作品情報
世界の行を読む少年が、無能と呼ばれた少女と戦場に立つ。
受賞時タイトル『放課後プルーフリーダー』を改題し、『神託学園の超越者』としてGA文庫から刊行された。小説の形式そのものを能力に取り込む発想が特徴。
レビュー要約
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設定と人物配置の明快さが評価され、物語の推進力を楽しむ読者に向く。一方でジャンル色が強いため、題材への好みで受け止め方が分かれやすい。
書籍情報
- 出版社
- SBクリエイティブ
- 発売日
- 2013-11-14
- ページ数
- 288ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1.5 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784797375848
- ISBN-10
- 4797375841
- 価格
- 1 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
《無能》と《不戦敗》、最底辺の少女と少年が学園最強を目指す!! 超絶学園異能バトル、ここに開幕! 【我は、変革をもたらすことにした】 約一年前。 突然の【神託】により、 美景原高校の生徒たちは《超越者》=人の範疇を超越した存在へと昇華する。 それはただ己が最強を目指す、超異能バトルの幕開けだった――!! そんな熱狂の中、怠惰に過ごす渡良瀬文乃は、 何の力も授からなかった《無能》天枷杏奈を助けることに。 不戦敗と呼ばれる文乃の本当の力は《六行視》。 小説として書かれたこの世界を読み、校正する力だった! 「知ってるか? ここはクソったれな小説の世界なんだぜ?」 「ならば私と最強を目指せばいい!」 全てに絶望する少年と全てに希望をもつ少女が出会う時、物語は動き出す! 超異能×学園バトル、開幕!
レビュー
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こう……試みは面白いのだが。
なんとなく、ネットで面白そうな評判を見たので買ってみましたよ。 主人公の能力が…ネタバレくさいからそこは触れず。 まあその主人公の能力が少し面白いので、まあまあ読めたかな? という感じ。 やっぱりバトルものはドラマがないと燃えないね。 つまり、あまりバトルでは燃えられませんでした。 最弱が最強を倒す、という様式美の様な展開でしたが、別に最弱じゃねえしなあ、というモヤモヤ感がつきまとう。 別に能力も突飛なものは主人公以外はなく、正直続刊は買わないんじゃないかなあ。
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メタフィクション学園異能バトル!
というわけで、GA文庫奨励賞の受賞作「神託学園の超越者(トランセンダー)」 ベタな学園異能バトルを読みたかったので買ってみたのだが、なかなかに面白かった。 第一印象どおりに、世界観や能力などはどこかで見たような感じであり、実にベタな内容。 ではあったのだが…ひとつ大きな特徴があり、それは主人公が非常にメタ的な能力を持っていて、それゆえに「メタフィクション」になっているところである。 本作品は、そのメタ的なギミックを多分に生かして書かれており、その一点突破な作りが普通の学園異能バトルとは一線を画す内容となっていた。 正直、「メタフィクション」はちょっと苦手なところもあるのだが、そのギミックを最大限に使いつつテンポよく綺麗にまとめて終わらせていたので、読後感はなかなかに良かった。 キャラクター描写やバトル描写などの文章表現もこなれていて、勢いがあるのもラノベらしく非常に良い。 とはいえ、個人的にはキャラクターや世界観が結構気に入っていたので、メタ視点なしでのベタな学園異能バトルで長期で続けて欲しかったところもある。 でもそれだと、「メタフィクション」という特異性がなくなり、凡庸な作りにもなってしまうので、まあ仕方ないか…ちょっと、もったいない。 この「物語」自体はきっちり完結しているので、続編とかは難しいとは思うのだが、キャラクターとかがかなり好きになってたので、「学園ラブコメ」とかで続きが読みたい気はするが…まあ、まったく別物になってしまうから、これも仕方ないか。 彼らの未来は、読者の心の中で始まるというのも、美しくはある。 そんなわけで、なかなかに力量はあると思うので、この作者の次回作には期待したい。
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言語使用の線型性を乗り越えるプルーフリーディング異能バトル
パロと書いてメタと読むのでない、書記言語という表現形態を十全に活用したテクスト遊戯。六行先が読める校正異能《六行視》を使い、戦闘向きの異能を持った輩の襲撃を躱していく。ヒャア技法的に傑作だ。 六行先を並列で眺めながら、主人公の言動はこれを読んでいるからか、と読むのがやたらと楽しい。先が読める優越感に浸ってたら読者騙しの叙述トリック仕掛けてくるわ、人称と視点の使い分け講座始めるわ、もうやりたい放題で最ッ高。真に映像化不能な、小説ならではの楽しみだ。思想方面の人は差延の概念を持ち出して語ると面白いかも。 小説の体裁をうまく活かした遊びを、異能バトルでスムーズになじませるのもいい。言語SFには変わった言語体系の宇宙人と接触するフォーマットがあるが、今の時代、宇宙人との近接遭遇より異能バトルの方が自然な感がある。 ラスボスが出てから《六行視》中断でSEKKYOバトルにかまけるのが残念。なんで作品の特長投げ捨てたし。どうやら、無能者が見返すルサンチマンものじゃなく、ライバルと高め合い悪役も更正する少年漫画式の成長ものらしい。 まあ中断時に不満を感じるのも《六行視》の楽しさゆえだし、バトルの終結や必然的に訪れる幕切れも収まるべき所にすっきり収まって、全体的には大満足。予定調和を蔑ろにしない綺麗な着地はやはりいいものだ。
関連する文学賞
- GA文庫大賞 第5回(2013年) ・奨励賞