日本の文学賞

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綱淵 謙錠

つなぶち けんじょう

Tsunabuchi Kenjō

プロフィール

性別
男性
生誕
1924-09-21 (樺太登富津)
死没
1996-04-14 71歳
国籍
日本
言語
日本語
居住地歴
樺太登富津 → 新潟市 → 東京都(池袋) → 旭川市

経歴

職業
小説家, 随筆家, 編集者
活動期間
1953年〜1996年
所属
中央公論新社, 日本ペンクラブ(事務局長)
所属団体
日本ペンクラブ
影響を受けた人物
T・S・エリオット, 子母澤寛, 長谷川伸, 海音寺潮五郎

学歴

旧制新潟高等学校
期間: 1943–1945 (在学中に徴兵・中退)
国: 日本
旧制高等学校。在学中に学徒出陣で兵役についた。
東京帝国大学(東京大学)
文学部 / 英文学科
学位: 文学士
期間: 1946 入学 → 中退 → 1951 再入学 → 1953 卒業
卒業年: 1953
国: 日本
学費の都合で一度中退し、その後復学して卒業。

受賞歴

直木三十五賞
1972
対象作品:
主催: 直木三十五賞選考委員会
結果: Winner

受賞・候補エディション

直木三十五賞 1回登壇
  1. 受賞作:

    『斬』は、綱淵謙錠による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。

    『斬』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。

    受賞作作品昭和期の文学作者の視点

作品

代表作

1972年 歴史小説

徳川時代の罪人首切役・山田家の懊悩を通して責務と良心、家族の宿命を描く史劇的長編。

責務と良心家族の宿命刑罰と正義忍耐

戊辰落日

1978年 歴史小説

戊辰戦争期の変転を史伝的視点で描き、敗北と時代の移り変わりを浮かび上がらせる作品。

近代化と喪失戦争の影響個人と歴史

越後太平記

1980年 歴史・随筆

越後地方の歴史と人物に焦点を当てた随筆・史伝的著述。

地域史人物評伝伝承

幕末に生きる

1988年 歴史随筆・人物評伝

幕末・維新期の人物群を取り上げ、その生き様と時代の意味を考察する評伝集。

維新史人物論近代化

全著作

  • 斬 (1972)
  • 苔 (1973)
  • 狄 (1974)
  • 血と血糊のあいだ (1974)
  • 妍 (1975)
  • 幻 (1976)
  • 戊辰落日 (1978)
  • 越後太平記 (1980)
  • 幕臣列伝 (1981)
  • 鬼 (1977)
  • 剣 (1988)
  • 十五代将軍・慶喜 先が見えすぎた男 (1997)

作家による翻訳

  • 詩劇論集(T・S・エリオット)

作風・主題

文体
史実に即した緻密な描写神秘主義および超合理主義的要素の導入簡潔で重厚な文体一字題による象徴的表現の多用
頻出モチーフ
遠い記憶先祖の記憶血と贖罪忍耐と耐苦

健康

  • 肝疾患(肝臓病)
    1971(事務局長就任後の多忙期に入院、約70日間)
    70日間の入院を要し、執筆や事務業務に影響を与えた。
  • 慢性腎不全
    1996(死去)
    1996年に慢性腎不全で死去した。

評価・遺産

綱淵謙錠は編集者として谷崎潤一郎全集やT・S・エリオット全集の刊行に携わり、作家としては歴史小説を中心に重厚で史実に根差した作風を確立した。直木三十五賞受賞作『斬』をはじめ一字題の短編群や史伝的著述で評価され、日本の歴史小説界に実務的かつ文芸的な足跡を残した。

関連学会

  • 日本ペンクラブ

資料所蔵先

  • 国立国会図書館(著作・典拠)
  • 中央公論新社アーカイブ(編集在籍記録)

引用

  • 「私の処女作で、前半生の総決算」とする一方、「この本を読んでいただきたいのは、国家に傷つき、隣人に傷つき、友人に傷つき、父母に、子供に、恋人に傷つき、それでもなお何かを信じてじっと耐え忍んでいる方々である。その耐え忍びのために心の臓から滴り落ちる一筋の血の色が、この作品の中の血のいろどりと重なり合って同じ色であることが分かっていただけたなら、私のこの作品を書いた意図は十分に酬われたと言えるであろう」
    出典: 直木賞受賞に際しての談話(『斬』に関連) (1972年)

豆知識

  • 一字題の短編を多数執筆し、その名が代表的な特徴となっている(一字題は計48編ほどとされる)。
  • 中央公論新社の編集者として谷崎潤一郎全集やT・S・エリオット全集の刊行に深く関わった。
  • 1970年、築地本願寺で行われた三島由紀夫の葬儀の手伝いを行ったことが、編集者時代の最後の仕事の一つであった。
  • 旧制新潟高校在学中に学徒出陣で旭川の第7師団に召集された経験がある。