作品情報
直木三十五賞で受賞となった、藤田宜永の『愛の領分』。
『愛の領分』は、藤田宜永による作品。直木三十五賞の対象作として、作品の構想や語り口が評価された。読者は、文学賞, 人間, 物語を軸に、受賞当時の文学的関心をたどることができる。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2001-05-01
- ページ数
- 394ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163200606
- ISBN-10
- 4163200606
- 価格
- 1600 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
妻に先立たれた男と不倫相手の自殺を経験した女。偶然の出会いが二人の日常に微かな彩りを添えていくのだが……。待望の恋愛長篇
レビュー
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汗まみれ、泥まみれ、愛まみれ
直木賞受賞の恋愛小説。美と醜があっていいよね。えぐさもドキドキ。おぞましさにもドキドキ。静寂すらドキドキ。冒頭からものもの しくて一気に読ませる。そのストーリー展開の妙がきらめく。でもやっぱ一番いいのはそこで踊る登場人物だよ。そりゃそうだ。 でも、このたてつけを度外視したような感覚が何より欲しい。第三者には理解できないのが愛。よって、好みこそあれこの感覚に優れた 裏付けがなきゃ面白くもなんともない。 それにしてもこの人が描く女性は真に迫ってる。極論で言えば母性の描き方がだ。それが描けたとき対照的に男の生きざまも出てくる。 男はさ母性という絶対的なものを持ってないから、自分で創造するしかないの。でもそれは付加の総計か破壊の総計になりがちだ。 シビアだから矛盾が欲しい。それが母性。淳蔵みたいに知性へ逃げこんでも孤独だよ。昌平みたいにスポーツ感覚でやっても虚しいさ。 もっと素直になればいいのに。でも虚勢張りたがる。だからバランスが必要。母性。でもその母性もバランスを欠くと大変。美保子 みたいになっちゃうよ。いやいるんだよ。それが強烈すぎるが故に、往々に頼りない男に惹かれて、晩年に苦労しちゃうのも。 で、結局ウダウダ書いてたら何が言いたいかさっぱりわからんくなったけど、結論として言えることは愛の領分なんて四次方程式の答えは ないわな。が、結局それは男も女も謙虚に求めるべきなんだ。使われたり、反対に使ったりするもんじゃないことは確かなんだから。
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精緻な読み応えのある恋愛小説
中年男の心理が精緻に描かれており 同年代として共感に近いものを感じる恋愛小説は この作者さんのものしか知らないです 解説で渡辺淳一が、ほんのりしたナルシズムを感じさせるところに艶がある、と言ってますが、男のナルシズムをほんのちょっと感じさせるところが確かに魅力的です ドロドロした世界観ですが同時に あたたかい男女、親子、男同士の情愛が根底に感じられるお話です 見事な構成からおとぎ話であり精緻なフィクションであるとよくわかります 詰め込んで詰め込んで読ませて楽しませてくれます この見事な心理描写を生み出す作者さんに興味を持ちましたから 愛さずにはいられない、を今度読もうと思います
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きっと読者の年齢を絞る小説なんだろう。
週末にふとこの小説に出会った。 都会の片隅で慎ましやかに暮らす仕立て屋が主人公。突然、久しく会ってない旧友が訪れ、2人の女性を巡って平穏な毎日に波紋が起きる。 二十代の余韻を引きずり慌ただしく落ち着かない三十代を過ぎ、ようやく生活がひと段落した五十代手前で、昔を振り返る時間ができる頃合いの初老ではない中年最後のおっさん読者に、きっと若かりし日の残火を思い出させる小説である。 精神的には過去を過去とするにはまだまだ若く、しかし突き進むほどにはもう若くはない主人公、淳蔵。が、体力だけは元気過ぎるのは50代手前のもう一つの青春の描写なのか。 結局、淳蔵は誰とも和解できていないように見える。まだ彼には後に続く時間があるからこそか。
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良品でした
即納していただきありがとうございました。 本は汚れもなく良品でした。
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到着期日、包装等問題なくきちんと守られていました。
レビューに記入した通りで気に入らない事はありません。
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読み応えが素晴らしい
時間を忘れるほど引き込まれる作品。藤田宜永を友人に教えてもらい感謝しています。 これからも小池真理子の作品と共に愛読したいと思います。
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読みやすく一気に読めた。
最初から最後まで淳蔵の視点でストーリが進行していくが、淳蔵以外の登場人物の、内に秘めた葛藤や悩みや欲望といったものが透けて見えた。登場人物が皆、なまなましかった。
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世の中の裏をよく見てきた作家だと思う
若い時の友人の妻に横恋慕した主人公 その友人との28年ぶりの再会から物語ははじまる・・・・ 歳をとってくると不完全に終わった恋愛の記憶を美化してしまったりしたすることは誰にでもある経験だろうし 50を過ぎた年齢になっても、自分に再び恋の季節がやってくると考えてしまうこともあるだろう・・・ そんな気持ちをくすぐる物語で楽しく読むことができた・・・ しかもこの作家は世の中の裏側もよく見てきた人だとも思う そういった描写がいくつも見受けられて、この物語の完成度を高めている・・・
関連する文学賞
- 直木三十五賞 第125回(2001年) ・受賞