神は銃弾 (文春文庫 テ 12-1)
元刑事のボブが、別れた妻を殺し娘を奪ったカルト集団を追って荒野へ向かうノワール。復讐、喪失、暴力の熱が、硬質で詩的な文体によって容赦なく描かれる。
作品情報
憤怒を燃料に、男は荒野の果てへ銃弾とともに踏み込む。
元刑事のボブが、別れた妻を殺し娘を奪ったカルト集団を追って荒野へ向かうノワール。復讐、喪失、暴力の熱が、硬質で詩的な文体によって容赦なく描かれる。 憤怒を燃料に、男は荒野の果てへ銃弾とともに踏み込む。
レビュー要約
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苛烈な暴力描写と詩的な文体の強さが語られている。復讐譚としての推進力を評価する声が多く、暗く重い読後感を含めて記憶に残る作品と受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2001-09-04
- ページ数
- 576ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784167527853
- ISBN-10
- 4167527855
- 価格
- 79 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
映画化原作――世界のノワール・ファンを震撼させた名作がニック・カサヴェテス監督で映画化。 「このミステリーがすごい!」第1位! イギリス推理作家協会・最優秀新人賞受賞! 「ゼロ年代ベスト・ミステリ」第3位!(早川書房「ミステリが読みたい!2011年版」) 時代を超えて衝撃を与えつづける〈暴力の詩人〉ボストン・テランの不朽の名作。 憤怒。それを糧にボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を誘拐したカルト集団を。復讐の旅の道連れはケイス――奴らに捕らわれ、その地獄から生還した女。敵の棲む砂漠の彼方、文明の果ての荒野へと、ふたりは憎悪と銃弾を手に踏み込んでゆく。 鮮烈にして苛烈な文体が銃撃と復讐の宴を描き出す。異形の言葉たちが高熱のとぐろを巻いて唯一無二のグルーヴをうねらせる。発表とともに国内外の作家・評論家の絶賛を受け、刊行から20年を経てもなお熱っぽく語り継がれる、ゼロ年代最高のノワール。
レビュー
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心の襞に分け入るような深淵さを持ち合わせつつ、サスペンスフルな展開を見せてくれる
元妻とその再婚相手がカルト集団に惨殺され、娘が連れ去られた刑事。捜査が行き詰まりをみせるなか、刑事は元女性信者の助けを借りて娘の足跡を追いかける。 本作品は、ジャンキーの元女性信者と真面目一筋の刑事のバディもので、ロードノベルでもありる。バディものの定番である、そりの合わない二人の心を通わてせいく様が見所のひとつだ。心の襞に分け入るような深淵さを持ち合わせつつ、サスペンスフルな展開を見せてくれる。 ただ、凄惨なシーンが続くのと幼い子供が犠牲になっているので読んでいて気分がよくはない
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養老孟司氏のおすすめ
養老孟司氏の著書にこの本が登場し、お褒めになっていたのでKindleでトライ。久々に超カルトと暴力に満ちた世界にどっぷりだった。これをブレずに書ける作者はすごい。絶望と恐怖の中で、誘拐された娘を取り戻そうとする男と、ジャンキーから立ち直った女のチェイスと鉄の意志が凄まじい。圧倒的な暴力が描かれる裏で2人の人間描写は繊細であり、切なく、最後2人が生きてくれてよかった(たぶん)と思った。次のテランを読むにはちょっとインターバルが必要なくらい満腹。
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暴力的だけど魅力あり
レビュー評価が極端に分化していたので逆に興味を惹かれて読了。 カルトにドラッグ、レイプに凄惨でど派手な暴力シーン。 身内もみな罪を隠匿してる輩ばかりで四面楚歌。 そんな中で、デスクワーク中心の冴えない保安官が、脱カルトのジャンキー女と、 カルト教壇に拉致されてドラッグ漬けにされている一人娘を救い出せるのか? と逆に悲惨すぎておもしろく読了できた。 テランのデビュー作ということもあり、文章修飾に懲りすぎの感は否めないが、 デビュー作らしい荒っぽい勢いで最後まで読ませる。 冴えない保安官ボブとヘロインの離脱症状に苦しむケイスのコンビが、けっこういい。
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私程度のキャパでは、正直これどこが面白いの?と言うしかない・・・。
