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リバーサイド・チルドレン (創元推理文庫 M し)

大藪春彦賞

リバーサイド・チルドレン (創元推理文庫 M し)

梓崎優

『リバーサイド・チルドレン』は、梓崎優による大藪春彦賞の受賞作です。受賞時の作品名と著者情報に基づき、作品単位の書誌識別子を確認しました。

受賞作現代文学書誌確認

作品情報

梓崎優の『リバーサイド・チルドレン』は、大藪春彦賞で評価された作品です。

大藪春彦賞の受賞作として記録されている『リバーサイド・チルドレン』について、作品単位で刊行情報を確認した。単行本等の書誌が確認できた場合は ISBN を補完し、雑誌号や掲載媒体の識別子は作品の識別子として採用していない。

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2021-08-31
ページ数
375ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.6 x 15 cm
ISBN-13
9784488432126
ISBN-10
4488432123
価格
858 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第16回大藪春彦賞受賞作 動機不明の連続殺人。 少年が辿り着いたのは、あまりに異様な、 しかし胸を抉るような真相だった。 激賞されたデビュー作『叫びと祈り』に続く、鎮魂と再生の物語 カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。過酷な環境下でも、そこには仲間がいて、笑いがあり、信頼があった。しかし、あまりにもささやかな安息は、ある朝突然破られる――。彼らを襲う、動機不明の連続殺人。少年が苦悩の果てに辿り着いた、胸を抉る真相とは? デビュー作『叫びと祈り』で本屋大賞にノミネートされた大型新人が満を持して放ち、第16回大藪春彦賞を受賞した初長編、ついに文庫化。

レビュー

  • 作品内容よりも、作家がこの作品をいかにしてものにしたかに興味が湧いた

    仲間との共同生活は、一種の楽園なのだと思う。 もちろん日々の糧を探すための暑くて臭い重労働や、異分子として虫扱いされて排除される危険性はあるにしても、そこには仲間同士の信頼と絆がある。だからその絆を脅かす別のグループや警察、さらには姿なき殺人者に主人公は憤り、立ち向かった。 ある意味で牧歌的な日常から、殺人の連鎖、旅人との犯人探しの対話、そしてエンディング。高温高湿度な舞台でのスピーディーな展開から一転、旅人との対話でクールダウンされるのがうまい構成だと思った。ここで、雰囲気が一転して状況整理しながら犯人探しを行うミステリが楽しめる。最初は木に竹を接いだような強引なご都合主義の展開に思えたが、旅人が状況を整理して主人公を正解に導いていくところはむしろ楽しめた。 連続殺人というやりきれなさを突き抜けて、エンディングに明るさが戻ってホッとした。主人王が安易に楽園を抜けださなかったのも良かったと思う。 主人公が取り戻した日常、もちろん彼らにはそれが恒久的なものではないことはわかっているだろう。でも彼らが人間である自分を意識して暮らせる場を、実力で取り戻したことは彼らの勝利である。 ドキュメンタリー番組からインスパイアされたようにも思えるが(そういう番組があるかどうかは知らないけど)、ディテールの細かさがそれだけとは思えない。この作家の作品を読んだのは初めてだったが、「どのようにしてこの作品をものにしたのか」に一番興味を惹かれたことは書き記しておきたい。

  • 面白いと思います。

    前作の『叫びと祈り』が好きで、早く次回作を読みたいなと心待ちにしてました。 文章が綺麗で、読んでいて飽きないし、子どもたちを取り囲む世界や心の動きがよく分かります。 最終的に救いのある物語が好きで、どうなるかのかなとどきどきしながら読みました。 『叫びと祈り』のときにも感じましたが、物語のなかにはどこか諦観と悲観的な感情があり、また、殺人などの動機はいつもinnocentというかpureな感情が多く、かっこいいです。

  • まるで雨のにおいが漂ってくるような

    カンボジアには行ったことがありませんし、 先進国の日本で暮らしているため、本物のストリート・チルドレンの 苦しみが本作できっちり描けているかというと、それは私にはわかりません。 しかし小説としてこの作品を読むと、 叙情的な筆致が描く風景は醜くて美しく、 雨のにおいを感じるくらいにリアルで、ああさすがだなあと思いました。 梓崎優独特のロマンチックな文体は好き嫌いが分かれるでしょうが、 これだけの筆力がある新人はやはり数少ないとも思います。 ミステリの点でも「?」と腑に落ちないところもなくはないですけど、 それでも平均以上のレベルにはなっているのではないでしょうか。 あとは、今後の期待をこめて☆4つとしました。 腕にさらなる磨きをかけて、これからのミステリ界を担って欲しいと思います。

  • 物語としては面白いですが…

    『叫びと祈り』から三年、とても期待していたのですが、ちょっと困った読後感でした。 カンボジアのストリート・チルドレンの物語としては面白く読んだのですが、ミステリとしては期待外れという感じです。 中盤の盛り上がりで「おっ」と思い、推理の途中で「これは傑作かも」と思いましたが、真相を知って肩透かしを食いました。 犯人がそう言ってるんだからそれが真相なのでしょうが、でもこの説明はちょっと苦しいです。他の部分では人間ドラマが書けているけど、動機についてだけ人間の行動がおかしい気がします。異様な動機でもいいんですが、読者が納得できるように書いて欲しいです。 デビュー作の「砂漠〜」の動機は素晴らしかったのに、今回はなぜこんな無理矢理作ったような動機になってしまったんでしょうか。 三年あれば短編が何作か書けたでしょうし、そうすれば今頃第二短編集が出ていたのでは… 出来ればそっちの方が読みたかったというのが正直な気持ちです。

  • もう少し勉強が必要では

    人を殺す動機が飛躍しすぎで、もう少し説得力を持たせる伏線をちゃんとはるか、別な動機にすべきではなかろうか。犠牲者が仲間内から絞られる必然性が苦しすぎる。 突然現れた人物がすらすら謎解きしちゃうというのも物語が作れてない。 韓国人だから漢字を知ってる、というのもどうなのか??現在の韓国では漢字教育してなくて読めない方が普通なはずなのだが・・・ カンボジアの様子はずいぶん調べて書かれたのだろうが、そのほかがおざなり過ぎはしないか?

  • 最後まで入り込めず…

    前作は気になりつつも読んでおらず。興味のある作家さんではあったので、こちらを読んでみました。タイトルにも設定にも惹かれた、のですが…最後まで作品と自分の距離が縮まらないままでした。文も表現もきれいだと感じたけれど、そのきれいさが曲者というか、あくまで個人的な印象ですが「きれいに」書こうという意識が強く出ている気がしてしまいました。カンボジアのゴミ山とそこで生き延びようとする子供たち、その熱や重みがあまりリアリティを持って感じられず。壮絶な理由からこの仲間に入ることになった主人公(語り手)が、饒舌すぎ、冷静すぎると感じたのも違和感のひとつだったかな…いわゆる普通に頭のいい子のままに思えてしまって、描かれている世界にそぐわない。そこで生きているリアリティが私には伝わってきませんでした。

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