まぼろしの巨大クラゲをさがして
クロエ・サベージ, よしい かずみ
クラゲに魅せられたモーリー博士は、誰も見たことのない巨大クラゲを求め、研究チームと北極海へ向かう。厳しい寒さと広大な海を進む探索のなかで、博士たちは北極圏の生きものや自然の不思議に出会う。
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クロエ・サベージ, よしい かずみ
クラゲに魅せられたモーリー博士は、誰も見たことのない巨大クラゲを求め、研究チームと北極海へ向かう。厳しい寒さと広大な海を進む探索のなかで、博士たちは北極圏の生きものや自然の不思議に出会う。
佐々木 紺
「北斗賞」は、俳句の未来を開く若い俳人を輩出することを目的とした賞。 40歳までの俳人を対象に作品150句を募集し、第13回は40篇の応募があった。 【受賞の言葉】 2014年にBL句会をきっかけにして俳句を作りはじめた。 その後数年してBLでない俳句も作るようになったが、BL俳句から学んだときめきと反骨は、何かを作るときいつも心の中にある。 個人の努力ではどうにもならない、社会システムの理不尽のようなものがあることを、20代後半になって身を以て知った。 それにすりつぶされそうになりながら、抗いながら生きてゆくとき、俳句は支えであり光だった。 北斗賞をいただけたのは、そのときのもがきをどこか掬い取ってもらえたような気がして、うれしい。 しかし慢心せずまた0から作りたいし、作りながら自分なりに小さく戦ってゆきたい。 もう亡くなった人も生きている人も、好きな句を書く人たちは遠くの灯台のようで、くらい海を行くときの希望として光っている。 いまも書き続けられるのはその人たちのおかげだ。 (佐々木紺) 探梅や水面は雲をゆるく溶き 落ちながら謀反のにほふ白椿 花冷やフルーツサンドやすませて 対角線上に君ゐる冷奴 魚の尾に風の立ちたる花藻かな 僧の頭のきつとさらさら夕端居 師をすこしあやめて持つてゆく芒 咬合の悪き一族星月夜 男らの抱擁淡し霧の街 生き延びるため森を描く冬の画布 本書より
山下 みゆき, もなか
十歳の直紀は、大好きなおじさんと訪れた古い家で、子ども時代のおじさんが飼っていた猫にそっくりな白猫に出会う。ふしぎなものが集まる庭を舞台に、直紀とおじさんは思いがけない出来事に向き合い、周囲の人たちと力を合わせて進んでいく児童ファンタジー。
有木宏二
「ブッダの道の探究は花のように見える…」 タヒティの「匂いたつ」(ノアノア)ような野生的世界のモチーフで有名なポール・ゴーガン(1848-1903)。資本主義の勃興期、株式仲買人は35歳で無職の画家に転じ、最後まで寄り添ったのはブッダの教えだった。 本書は画家の著作やノート、書簡を読み直し、これまでほとんど顧みられることのなかったゴーガンの作品と仏教のかかわりを読み解く。仏教経典にまとめられた偈(げ)、すなわちブッダの言葉をゴーガンは絵画表現に響かせようとした。「森全体を根本から伐れ」(『ダンマパダ』)――それは色彩を通じて目に見えないもの、魂の状態を「暗示」する、ひとりの修行者の芸術革命であった。 ゴーガンが文明の外をめざして旅立ったポリネシアは、聞きなれない神々が登場する創世記の原風景の地であり、おのずと彼の仏教は独創的なものになった。その島々を襲う植民地化、戦争、金銭の支配、病原菌…。 「私の一生は、倒れたり、立ち上がったり、また倒れたりの連続だったよ」(最後の手紙)。 たゆまず「解脱(ニルヴァーナ)」を求め、ついには輪廻転生を確信するまでに仏教的な悟りを重ねた画家の精神の彷徨。アジアから放つゴーガン研究の新機軸の書である。 目 次 序章 暗示の芸術 一、聴く目の言葉としてのみの色彩 二、「解脱」への意志 第一章 脱皮 一、ヴォジラールで見た夢 二、転機 三、コペンハーゲンにおける「絶望」 第二章 1888年――「彼岸(カナタノキシ)」へ 一、東洋憧憬 二、ブルターニュの海 三、ファン・ゴッホの傍らで 四、忘れ得ぬ一年の終わりに 第三章 ニルヴァーナ 一、「生」と「死」と 二、ヤコブ・メイエル・デ・ハーン 三、金字で書かれた偉大なる思想 四、「寂滅」か「解脱」か――世紀末ヨーロッパにおける仏教 第四章 死の中の生 第五章 原罪と「楽園」 一、斧を持つ男、あるいは「ノアノア」 二、ボロブドゥールの視像 三、「イヴ」を廻る女系図 第六章 悪 一、「トゥパパウ」の視線 二、オヴィリ 第七章 「野生」の中のブッダ 一、亡き王国のためのカデンツァ 二、「野蛮」のための物語 第八章 非絶の絶筆――《我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか》 一、死の側からの悟り 二、カンヴァスの部分にならない省察 三、ニルヴァーナの行方 四、「いいえ、知りません」 終章 輪廻転生 一、「我々」の新たな一章のための―― 二、正当化し得ない悪 三、「畜生」の真智 註
九段 理江
第170回芥川賞受賞作! 日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版・バベルの塔 ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名沙羅は、仕事と信条の乖離に苦悩しながらパワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と、実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。
宋 恵媛, 望月 優大, 田川 基成
1946年、朝鮮から日本へ渡った在日朝鮮人作家・尹紫遠と、その家族の歩みを追うノンフィクション。残された日記や文書、子どもたちへの聞き取り、ゆかりの地での取材を通して、植民地支配、戦後の移動、国籍、貧困、労働のなかを生きた一家の歴史を描く。
三木 三奈
第170回芥川賞候補作。32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。 「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より)
白川 尚史
古代エジプトで蘇った神官セティが、自身の死の謎と密室から消えた王のミイラの真相を追う。
川口 好美
川口好美の評論「不幸と共存――シモーヌ・ヴェイユ試論」は、ヴェイユの不幸論を手がかりに、暴力、差別、文学的思考の倫理を問い直す批評。のちに第一評論集『不幸と共存 魂的文芸批評』に収録された。