野間文芸賞 のまぶんげいしょう
『一個その他』は、永井龍男の晩年短篇の精髄を示す作品群である。日常の些細な出来事や人の気配を端正にすくい取り、過度な劇化を避けながら、記憶と時間の陰影を静かに読ませる。
何気ない日常の片隅に、短篇の名手らしい澄んだ余韻が宿る。