作品情報
東日本大震災から数年後の帰還困難地域を舞台にした戯曲。
白水社刊『薄い桃色のかたまり/少女ミウ』に収録。ISBN とページ数を確認した。
レビュー要約
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震災後の内側と外側の隔たりを演劇として扱う点が評価され、戯曲として読む場合にも言葉の重さが残る作品とされる。
書籍情報
- 出版社
- 白水社
- 発売日
- 2017-09-27
- ページ数
- 224ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784560094150
- ISBN-10
- 4560094152
- 価格
- 2420 JPY
- カテゴリ
- 本/エンターテイメント/演劇・舞台/演劇
このふたつの戯曲は、震災を扱っているから重要なのではない。震災を扱って、最終的にはそのこと自体が ポイントではないところに達しているから重要なのであり、だからこそ震災を扱った意味もあるのだと思う。――柴田元幸氏 言葉のもつ裏側の意味を探そうとしていたが、そんなものはいらなかった。ただ何度も何度も演じることで、自分の中から本物の感情が生まれてくる。その感情をそのまま体現する、とても自然で不思議な感覚だった。――黒島結菜さん 「私はいっさいの色彩を奪われたのです……。」 震災から6年。岩松了が被災地と向きあい、 新たな再生を謳い上げる、渾身の書き下ろし! 著者は被災地をテーマに作品を執筆するため、昨年から数回にわたって福島を訪れた。東日本大震災から6年が経ち、被災地でも様々な変化があり、その受け止められ方が多様化する中で、社会に問いを投げかける渾身の書き下ろし2作品を収録! 『薄い桃色のかたまり』の舞台は、震災によって終点(折り返し地点)になった駅。町の復興をめざして、地元の人たちの手で線路の復旧工事が進められているが、近隣の家にはイノシシが出入りし、たびたび人間を攻撃して困らせる事態となっていた。駅のわきに立つ添田家では、帰還の準備のため、少しずつ家の修復をしようとしていた。あるとき、長男の学がイノシシに襲われ、ケガを負ったところを復興本社に勤めるハタヤマが救った。学の父・添田良二はハタヤマに感謝の気持ちを伝えようと家に招くが……。 線路の復旧作業は住民たちによって進められていたが、ある日、迂回路があるのだから線路の復旧は不要だと行政からストップがかかり、住民たちは落胆する。そこへ、被災したショックで色彩を奪われたという恋人を探しに、東京からミドリがやってきて……。 『少女ミウ』では被災地の加害者側の視点に焦点が当てられる。主人公サエキミウの父親は「あの会社」の社員であり、賠償問題の責任者だったため、一家は見せしめのように避難指示区域に住まわされていた。やがて父親は失踪し、ミウを残して一家は心中してしまう。それから6年後、「災害からの復興」を少女の成長とともに辿るテレビ番組にミウは引っ張り出され、視聴者の涙を誘導するような番組制作側に対し、ミウは反発して口をつぐむが……。 [目次] 薄い桃色のかたまり 少女ミウ あとがき
劇作家、演出家、俳優。 1952年、長崎県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科中退。89年『蒲団と達磨』で岸田國士戯曲賞、93年『こわれゆく男』『鳩を飼う姉妹』で紀伊國屋演劇賞、98年『テレビ・デイズ』で読売文学賞受賞。映画『東京日和』で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。テレビドラマや映画の脚本家・監督としても活躍。 主要著書『蒲団と達磨』(白水社)、『隣りの男』『月光のつゝしみ』(以上、而立書房)、『テレビ・デイズ』(小学館)、『食卓で会いましょう』『水の戯れ』『シブヤから遠く離れて』『船上のピクニック』『シダの群れ』『ジュリエット通り』(以上、ポット出版)。
関連する文学賞
- 鶴屋南北戯曲賞 第21回(2018年) ・受賞