星は一つどころか、マイナス10個くらいにしたかった。最初から最後まで、読むのが苦痛で、何度途中で放り出そうと思ったか。翻訳のせいでもあるまいが、わけのわからん表現の横溢。少しも興味の持てないストーリー。気色の悪い暴力シーン。腐臭漂う登場人物。唯一救いは、ケイスというヒロインに出会えたことくらいか。なんでこんな作品に提灯記事がたくさん出てくるのか、それもわけがわからない。
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うーん、ん、うーん…。
残酷?確かに設定は残酷だが、そこまで残酷な描写はなかったかと。どちらかというと、話の進み具合と登場人物の心情が、全く入ってこない方で、読むのに時間がかかりました。 カルト?大した主張じゃないし、単なる好き勝手犯罪集団だし、何よりケイトのモチベーションはなんなのか…。元ジャンキーが急にいい人?全てに説得力が足りないです。 でも、どうなるのかは、気になりつつ読めたので、星は3つで。
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持っていた筈の一冊。
ボストン・テランのこの一冊から大ファンになりハマった思い出の一冊でした。 何処に無くしてしまい買い直して全冊コンプ出来ました。
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デビュー作ならではの欠点が露呈した作品
私は「音もなく少女は」を先に読んで感銘を受け、デビュー作である本作を手に取ったのだが、残念ながら期待外れだった。驚いた事に「神は銃弾」という邦題は原題の直訳で、ここに作者の意匠が明確に表れている。この題名はJ.レノンの「God(...God is a concept)」から取ったものではないだろうか ? 「音もなく少女は」を読むと、作者の「人生は絶望と悲しみに満ちているが、それでもそれを乗り越える事が出来る」とのメッセージが良く伝わって来たが、本作はデビュー作特有の"力み"が見られ、ダークで頽廃的な暴力とドラッグの世界に走り過ぎている感がある。作者自身がそうした世界に浸っていた時期があったとしても。 それでも、人物造形やストーリー展開に工夫が凝らされ、ハードボイルド風サスペンスとして楽しめれば良いのだが、両方共に欠いている。まず、本当は"超越者"として本物語の中心に君臨する筈の悪漢サイラスが単なるヤッピー崩れにしか見えず、本作の求心力を著しく殺いでいる。そして、このサイラスを仇として追跡するボブ、それを支援するサイラスの元手下ケイスの二人の造形にも不満が残る。物語中で羊に例えられるボブだが、全くその通りで、娘を誘拐されて怒りに燃えている筈のボブの存在感が全く感じられない。もっと不可解なのはケイスである。「音もなく少女は」におけるフランやイヴの役割を担っていると思うのだが、何故ケイスがサイラスのグループを抜けて更生を目指したのか、何故自らの身の危険を顧みずにボブに献身するのかサッパリ分らず、これまた本作の求心力を著しく殺いでいる。特に、ラストの二人の行動は本作の意匠からすると噴飯物である。 ストーリー展開も、単純なのは作者の意図通りなのかもしれないが、作者が重きを置いている筈の暴力・虐待・追跡シーンにさしたる迫力が感じられない。サイラスのグループに行動を捕捉されている二人が、大した作戦を用いている訳でもないのに命を落とさないのもご都合主義に過ぎる。デビュー作ならではの欠点が露呈した作品と言えるのではないか。
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ハードで疲れる作品。
カルト集団にさらわれた娘を取り戻すために、娘の父親とカルト出身のヤク中女が手を組んで復讐の旅に出る、 という単純極まりない話のはずなのに・・・すごく読みにくい。 どこかのハードボイルドの登場人物が言いそうな小憎たらしい台詞を更に濃くしたような文体がひたすら続く。 更に、作品で書かれる「病んだアメリカ」とバイオレンス描写がきつくて、 冗談ではなく本当に体力を消耗する(笑)。 疲れているときは読まないほうがいいです。 もともと、「復讐」とか「銃弾」とかの方面に期待してたのでだけど、かなりあっさり終わってしまって肩透かし。 でも、この物語で一番面白かったのは、ボブとケイスが会話をしている場面だった。 「宗教は白人がこの世を支配するために生み出したシステム」だと言い、「宗教も政治も、銃弾という神には敵わない」と豪語する、ひたすら現状認識の女であるケイスと、 人を殺めながらも常識や神にすがろうとする男であるボブとの心の交流が、 このひたすら容赦がない世界観の中で唯一の「救い」に見える。 カルト集団のボスで、存在感ありまくりのサイラス。そしてフェリーマン。 どいつもこいつもかっこいい!