意識の川をゆく: 脳神経科医が探る「心」の起源
澤村伊智の連作短編集。スマートデバイス、介護、子育て、結婚など、少し先の技術が入り込んだ家族の場面を通じて、やさしさと支配が隣り合う怖さを描く。
作品情報
家族を便利にする技術が、家族の怖さを静かに照らし出す。
早川書房から単行本として刊行され、のちに角川ホラー文庫化。テクノロジーと家族を主題に、ジャンルを越えた家族小説として読める短編集である。
レビュー要約
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家庭の中にある善意や便利さが、いつの間にか圧力や恐怖に変わる感覚が支持されている。ホラーとしての怖さだけでなく、家族制度への皮肉が印象に残る。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2018-08-21
- ページ数
- 240ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.1 x 1.7 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784152097842
- ISBN-10
- 4152097841
- 価格
- 2310 JPY
- カテゴリ
- 本/医学・薬学・看護学・歯科学/基礎医学/神経解剖学
解説/養老孟司 ●現代医学の偉大な語り部が最後に遺した10のエッセイ● 亡くなる2週間前、サックス先生は友人たちにある著作の構想を話し、 その刊行を彼らに委ねた。生命の起源、心と意識の本質、 私たちの秘めた創造性について語るその本は、 さまざまな科学の成果と臨床経験、そして自らの闘病のなかで出会った事実とを ちりばめた文章で織り上げられていた――医師であり科学者だった著者ならではの仕事である。 進化論的な手法にインスパイアされ、意識の「川」のおおもとへ遡ろうとした脳神経学者は、 そこに何を見たのか。 人間を含むすべての生きものの営みを見つめながら サックス先生が編み上げた、最後の贈り物。
◎著者紹介 オリヴァー・サックス(Oliver Sacks) 1933年、ロンドン生まれ。オックスフォード大学を卒業後、渡米。 脳神経科医として診療を行なうかたわら、精力的に作家活動を展開し、 優れた医学エッセイを数多く発表する。 2007~2012年、コロンビア大学メディカルセンター神経学・精神学教授、 2012年からはニューヨーク大学スクール・オブ・メディシン教授をつとめる。 2008年に大英帝国勲章コマンダーを受章。2015年没。 著書には他に『火星の人類学者』『妻を帽子とまちがえた男』 『レナードの朝〔新版〕』『タングステンおじさん』『音楽嗜好症』 『心の視力』『幻覚の脳科学』『道程―オリヴァー・サックス自伝―』 『サックス先生、最後の言葉』など多数。 ◎訳者略歴 大田直子(おおた・なおこ) 翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。 訳書にサックス『サックス先生、最後の言葉』『道程―オリヴァー・サックス自伝―』 『幻覚の脳科学』『音楽嗜好症』、 ムッライナタン&シャフィール『いつも「時間がない」あなたに』、 イーグルマン『あなたの脳のはなし』、 ドーキンス『ドーキンス博士が教える「世界の秘密」』ほか多数。
レビュー
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「わたし」とは何かをめぐる極上の物語
オリバー・サックスは神経内科医だが、たくさんの物語を書いている。ロバート・デニーロとロビン・ウィリアムスが患者と医師を演じた『レナードの朝』の原作※はよく知られている。 この本は、生命の起源や、わたしたちの心や意識の本質、人間の可能性について、サックス先生が遺してくれた極上の物語だ。 ダーウィンが『種の起源』を世に出したあと、植物学者と呼んでいいほど、面白い研究をしていた話。精神科学で知られるフロイトが、出発点は優れた解剖学・神経学者で、心理学と神経学を統合したい人のロゼッタストーンと呼ばれる『草稿』(誰にも見せるつもりがなかった?)を残していること。自然と引き込まれる10の物語が並んでいる。 印象に残ったのは、動物と植物が意外と近いこと。両者でしくみは異なるが、化学物質によって細胞間で電流を伝えるのは同じだ。動物ほどのスピードや反復力はないが、植物にも知覚があり、おまけに記憶することもできる。 また、わたしたちの意識のモデルについての描写では、ポーンと頭の中に映像が浮かんだ。原子や遺伝というアイデアが、後に物質の裏付けがされたように、意識についても研究が加速している。 最近分かってきたのは、脳の中心的な役割は、最初は知覚の、次に概念(危険など)のカテゴリーを構築し、どんどん高いレベルでの再カテゴリー化を繰り返していく、上行性の自動プロセスであること。それによって、意識が生まれる。なので、あらゆる知覚は創造であり、あらゆる記憶が再創造であり再カテゴリー化になる。 このモデルについて、個人的に気になることが2つある。ひとつは、本書の解説も書いている養老猛司さんが言う、現代の我々の知覚の貧しさ。特に自然や身体についての知覚。下位の知覚が偏っていることの影響はどうなのか。 もうひとつは、本書でも少し触れられている、意識はダイナミックであるのに、社会的な「私」は固定的であることのギャップだ。確かに、昨日と今日の私は違うと言って借金を帳消しにはできないが、いろいろな「意識=わたし」があるという前提で、社会における「私」をデザインできたとしたら。 サックス先生は2015年に亡くなったが、とても魅力的な物語を遺してくれた。 ※ 映画はフィクションで、原作はノンフィクション
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詩的なタイトル
もっと理論的な内容を期待していましたが、タイトルからうかがえるように、断片的なエッセイで、期待外れでした。
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意識を知ることは脳を知ること。
意識の流れは思考の流れ。 脳の作り出した意識を知る。 意識を意識することで、意識の流れは現れる。 脳を脳が認識。 意識をしなければ意識は見えない。
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心や医療について、より深く考えるきっかけになる。
O.サックスの最期の作品で、一気に読みました。
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老医師が最後に綴った珠玉のエッセイ
サックス先生最期の本。各エッセイに共通して科学に対する敬愛とヒトの意識に対する尽きない興味が溢れ出ていたように思う。死の直前まで綴られた好奇心の1つ1つに感動すると共に、自分自身もこのような最期を迎えられたら幸せだろうなとふと思った。養老先生の解説も良かった。
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セミの一生は短いか?
多くの人が、”成虫になったセミの一生は非常に短い”と思っているが、本書の”スピード”についての記述を読むと、『セミはセミで精いっぱい生き短いとは思っていない』ということに気づきました。私にとって、非常に示唆に富んでいました。
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