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北京三十五年 上: 中国革命の中の日本人技師 (岩波新書 黄版 127)

毎日出版文化賞

北京三十五年 上: 中国革命の中の日本人技師 (岩波新書 黄版 127)

山本市朗

『北京三十五年 中国革命の中の日本人技師』は、山本市朗が中国で過ごした三十五年を描く回想記。技師として北京に暮らした体験を通じ、日中戦争末期から中華人民共和国成立後、文化大革命期までの社会の変化を語る。

中国現代史北京技術者日中関係回想記

作品情報

北京に生きた日本人技師の視点から、中国革命期の街と労働者たちの時間をたどる回想記。

昭和十九年に技師として中国へ渡った著者が、北京で労働者や市井の人びとと暮らしながら見た三十五年を記す。金山への赴任、日本降伏、解放軍の入城、大躍進、文化大革命、その渦中での監禁生活など、個人の生活史と中国現代史が重なり合う上下二巻の岩波新書。

書籍情報

出版社
岩波書店
発売日
1980-07-21
ページ数
192ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784004201274
ISBN-10
4004201276
価格
15 JPY
カテゴリ
本/ノンフィクション

Amazon.co.jp: 北京三十五年 上: 中国革命の中の日本人技師 (岩波新書 黄版 127) : 山本 市朗: 本

レビュー

  • 中国に捧げた日本人技師の物語

    中国大陸に先の戦争末期に鉱山の技師として渡り、そのまま技術者として中国に残った著者のお話。発売が1980年だが、その時点ですでに35年も中国に関わっていた方のようだ。力むことなく自然体で国民党・共産党・大躍進・文化大革命と経験し、長年監禁されたりする中でも冷静に周りを観察している。 戦後、ソ連の影響が強くなり、マルクス・レーニン主義の勉強会に参加したり、工場の生産方式をとにかくソ連スタイルにすればよいといった上からの命令に翻弄されたりする中、1953年に日本人総引き揚げが開始された際、現地の人達と一緒に仕事することを”この人たち仕事をすることは非常に愉快であった。それは決してその時の文化水準の高低とか、技術レベルの発達とかいう枝葉の問題ではなく、長い革命生活で理論的に実践的に鍛えられぬいて出来上がった、たくまざる性格からにじみ出る魅力であった”と明記し、中国に残ることを決断している。 中国に関わる日本人であれば、読んでおいて損はないのではないかと思われる一作。

  • 留用者の貴重な記録

    終戦を迎え、大陸で活動していた多くの日本人は内地(日本)へと引き揚げていったが、中には中国共産党に引き続き雇用された日本人もいた。彼らのことを「留用者」という。 筆者は鉱山技師で、戦争終結後も中国共産党に雇われ北京で生活していた。本作はその35年の記録だ。 あくまでも一人称の視点から描かれているので、曖昧な記述も散見した。しかし筆者の簡潔な表現に、大陸で戦後の混乱期を生きた人々が何を考え、どう感じていたかをまざまざと感じることができた。 個人的に気に入っているのは第三章、第四章である。国民党が内戦中に北京市をどのように統治していたのかとか、そのときの市民の生活はどのようなものだったのかが非常にリアルに描かれていたからだ。 シベリア抑留は知名度が高いが、日本人留用者は現在の日本であまり知られていない。筆者の35年の滞在は例外的に長期間だが、これは留用者がどのような活動をして、現代中国の礎を創ったかを知る入門書となるはずだ。

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