新潮社文学賞 しんちょうしゃぶんがくしょう
大岡昇平の『花影』は、花柳界の女性をめぐる記憶と語りを通して、愛欲、死、文学的な作為を描く小説である。実在のモデルを思わせる人物像を、死者の語りに近い形式で浮かび上がらせる。
消えた女の面影が、語りの奥で花の影のように揺れる。