Yoshikawa Eiji Literary Newcomer Award
飽くなき地景
A noir of beauty and blood, set in Tokyo from the postwar years through the period of rapid economic growth, in which the heir to a former aristocratic family tries to recover his clan's treasured sword.
Work Information
A noir about family secrets and passions surrounding a Japanese sword as Tokyo's landscape changes.
The heir to the Karasuma family, which rose through land development and real estate, grows up fascinated by the treasured sword Mumei owned by his grandfather. After his grandfather dies and the sword passes into the hands of a gang, he tries to recover it, while changing times expose secrets hidden within the family.
Book Information
- Publisher
- KADOKAWA
- Published
- 2024-10-02
- Pages
- 384 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13 x 2.4 x 19 cm
- ISBN-13
- 9784041150672
- ISBN-10
- 4041150671
- Price
- 2145 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品
吉川英治文学新人賞受賞作! 一振りの刀が巻き起こす美と血のノワール 土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。 第46回吉川英治文学新人賞受賞作にして第172回直木賞候補作。
●荻堂 顕:1994年3月25日生まれ。東京都世田谷区成城出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、様々な職業を経験する傍ら執筆活動を続ける。2020年、「擬傷の鳥はつかまらない」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。2021年1月、新潮社から同作を刊行し、デビュー。
Reviews
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三島由紀夫と山崎豊子が融合したような大傑作
荻堂作品は『擬傷の鳥はつかまらない』『ループ・オブ・ザ・コード』『不夜島(ナイトランド)』と読破してきたが、今作はこれまでとは大きく違う作品で、まるで三島由紀夫と山崎豊子が融合したような大傑作だった。最初にヤクザが出てきた時はいつものバイオレンス方向でいくのだろうと思っていたが、それをいい意味で裏切り、戦後日本の歴史的背景と共に血族の物語を落ち着いたトーンで描き切っていた。いつまでも読み続けていたい作品であり、読み切ってしまうのが惜しいとすら感じた。タイトルの「地景」という言葉に込められたダブルミーニングが作品を象徴している点も素晴らしい。
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日本刀と土建屋の物語
土建屋の息子がアート系に走ってジタバタする話だ。ただし、日本刀の文化と戦後の政界・反社勢力の史実を巧みに取り入れてリアリティーがある。 一つ大きな仕掛けがあり、物語の根幹をなす前提がひっくり返るところは面白い。だが、それが物語の中心テーマに食い込んでいるかというと微妙な気がする。 読み終えて、それなりの迫力や面白さはあったが、金持ちのボンボンの一人芝居を見ただけのような気もした。もし、直木賞を受賞したら、私の読みが方向違いだったということでごめんなさい。
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皆には好かれる
期待してたないょうと違った
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まごうことなき傑作
読了して、たくさんの言葉に包まれています。 紹介文にも帯にも書かれていないが、これは、芸術/アート、つまり人の手によって作り出されたものに対するスタンスがテーマなのだと感じた。 主人公の治道は、家族、あるいは物語中で出会う様々な人との出会いと別れを通じて、自らのスタンスを自覚していく。 特に芸術に興味を持っている読者には、何かしら共感したり心に響くものがあるのではないか。 前作のように短文を重ねてリズムよくドライブしていく文章とは異なり、一文一文とても丁寧に書かれていて、文字を手の指でなぞっていくくらいのペースで読み進めると、意味がすっと腹落ちていくように思う。 情景も、人物の心のうちも、読者の心に鮮やかに再生される、そういう文章だった。 建築や美術に対する素養、イメージがあると、情景の解像度が上がり、いっそう鮮やかに感じられるだろう。 主人公が自覚した芸術に対するスタンスとは、つまるところ生き方であり、他者との違いを受け入れ、自分というもの、自分の限界に対する諦念に至る。 とても美しい物語だった。
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美を研ぐ心模様のなかで。
”地景”とは刀剣の刃文を表し、土地のながめを表すもの。 刀と東京のビル群。 その宝刀は”僕という人間を人間たらしめている背骨そのもの”だという。 そして、東京の景観は水平と垂直が融合していくのか。 その盟友との絆。 そしてその血族とのつながりを語る。
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個人的には資産家の道楽の範囲での大河ドラマでしかない
最初は何を読まされているのかよく分からなかった。最後まで読めばカタルシスを感じるのだろうと期待しつつ読み終えた。結果、カタルシスを感じることはなかったが、“刀”や“烏丸建設”を通じて、人生の意義のようなものを読み取ったが、感情移入することはなかった。というのも、烏丸治道の人生について、あまりにも恵まれており、生まれながら資産を持っている人物に対して自分事に感じられず、資産家が完膚なきまでどん底まで落とされるのなら、少しはスカッとするものの、そうではない。結局、何を読まされているのかよく分からなかった。自分の人生と照らし合わせて、単純に治道の生き様と相容れない現実が小説を拒否しているだけかもしれないが。
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いまいち
ピリッとしないテンポもない甘い文章。面白くない。誰が直木賞候補にしたのかな?