作品情報
『望潮』は、受賞時の評価対象となった主題を読者に印象づける作品です。
『望潮』は、村田喜代子の短編小説に焦点を当てた文学賞で評価された作品です。題名が示すモチーフを軸に、人物の行動や時代の空気を通して主題を立ち上げる作品として読めます。 国立国会図書館の検索で単行本または収録書籍を確認したため、書籍として確認できる範囲をもとに入手状況を整理しました。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 1998-12-01
- ページ数
- 212ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163181806
- ISBN-10
- 4163181806
- 価格
- 645 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
老婆の「当たり屋」が大勢いるという噂を確かめるべく、玄界灘の小島を訪れたわたしが目にした光景とは──。「望潮」他六篇収録
レビュー
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見やすい
特になし
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「水をくれえ」に尽きる
昔、図書館で借りて読み、これはすごい! と思った記憶がある。久しぶりに読みたくなったものの、新刊では手に入らないので、このアマゾンのマーケットプレイスを利用して手に入れた。そして再読しての感想。本書は短編集なのだが、表題作を読んでいるあたりでは、期待が大きすぎたのか、思いに比してそれほどでもない気がした(もちろん、それでもよかったのだが)。しかし、印象に残っていた「水をくれえ」は、思っていた以上のものだった。こういう、あっち側の世界と現実の境を描かせたら村田さんは抜群にうまい(そう、「耳納山交歓」のように)。ぼくにとって本書は、とにかく「水をくれえ」に尽きる。
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欲張りな、1冊でたくさんの違った味が楽しめる短編集
表題作「望潮」は、とある島を訪れた恩師が聞いた話しを教え子が確かめに行く話しなのですが、これが上手い。情景の描写、本当か嘘か分からないが、ちょっとビックリするような設定、さらに話しの落としどころと結末の切り方、そしてヒロガリともう文句ない短編です、最後のシーンはとにかく上手い。目に浮かばせるのは、文章として書いてはいないのに、感じ取らせる、景色、匂い、音、綺麗な締め方です。そうかと思うと、鬱屈した主婦の幻想と思い込みに馳せる「浮かぶ女」や、子供の頃の回想から始まる不思議な家族劇「白鳥便所」、最後にビックリの「闇のウサギ」など、とても多彩な短編集なのですが、「望潮」と双璧をなす傑作「水をくれぇ」はまた、凄い。とある深夜高速バスに乗り合わせた数人の運命の話しです、これまた上手くて、意外な結末です。 一つの短編集でたくさんの味が楽しめる欲張りな作品、堀江 敏幸が好きな人にも、スティーブン・キングが好きな人にも、絲山 秋子が好きな人にも、オススメ出来る不思議な短編集です。短くてもびっくりの作品です、是非。また、キリンジファンの方(特にお兄ちゃん曲が好きな方!お兄さんがオススメしておりました)に強くオススメ致します。
関連する文学賞
- 川端康成文学賞 第25回(1998年) ・受賞