作品情報
『見る脳・描く脳:絵画のニューロサイエンス』は、受賞時の評価対象となった主題を読者に印象づける作品です。
『見る脳・描く脳:絵画のニューロサイエンス』は、岩田誠の出版文化賞で評価された作品です。題名が示すモチーフを軸に、人物の行動や時代の空気を通して主題を立ち上げる作品として読めます。 国立国会図書館の検索で単行本または収録書籍を確認したため、書籍として確認できる範囲をもとに入手状況を整理しました。
書籍情報
- 出版社
- 東京大学出版会
- 発売日
- 1997-10-01
- ページ数
- 196ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784130633147
- ISBN-10
- 4130633147
- 価格
- 4988 JPY
- カテゴリ
- 本/ノンフィクション/アート・エンターテイメント/アート・芸術
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レビュー
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わかりやすい
目の解剖や、脳の領域、病態など分かりやすく書かれています。少し古い本なのでどうかと思ったのですが、解剖などの常識は覆り難いと思うので良いかと思います。
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見る脳 描く脳 の部位
私は絵を描きます。 ですが、上手くありません。 年を経るごとに、自分の絵の稚拙さに挫折感を覚えて臍をかみ、上手い人はなぜ描けるのだろうと、それが不思議でしたが、本書を読んで、その謎が解けました! 脳の部位で、”見る”(或いは、評価する)部分と、”描く”部分は違うんです!! 筆者は、脳に部分的あるいは局所的損傷を負った被験者に対して自ら行った実験と、他の学者が行った実験結果を織り混ぜながら、緻密に脳という精密な”機械”の各部位での役割を明らかにしていきます。 損傷した部位によって、認識できているのに描くことができなかったり。それは、認識する部分は正常なのに、描く部分が損なわれているから。 部分部分の脳の役割が章を追うごとに分かっていきます。 そして、わかったこと。 モーツアルトの作品を先駆者的に理解できながら、自身は作品にすることができなかったサリエリのように、インプットとアウトプットは別物だということ。 それから、インプットは年齢を重ねればある程度習熟し、批評眼は鋭くなるのに対し、アウトプットには、弛まぬ訓練と、そして才能が、もしかしたら必要なのかもしれないということ。 誰もが画家になれるわけではない。 だが、誰しもが幼少の頃は無邪気に絵を描く。 その矛盾に答えてくれるのが、この本です。
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人間は、絵を描く動物である。--視覚から「人間性」を再定義する試み
かつて、アメリカの哲学者ジョン・デューイ(John Dewey:1859-1952)は、人間が持つ優れた視覚的な記憶力に注目し、人間が持つ高い視覚的な記憶力こそは、人間を他の動物の間の決定的な違いである事を指摘した。(ジョン・デューイ著『哲学の改造』岩波文庫参照)即ち、他の動物よりも、視覚的な記憶に優れた人間は、例えば、空の雲を見て、それを過去に自分が見た物の記憶と比較し、「あの雲は、人の顔に似ている」等と、考える能力を持って居る事、そして、それこそが、人間の特有の能力である高い思考能力の基礎である事を、デューイは、指摘したのだった。 デューイが、この事を指摘した20世紀前半、脳に関する科学は、まだ、黎明期と呼ぶべき段階に在った。しかし、今日の進んだ脳科学は、様々な研究によって、デューイのこうした人間観を裏付けつつあると、私は、思ふ。即ち、今日の脳科学は、「視覚的物体認識」と呼ばれる脳機能が、霊長類を特徴ずける物である事を明らかにして居るが、絵を見、描くと言ふ行為こそは、霊長類の中でも、特に人間において顕著に発達した、その「視覚的物体認識」の為す技(わざ)に他ならないのである。 本書の内容は、一口に言げば、デューイのそうした人間観を、今日の、最先端の脳科学によって裏付ける物である。即ち、絵を見る、絵を描くと言ふ事が、人間の脳のどの様な構造と働きによって行なはれるのかを、多くの図や、症例と共に解説した、極めてレベルの高い一書なのである。 著者の岩田誠教授は、頭痛などの権威として高名な、日本を代表する神経内科医である。この為、脳梗塞患者に見られる空間認知の変化の観察など、心理学者や生理学者とは違った視点から、脳が絵を見、描く仕組みを分析して居る点が、医学以外の分野で脳研究に携わる人々や、その他の脳に関心を持つ読者には、興味深いのではないだろうか。 日本を愛したデューイは、21世紀の日本で、この様な本が書かれた事を喜んで居るに違い無い。 (西岡昌紀・神経内科医)
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脳科学の基礎+独創的な美術史論
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いかにも医者らしい見方だと思いました
第3章の「脳から見た絵画の進化と視覚的思考」は面白いです。視覚処理過程といくつかの絵画の手法が対応させてあり、いかにも医者らしい見方で、私にとっては新鮮でした。視覚処理過程と絵画技法がほぼ一対一に説明可能なのには驚きでした。 惜しむらくは、値段が高いこと、第1,2章の対象がはっきりしないことです。神経内科的知識を持っている方には少しまどろっこしすぎ、また引用文献の少なさを感じるんじゃないかと思います。神経内科的知識がないと、詳細部分が分かりづらいではないかと思います。
関連する文学賞
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