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耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫 い 4-1-1)

エンターブレインえんため大賞ライトノベルファミ通文庫部門

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫 い 4-1-1)

石川博品

『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』は、石川博品のデビュー作にあたる学園ファンタジーです。奇妙な校風と濃い人物造形が、祝祭的で過剰な語り口の中に詰め込まれています。

ライトノベル学園ファンタジー奇想デビュー作

作品情報

入学の祝祭感と奇妙な学園世界が、強烈な語りの勢いで押し寄せます。

第10回えんため大賞優秀賞受賞作の刊行版。型通りの学園ものからずれた設定と文体で、独自のテンションを持つシリーズの第一作です。

レビュー要約

  • 独特の文体と勢いを魅力とする声がある一方、過剰なテンションや癖の強さで読み手を選ぶ面もあります。

書籍情報

出版社
エンターブレイン
発売日
2009-01-30
ページ数
360ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784757746473
ISBN-10
4757746474
価格
187 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

八高十一組、妄想以上! 第10回えんため大賞優秀賞受賞の超感覚・学園キネマ!! 僕はレイチ。元モグラ(詩的表現、元気いっぱいに!)。 今年から第八高等学校に入学する将来のモテメン(希望込み)。っていうか適当に平和にやりつつ、好きな植物でも愛でて妄想の中で暮らしていきたかったのに、クラスメイトは異文化流モラルハザードなヤツばっか! 僕はインモラル以外食さねーっつってんだろ! とくに何なの? この幼女? ネルリ? 耳刈? せっかくの高校生活、痛いのはイヤ―!(耳だけに) 第10回えんため大賞優秀賞受賞、恐るべき超新星現る!

レビュー

  • 作風に隠されている実力

    ハイテンションにも程がある文章です。 合わない方には絶対に合わないでしょう。 妙に味のある、どこか印象に残る文体です。 普通に文章を書かせれば気持ちの良い文章を書けるだろうと想像できます。 実際、ヴァンパイアサマータイムではなんとも言えない夏休みの浮かれた空気感や、相手に惹かれていく心の動きが描かれていました。 この本の内容は大人になってからでは出来ない馬鹿騒ぎです。考えが少し足らずに動いてしまう、大人になりきれていない時代です。

  • 色々よく分からないけど楽しかった

    まずハイテンションすぎて主人公のキャラが掴めない エロ妄想ばかりしてるのに告白されたら即引くのはなんか原因があるのかな?それともただのキャラぶれ? あと政治の話も分からないから推理モノで言う推理パート?がいまいちピンとこなかった でも所々の表現やセリフ(あと妄想)は面白かったし ハチャメチャなのに読んでてストレス感じないのは「文章うまいな」と素直に感心した もうちょっと落ち着いたキャラの掘り下げに期待して二巻も読んでみようと思う。無理かな?

  • あ、左耳くらいなら刈られちゃってもいいかも。

    上滑りを続ける痛々しいまでのラノベ的ネタトークと、博識に裏打ちされた設定・確かな文章力と構成力のギャップが熱い。 タイトルのアクの強さそのままに怪作と呼ぶのがふさわしい、ファミ通文庫らしい一作。 どこかノスタルジックな、佐藤明機かナウシカのようなデッドテックなスチームパンク的世界(共産主義風味)を舞台にして、繰り広げられるのは何故か普通の学園コメディ。 学園コメディの主人公としての自覚でもあるのか、主人公はひたすら極端なエロ妄想に走っては語りを脱輪させ、さらには周囲を固めるラノベ的な無理なキャラ設定を「異文化」の一言でかたづけられた脇役達もそれに拍車をかけます。 衝撃を受けたのはそのネタのチョイスで、明らかに仮想の世界であるにも関わらず縦横無尽にファミコンネタやら2chネタやら、露骨に世界観と一致しないところからネタが出てくる出てくる。この肩の力の抜け具合に完全にしてやられました。それでもどこかいやらしくならないのは作者の読書量とその質のあらわれでしょうか。こういう作者が出てくるからライトノベルは本当に侮れない。 ネタのレベルが相当高く、とりわけヒロインである“耳刈”ネルリの言動にいちいちインパクトがあり(勿論のこと、萌えも豊富に)、読後即座に読み返してネルリ語録を作りたくなるほど(やりませんがね)。 「謝肉祭か!」 「権威の本質はその不透明性にある」 などなど(以上のどこが面白いのかは読んでからのお楽しみということで)、狂笑を引き起こす機知に富んでいます。 賛否渦巻く怪作とは思いますが、中毒性のある内容に個人的な評価は◎。これほど面白い作者に出会えた今年の読書は既にして豊作だと思います。 入間人間や西尾維新といった極端なタイプの若手作家に抵抗の無い方なら、楽しんで読めるのではないでしょうか。

