出逢いから明智光秀が死するまでを辿っている。 あくまでもフロイスの主観ではあるものの、信長の激しい気質や傲慢さ、その片鱗に垣間見られる社交性と好奇心の強さ等は実によく表現されており(寧ろ、こうした記録を通して私達の知る信長像が定着したのであろう)、また、当初の信長がフロイス達にとっては非常に頼もしい人物であった事も良く解る。 更には、足利義昭と信長の対立、荒木村重の謀反(勿論、キリシタン大名・高山右近の活躍が中心でもあるが)等の歴史的事件もかなり詳しく記述しているばかりか豪華絢爛な安土城の紹介もあるので、現存しない勇壮な姿を髣髴とさせる臨場感にも溢れている。 因みに、宣教師達の明智光秀評はかなり手厳しく、本能寺の変に依って庇護者を失った彼等が如何に恐怖を覚えたかが手に取るように解るが、解説にあるようにフロイスによる光秀評は「良質な邦文献から窺える光秀像と似通っている」事から、やはり本来の光秀は本書に書かれている内容の方が正しく、近年の研究は多少美化されているのではないかとも思った…何故なら、ここには光秀がキリスト教自体を胡散臭く思っていた事も表れてもいるのだろうが、こうした事を差し引いても尚、本質はどうであれ、何処となく取っ付き難い…即ち、他人に警戒心を抱かせる人物であった事に妙に納得してしまうからである。 そしてもう一点、同じイエズス会のヴァリニャーノが連れてきた弥助に関する記述がないのも興味深い…勿論、私は『日本史』を読んでいないし、当時フロイスがイエズス会に送った報告書には彼に関する内容も含まれていたと言うので決して無視した訳ではないだろうが、同じ宣教師仲間が連れて来た弥助が本能寺の変まで信長に付き従ったというのに全く関心がないと言うのは、やはり弥助は彼等にとっては「奴隷」に過ぎなかったからなのではなかろうか…何れ『日本史』を読む機会があったら再確認してみたいと思う。 史料としての価値の高さのみならず、信長と言う人物が良く解る一冊 信長を知る上では、太田牛一『信長公記』に継ぐ第一次史料である事は間違いないので、興味のある方は是非御一読頂きたいと思う。
-
資料としては大変貴重
しかし訳がめっちゃ下手。
-
読みにくい、翻訳がイマイチ
読みにくい、翻訳がイマイチ 硬直しすぎてる この時代の歴史に詳しくない人がとりあえず翻訳したのだと思う 段落分けもなぜしないんだろう? 翻訳のレベルはグーグル翻訳レベルだと思う
-
本能寺の変直後の混乱と無秩序を活写!
史料的価値の高い、イエズス会ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの『日本史』から織田信長関連の歴史記述を抜粋して編纂した文庫本である。 ①イエズス会日本副管区長から命じられて記述した歴史書(報告書)なので、キリスト教的関心からの記述が多くを占める。しかし、そのため、本能寺の変直後の都の混乱・無政府状態(アナーキー)を詳細に記述している。 ②本能寺の変の原因について、フロイスの分析は、明智光秀の謀略・権力欲をあげる。そして戦略・陰謀に長けた人物として光秀を評価する。当時の光秀が置かれていた状況、他の信長家臣との関係や戦国大名と取り結んでいた関係については、記述することはない。ということは、フロイスが戦国大名との政治的関係の中に深く入り込んでいなかったことを示す。あくまでもキリスト教の布教という宗教的関心から当時の戦国大名の行動を眺めているのである。 ③そしてフロイスにとって、最大の関心は、本能寺の変によって信長が倒された後の都の混乱・無秩序状態の記述である。盗賊の跋扈、放火・略奪の横行、教会財産の没収など自分や宣教師、司祭たちが被る生命の危険である。この点の記述こそ本書の白眉である。 ④山崎の合戦による秀吉の勝利までの混乱と対応は他の歴史書では知ることが出来ない周囲の状況を本書によって知ることが出来る。やはり本書は安土桃山時代を知る貴重な第一級の史料である。 お勧めの一冊だ。
関連する文学賞
- 毎日出版文化賞 第35回(1981年) ・特別賞・特別賞・特別賞