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星系出雲の兵站 1 (ハヤカワ文庫JA)

星雲賞

星系出雲の兵站 1 (ハヤカワ文庫JA)

林譲治

『星系出雲の兵站』は、星系国家の対立と兵站の重要性を軸にした軍事SF長編シリーズ。壱岐星系への介入をめぐる政治と戦略を、全9巻で積み上げていく。

軍事SF兵站宇宙戦争星系政治ファーストコンタクトシリーズ

作品情報

兵站が、星系の勝敗を決める。

早川書房のハヤカワ文庫JAで刊行された第1巻を起点にしたシリーズ。2021年の第52回星雲賞日本長編部門受賞作で、ミリタリーSFとファーストコンタクト要素をあわせ持つ。

レビュー要約

  • 軍事行動の描写だけでなく、補給線と政治判断が物語を動かす点が評価されている。シリーズ全体を通して読ませる構成に支持が集まる。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2018-08-21
ページ数
384ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.5 x 15.7 cm
ISBN-13
9784150313401
ISBN-10
4150313407
価格
924 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

人類の播種船により植民された五星系文明。辺境の壱岐星系で人類外の産物らしき無人衛星が発見された。非常事態に出雲星系を根拠地とするコンソーシアム艦隊は、参謀本部の水神魁吾、軍務局の火伏礼二両大佐の壱岐派遣を決定、内政介入を企図する。壱岐政府筆頭執政官のタオ迫水はそれに対抗し、主権確保に奔走する。双方の政治的・軍事的思惑が入り乱れるなか、衛星の正体が判明する――新ミリタリーSFシリーズ開幕。

1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める。2000年以降は、『ウロボロスの波動』『ストリンガーの沈黙』『ファントマは哭く』と続く《AADD》シリーズをはじめ、『記憶汚染』『進化の設計者』(以上、早川書房刊)『侵略者の平和』『暗黒太陽の目覚め』など、科学的アイデアと社会学的文明シミュレーションが融合した作品を次々に発表している。

レビュー

  • 華々しい活躍の裏にも力強い活躍がある!それが兵站

    SFやミリタリー物では指揮官と戦士たちの実行する戦いが 作品の主流に置かれることが多いのですが 彼らの活躍を支える兵站部門から戦場を見る視点で書かれた面白い作品です そして未来宇宙の植民地歴数千年を経た時代に於いて自分たちのルーツに疑問が生じたり 様々な謎を解析していく参謀部のような業務と繋ぎをとりつつ 圧倒的不利な状況から生存への道を探り出すストーリーに引き込まれました 遠征編とあわせて9冊一気に読んで納得の面白さです

  • 面白いけどタイトル詐欺

    一言で言えば良質なワーストコンタクトものSF。 ギミックは素晴らしいし、意図せぬ悪意による苦い悲劇もよくできており、正続合わせて9巻という長編にも関わらずストレスなく読めました。 ただ、タイトルにある兵站はほとんど作中で描ききれておりません。それらしきタームの飛び交うシーンは実態として極めて属人的であり、強いて言うならポリティカルサスペンスとは言えそうではあります。それだけ兵站の実態を物語として描くのは難しいという話かもしれません。

  • 兵站は軍隊の基本

    と言う常識が、事細かに書かれていて、神。 特に1巻最後辺りの火伏の主張「英雄で勝つのは兵站の失敗」「軍隊は凡人の集団で健全」に涙。 兵站を無視して、「営業成績」という華々しい目に見える成果を追い求め、その基礎たる会社環境(兵站の最重要ポイント)には金をかけず、コストを削り、短時間で増収が見込める(ように見える)部分にのみ多額の投資をし、思うような増収が得られないと、英雄的活躍ができなかった社員を「能なし、凡人!」と責めるだけw 会社上層部の研修に、この本導入してください。 あ、でも昔、韓非さんが何か言ってたっけ・・・(涙)。 会社が「へいたん」という言葉を少しでも理解することを祈りつつ、この本を読んで憂さ晴らしします。

  • 五星系人類が初めて遭遇した異星人との戦争

    あらすじを見て、2つの星系が足の引っ張り合いをして、異星人との戦闘に支障が出る程グダグダやるのかと思いましたが、そこまで酷い知能の人々ではなくて安心しました。 異星人の脅威があることを知識としては知っていても、実体験が一切無く、ノウハウが全くと言っていいほど無い状況(美味しい前提条件ですが、こうなっている背景もきちんと説明あり)での武力衝突、戦争でハリボテ武装とハリボテ設備を装備したハリボテ艦に、硬直化した知識だけで行動して大苦戦する乗員と裏方 …とはならず、きちんと装備を整えて訓練もしてあり、敵の技術レベルや行動もあって全くと言っていいほど相手の事が分かっていない割には、苦戦せずに進んでいきます。 戦闘ばかりでも、政治話ばかりでもなく丁度いいバランス構成で、飽きずにあっという間に読破してしまいました。 欲を言えば、もう少し艦隊戦が見たかったですが、人類側の準備が整ってくるであろう次巻以降に期待します。 巻末に出てくる異星人の正体は、本を読んでいて久しぶりに寒気がしました。 航空宇宙軍史風味がするのは、人類側の武装が原因かな?(笑)

  • 息切れ

    星系出雲の兵站 1 から4までは良かったけど 5になった途端雰囲気が変わってしまって戸惑った。違う作品にような気がしてしまった。 私個人の感じでは合わなかった。でも読んだけど。

  • 読み応えのあるアルデンテ・ミリタリーSF

    久し振りにミリタリーSFを読んだが、なかなか読み進めず思考渋滞する。軍の組織や戦略のアウトライ ン、橋頭堡或いは根拠地の場所、戦艦のクラスや登場人物の肩書・・・等々多くの約束事があった。特に 登場人物の肩書がやたら長い。ブレンダ霧島の肩書は漢字24文字もあり目がチラチラしてしまう。軍の重 要ポストに女性を登用している点が新しい。 タイトルにもある通り、物語は後方支援がメインとなるのか?と危惧したが、異星人とのファーストコ ンタクトに対する軍戦略や、関係者の不安とスリルを盛り込んでいる。とくに終盤の数十ページにわたる ガイナスとの凄絶な戦闘シーンは流石圧巻!息もつかせぬ迫力と不気味さには只々絶句。タフな読み応え だった。

  • 戦争という名の対話

    『兵站』全巻、『遠征』3巻まで読了。本シリーズで最も興味惹かれるのが、人間の感覚では対話できない未知の異星人と、どのようにコミュニケーションするか、という点にある。 本書における回答は、戦争だ。戦争をつうじて、異星人が何をどこまで認識しているか、行動の原則は何か、といった点を明らかにしていく。一般に、戦争は対話の対局に位置付けられる。しかし、本書は戦争をコミュニケーションの手段として描き出しているのである。 なお、宇宙戦闘の描写も、宇宙船の速度や質量などもリアルで興味深い。

  • 10月の2巻目が楽しみ。

    昔の那国シリーズ的世界かと思ったら師匠筋の谷甲州の航空宇宙軍的ハードな世界で面白かった。 異星人は粛清者(鷹見一幸)の様に自分たちを秘匿して行動はアレクニド(ハインライン)、バガー(カード)で 外見はモート(ニーブン、パーネル)、脳幹に何やらついているのでパペットマスター(ハインライン)と思った。 こういう連想は楽しい。 降下猟兵も主役級なので「宇宙の戦士」的展開になるのか、 政治的に不安定になりそうな五星系では「地球連邦の興亡」(佐藤大輔)のような暗い方向か。

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