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ウェーブ (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)

ゴールデン・エレファント賞

ウェーブ (ゴールデン・エレファント賞シリーズ)

時武ぼたん

海上自衛隊の練習艦に着任した女性幹部を主人公に、艦内で起こる問題と職務の日常を描く長編小説。元女性自衛官の経験を背景に、現場の臨場感を持つ作品として紹介される。

海上自衛隊女性士官職業小説

作品情報

女性士官の航海日誌として読む海上自衛隊小説。

エイ出版社からゴールデン・エレファント賞シリーズとして刊行。楽天ブックスと図書館書誌で ISBN とページ数を確認できる。

レビュー要約

  • 作品の構成と題材の切り取り方が評価され、受賞歴や書誌情報からも同時代の表現として注目されたことが確認できる。

書籍情報

出版社
エイ出版社
発売日
2014-06-25
ページ数
417ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784777932719
ISBN-10
4777932710
価格
279 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

第4回ゴールデン・エレファント賞大賞作品。 舞台は海に浮かぶ海上自衛隊の練習艦「あやぐも」の上。 主人公・小菅千春は、あやぐも唯一の女性海上自衛官(=ウェーブ)の幹部として着任する。 着任早々、幹部の帽子が何者かによって捨てられる「帽子事件」が発生し、千春は散々な目に遭う。 それを皮切りに訓練航海では様々な事件が起こるが、同期の小山田通信士に助けられながらも、なんとか日々の任務をこなしていく。 やがて、千春の周りで起こった数々の事件の裏にある、様々な人間関係や恋模様が明らかになっていく…。 困難にぶち当たりながらもたくましく乗り越えていく姿や、周りの大切な存在に気付いていく様子を描く。 実際に元女性自衛官だった著者の臨場感溢れる描写も見逃せない。

レビュー

  • 面白い!

    女性の描写がとても優れている。

  • 面白かった!

    海自の艦艇内の生活が、なかなかリアルに表現されていて懐かしかった。

  • 海上自衛隊艦艇生活疑似体験本

    一般国民が知ることのない自衛艦生活をリアルに描写。推理サスペンスの要素を秘めながら人間関係の機微を描ききっていて、より一層読者をバーチャルな洋上生活に誘うこと必至です。

  • リアリティあふれるコージーミステリー

    まず、キャラの設定が上手いです。 これだけ多くの、しかも全員が海上自衛官という同じ職業の人物の書き分けは、とても難しいと思います。 幹部自衛官、ベテランの海曹たち、一般乗組員の三層構造から来る雰囲気の違いもよく出ていると思いました。 ウェーブであり、幹部自衛官である矜持を抱きつつも、ふつうの女性の感覚も持ち合わせている小菅三尉。 その悩める心理と行動の描写は、非常に素晴らしいと思いました。 甲板士官に任じられた小菅三尉は、海の伝統を愛する男たちに揶揄されたり、嫌がらせをされ続けます。 最初のうちは、日常的な小さな事件が続いてゆくだけなのに、「頑張れ! 小菅!」と自然に感情移入してしまいました。 護衛艦『あやぐも』内に、どんどん広がって行く黒い影。 期待通りに、事件はどんどん大きくなってゆきます。 暗い行動をとる乗組員の動機や背景には説得力がありました。 小菅三尉に共感できただけに、ラストのシーンでは、思わず溜飲が下りました。 同期の優秀な小山田通信士との間の、恋に発展しそうでなかなか発展しない、じれったい関係もよかったです。 指揮官を実務面で支えている海曹たちのしたたかさもおもしろかったです。 楠木、畠中、植松ら、等身大のウェーブたちに対する、きめ細かな描写も優れています。 でも、何よりも凄いと思ったのは、この作品全体に通ずるリアリティです。 作者の実体験を下敷きにしているだけあって、訓練や勤務実態のリアリティは、抜きん出たものです。 当直や各種訓練のあり方や、術科と分隊との帰属の違いなど、護衛艦の勤務の仕組みがわかって興味深かったです。 ことに対戦戦闘訓練のUBの重苦しい雰囲気や、最後のアクシデントのシーンで小菅三尉が奮闘する場面の、息が詰まるような緊張感は見事です。 読後感もさわやかでした。 ひと味変わったコージーミステリーをお求めの方にはおすすめできると思います。

  • 潮風を感じます

    ゴールデンエレファント大賞を受賞した作品なので、 読む前から期待していましたが、 期待を裏切らない展開に、一気読みしました。 普通の女の子なのに、幹部自衛官として求められるのは、 デキル女としての、あるべき自分。 そんな主人公が、周囲のデキル奴に圧倒され、 へこみながら、次第に成長していく物語がベース。 それに、一癖も二癖もある周囲の人たちに翻弄されて 謎解きに否応なく引きずり込まれるという、 もう1つのストーリーが交差しており、飽きずに読めました。 女性が読むと、等身大の自分と重ね合わせてしまうだろう 主人公設定に、とても好感が持てます。 読後感は、爽やか。 水雷士、よくがんばったねと、 一緒にやり遂げたような達成感さえ感じました。 自衛隊に関する専門的な知識がなくても、 読みやすかったです。 久しぶりに、海を見たくなりました。

  • 面白いっ!!

    超面白かったです!一気読みしました!! 現在は『丸』にて『ぼたんがキラリ』を連載中のぼたんさん。第2弾が楽しみです。

  • 裏切られる!

    海上自衛隊という、一般人には見えにくい世界を語る小説かと思いきや! そこを良い意味でいきなり裏切られます 「あやぐも」という練習艦の中に、ひとつの人間世界を見ました 男社会の中で奮闘する女性の姿が描かれるだけでなく、その中に渦巻く様々な立場に置かれる人々の感情の動きが、読み手をグイグイと作品の世界に引き込んでいきます この話の登場人物の別の話も読んでみたいと思わせられるほど、ひとりひとりの人物像がしっかりと作り込まれている部分も、この作品の魅力だと思いました 読み終わった後に、爽快感を感じました 子育てに追われる日々、久しくこのような長編小説を読めていなかったのですが、久しぶりに読めた小説が、この本で良かったです

  • これは、新手のミステリー!?

    「ウェーブ」という、よく意味のわからないタイトルと装丁からは想像もつかない、スリルとサスペンス満載の、いわば新手のミステリー。 「ウェーブ」とは、女性の自衛隊員のことを指すらしいのだが、裏の意味がある気がする。決してバカではないのだが、どちらかというと、のんびりというか、ドン臭いイメージの拭えない文学少女が、ある日、魑魅魍魎の棲む「あやぐも」なる世界に放り込まれる。その荒波(ウェーブ)に翻弄され、アップアップしながらも、時として彼女本来の芯の強さを見せつけ、今度は周囲と読者が翻弄される。 一見、個人の日記のようで、稚拙で完成度が低いような印象を受けるが、数々の謎が、ページが進むにつれ、一つずつゆっくりと解き明かされていくという、その実、緻密に練られた、非常に完成度の高い作品。ハラハラ、ドキドキ、息もつかせない迫力には驚かせられる。 頑張れ水雷士!負けるな水雷士!心からエールを送らずにはいられない。 余談だが、本筋とは全く無関係(と思われる)のやたら丁寧な人物描写がたまらなくおかしい・・・。

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