  • 隠れた天才

    素晴らしい文学センスだと思う。 言語感覚が冴えており、随所に知性が感じられる。 テンポよく、知識も豊富、設定に矛盾無く、 キャラクターがその世界にきちんと存在し、 たくさんの本を読んでいるのであろうことが伺える。 「文体=人間性」と思えば確かに変わっているが、 芯に素直さや真面目さが読んで取れる。 わからない人には全くわからないタイプの ユーモアには賛否あるだろうが、 他のレビュアーも書かれているとおり、 ラノベから一般文芸へと成長の可能性を持つ作者だと見ている。 実際に、あらゆる面で類を見ない仕上がりにもかかわらず、 レビューだけを見ても、非常に熱心な読者を獲得している。 勝手ついでに評するとすれば、 問題点はおそらく二つ。 ひとつは作者の世界が、ファンタジー世界と その設定との接点を以て、 なんとか立脚しているところ。 リア充さがない。避けているようにも思える。 また、クライマックスで、クライマックスたろうとするあまりにか、 それ以外の方法を身につけるのがめんどいのか、 自分の筆に酔ってしまう傾向にあること。 「世界を信じている」作者だと思うから、 「つらくても生きているいまのほんとうの世界」を書いてほしい。 とにかく、ラノベでも、小説でも、 ダメでもなんでもいいから書き続けてほしい。 いつか必ず、新しい石川博品を読みたいと思う。 ネルリのレビューというよりも ファンレターみたいな内容ですみません。 電車の中で「あいつ、やくみつるじゃね?」と言われたことがあるという 石川博品さんをこれからも応援しています。

  • 近年のライトノベルで最高の作品の一つ

    本作は、ペレストロイカが成功したソビエトをモティーフとした、架空世界における学園コメディである。 ……と端的に書いても、おそらく未読の方にはどのような作品か、想像しづらいだろう。 しかしそのぐらい、本作の作品世界は独特であり、またそれこそが本作を傑作たらしめている美点でもある。 主人公であるレイチ・レイーチイチは、政府高官の父を持ち、そのコネで名門「八高」に入学する。 「八高」には、辺境国家の王族など、様々な出自を持つ生徒が集まっており、 レイチは民族、習慣、思想や政治対立を超えながら、クラスを団結に導いていく。 ストーリーラインだけを追うとごく普通の学園物ライトノベルであるが、 一人称文体の語り口が非常に砕けていて、ひたすら全編エロとパロディネタだけで進んでいくため、 そうした印象がかき消されている。 作品のテーマ自体は、差別との戦い、体制への反抗、父という存在の超克、青年期の不安……と、 一昔前の教養小説のごとき重厚なものなのに、口当たりはとても軽い。 こういう状況と文体をあえて乖離させる手法は、 独特で面白いと感じる人と、受け付けないって人がいるようだが、 私はライトノベルの新しい可能性を感じた。 もう五回は読んだが、読むたびに新しい発見がある。 本来なら星六つ、七つをつけても惜しくはない作品である。

  • 主人公の一人語りが意味するもの

    他の方とは違い作者の最新作「クズがみるみるそれなりになるカマタリさん式モテ術」を先に読んだ上でのレビューです この作品に対するネガティブな評価は「主人公の一人称が読みづらい」という所にあるようですが 「カマタリさん」を先に読んでおくと、このネルリシリーズの主人公レイチの一人称の意味する所が理解しやすいです このシリーズ、主人公を取り巻く環境も主人公自身の性格も重すぎます まず世界はソビエト的官僚主義が支配しています。主人公が寄宿生活を営む学校も逆らう者をすり潰す様な官僚主義が隅々まで行き渡っています 主人公属する「本地民」の学生が同じクラスで学ぶ辺境的異民族群「王国民」の学生を見下し、各委員会を牛耳る有様です しかも主人公レイチはそういう学校に官僚である父親のコネで入学し、自分の育った村の民が自分に向ける期待を感じ取ってしまい 学校では同じクラスの異民族生徒を決して下に見る事ができないまま、委員会で「反本地」的発言をしてしまい委員会ににらまれる「面倒くさい」性格です こういう世界でこんな性格だと発狂しかねません。だからこそ主人公レイチは一人語りの主観的世界で自分を解放し、世界に対して破壊的に振舞うんですね 「カマタリさん」の主人公はパンクスかぶれでしたが、レイチも世界に対する破壊的指向は十分パンクスなわけです この作品、真面目すぎて世界が生き辛く感じている人にはより深く感じられてしまうかもしれない諸刃の剣です…素人にはお勧めできない!

  • ラノベでやることはない

    この作品はライトノベルの範疇を超えていると思う。 たしかに文体はラノベっぽい。 しかし、ネタ的にラノベではない。 作者はかなり古典を読み込んでいると考えられるので、一般文芸で新たに書いたほうがいいのでは、と感じた。 少年少女向けの小説から、一般文芸にシフトした作家も多いので、出版社・編集者はそういった可能性を引き出すべきだ。

  • 好きな人にとっては堪らない。それ以外の人は意味が分からない。

    自分はこの本に、主人公レイチに出会えて幸福だと信じていますが、恐らく、大多数のラノベ好きには理解されない作品だと思います。ごく一部の人だけが「この作品は素晴らしい! もっとこの人の作品が読みたい!」と思っています。 中身は主人公レイチ・レーイチイチの一人称視点だけで進む、最近増えてきた書き方です。主人公が面白い、主人公が変態、主人公がヘタレ、主人公がかっこいい、などなどこれらもまたありふれている設定なのでは無いでしょうか? 僕はあまりこういったレビューを書いた経験が無いので上手く書けませんが、気に入る人はとことん気にいると思います。

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