直木三十五賞
1回登壇
-
第67回(1972年) 受賞受賞作: 斬
『斬』は、綱淵謙錠による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。
『斬』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。
受賞作作品昭和期の文学作者の視点
つなぶち けんじょう
Tsunabuchi Kenjō
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 旧制新潟高等学校 | — | — | — | 1943–1945 (在学中に徴兵・中退) | 日本 |
| 東京帝国大学(東京大学) | 文学部 | 英文学科 | 文学士 | 1946 入学 → 中退 → 1951 再入学 → 1953 卒業 | 日本 |
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1972 | 直木三十五賞 | 斬 | — | 直木三十五賞選考委員会 | Winner |
『斬』は、綱淵謙錠による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。
『斬』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。
徳川時代の罪人首切役・山田家の懊悩を通して責務と良心、家族の宿命を描く史劇的長編。
戊辰戦争期の変転を史伝的視点で描き、敗北と時代の移り変わりを浮かび上がらせる作品。
越後地方の歴史と人物に焦点を当てた随筆・史伝的著述。
幕末・維新期の人物群を取り上げ、その生き様と時代の意味を考察する評伝集。
綱淵謙錠は編集者として谷崎潤一郎全集やT・S・エリオット全集の刊行に携わり、作家としては歴史小説を中心に重厚で史実に根差した作風を確立した。直木三十五賞受賞作『斬』をはじめ一字題の短編群や史伝的著述で評価され、日本の歴史小説界に実務的かつ文芸的な足跡を残した。
「私の処女作で、前半生の総決算」とする一方、「この本を読んでいただきたいのは、国家に傷つき、隣人に傷つき、友人に傷つき、父母に、子供に、恋人に傷つき、それでもなお何かを信じてじっと耐え忍んでいる方々である。その耐え忍びのために心の臓から滴り落ちる一筋の血の色が、この作品の中の血のいろどりと重なり合って同じ色であることが分かっていただけたなら、私のこの作品を書いた意図は十分に酬われたと言えるであろう」