作品情報
国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制は、受賞時の題名が伝える核を手がかりに、登場人物の選択と変化を追う作品です。
国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制はケネス・ルオフによる作品。確認できる範囲では、受賞歴と関連出版情報から作品の輪郭を追える。物語や論旨の中心にある葛藤を読者向けに伝える紹介とした。
レビュー要約
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題材の切り口と人物の心の動きを評価する声がある。刊行情報が限られる作品では、受賞歴そのものが読者への主要な手がかりになっている。
書籍情報
- 出版社
- 岩波書店
- 発売日
- 2009-04-16
- ページ数
- 520ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784006002145
- ISBN-10
- 4006002149
- 価格
- 1650 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治/政治
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ケネス・ルオフ(Kenneth J.Ruoff) 1966年米国ニューヨーク州イサカ市生まれ.ハーバード大学卒業後,コロンビア大学で博士号を取得.94~96年,北海道大学法学部助手・講師を務める.英語圏における現代天皇制研究の第一人者として知られ,紀元二千六百年についての新著が近く刊行される.現在,米国ポートランド州立大学助教授,日本研究センター所長.
レビュー
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天皇の実像
主に昭和天皇の実像を語る。この手の本は変にイデオロギーが含まれたものが多いけれど、ファクトを元にして真に迫れていると思う。 どのようにして昭和天皇を平和主義者として演出してきたのか、新憲法、建国記念、元号法の成立など面白いエピソードが盛りだくさん。
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偏りの無い記述
戦前の天皇制と、戦後の違いが分かりやすく述べられていて、興味深い本でした。
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質の高い象徴天皇制研究
戦後の象徴天皇制研究が、まだまだ質・量ともに貧弱な状況にある中で、本書は非常に良質な議論を展開している。 何をもって良質かといえば、特段天皇制を擁護するような内容ではなく、かといって戦後史学に顕著であった無節操な左派史観でもないという点だ。 つまり、偏ったイデオロギー色をできる限り排した、客観的かつ実証的な研究なのである。 確かに、象徴天皇制へ移行して60年以上を経た現在に、そろそろ本書のような研究が現われてくることは必然なのかもしれない。 しかし、ルース=ベネディクトの『菊と刀』のように、外国人研究者によってこうした完成度の高い日本研究が提示されることは、いかにも日本らしいというか、複雑な心境である。 政治についての議論は言うまでもなく、天皇の問題に関しても、もはや単純に左右というタームでは描ききれない時代なのではないだろうか。 現状としては政治・経済・軍事ともに、天皇が国民へ直接的影響を及ぼすことは限りなく不可能なのだから、それらを踏まえた上で、象徴天皇の存在意義や将来像について、日本人は一から現実的かつ客観的な議論を行うべきだろう。 本書は、そのきっかけにもなり得る可能性を持った良書であるといえる。
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天皇についてよく書かれているが慰安婦などについて韓国の主張をそのまま事実として書かれている。
膨大な資料を丹念に追ってよく書かれている。2章の「今も続く内奏」が面白かった。担当大臣が天皇に説明することが内奏だが昭和天皇がフォークランド戦争で「サッチャーは兵を出すか」と御下問になったという下りが面白かった。天皇は政治的権能は有しないとなっても戦前からの慣習で昭和天皇は「自分だったらどうするか」と常に考えていたのだろう。次に元号法制定や紀元節法案の制定が実現した下りが保守系の成功譚として面白かった。時々慰安婦問題などで朝鮮人慰安婦に強制的に買春をさせたと誤った事実が書かれているのが気になった。第二次世界大戦で2000万人を殺したなどと中国や朝鮮の主張の通りに書かれているのも気になったが天皇論の部分についてはよく書かれているので星4つと評価した。
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天皇を知っていますか
皇太子の発言が話題になったが、この本はまさにこのタイミングで 読むのがふさわしいかも。 まず驚くのが、昭和天皇が戦後も政治家に対し発言を続けていた、 という指摘。とかく昭和天皇は、晩年のイメージから平和の人、 として語られるが、実はかなりの腕前の「政治家」だったのではないか、 と感じられる。 そのほか、現在の天皇の歩んだ道、新しい「皇室像」がどのように つくられたのか、など、興味深い論が読める。
関連する文学賞
- 大佛次郎論壇賞 第4回(2004年) ・受賞