日本の文学賞

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大正天皇 (朝日選書 663)

毎日出版文化賞

大正天皇 (朝日選書 663)

原武史

『大正天皇』は、原武史による評論・ノンフィクションで、毎日出版文化賞の受賞作として位置づけられる。受賞時の評価を軸に、個人の感覚や時代の空気を作品の形式に引き寄せて読ませる一作である。

評論・ノンフィクション受賞作現代日本文学

作品情報

『大正天皇』は、原武史の表現が受賞によって広く注目された作品である。

『大正天皇』は、原武史による評論・ノンフィクションで、毎日出版文化賞の受賞作として位置づけられる。受賞時の評価を軸に、個人の感覚や時代の空気を作品の形式に引き寄せて読ませる一作である。 朝日新聞社の刊行情報で単行本・文庫・作品集として確認できるため、受賞作そのものを収録する書籍として扱う。

レビュー要約

  • 刊行形態と受賞歴から、作品のジャンル性と作者の特色を伝える一作として受け止められている。短い形式の作品では凝縮された表現、小説や評論では主題への踏み込みが読みどころになる。

書籍情報

出版社
朝日新聞出版
発売日
2000-11-01
ページ数
298ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784022597632
ISBN-10
4022597631
価格
1430 JPY
カテゴリ
本/歴史・地理/日本史/一般/日本史一般

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レビュー

  • 読んで面白い本です。

    大正天皇のことを今までにない観点でまとめたいい本と思います。

  • 母に頼まれて注文しました。

    あまり知られてはいない大正天皇。 彼の生涯を綴った、貴重な一冊です。 読んで、損はないと思います。

  • 地方巡啓(皇太子時代)の記述が多すぎる。

    他のレビュアーの方も指摘されているが、地方巡啓の記述が、本全体の割合からして多過ぎる。様々なユニークなエピソードはもっと掘り下げつつも、軍艦・鉄道・人力車の別や陸軍・海軍の軍服の別、どこの市町村へ行ったかなどは、大胆に割愛しても良かったのではないか。 それよりももっと致命的なのは、「遠眼鏡事件」に対する見解である。例として挙げられているのは、全て当時を回想したもので、時期が不明確・其々違うということをのみ理由として、この事件自体の信憑性が疑わしいと言い切ることには無理があろう。寧ろ、時期こそ違え、私は「遠眼鏡事件」に確信を持つに至った。実際にその目で見た黒田長敬・山川健次郎が証言しているのだから。 ただ、詔勅を丸めて確認する(傍からは覗いたように見える)ことが即ち、精神の不安定さを表すとは必ずしも限らないのは、本書も指摘するとおりである。寧ろ、著者にはその方面から大正天皇像に迫って欲しかった。皇太子時代から、血の通ったユニークな発言をしばしば繰り返してきた大正天皇であるから、このお茶目な天皇になら、平常心でも充分あり得る行動ではなかったかと。 「「押し込め」られた天皇」という、第一章での大胆な構想に、それでも期待して読み進んだのであるが、結局、仮説倒れで途中で頓挫したような感は否めない。本書にもあるように、やはり晩年の大正天皇は具合が悪かったのだ。昭和天皇の摂政就任は、本書で挙げられている事実から判断するに、妥当で且つ避けられない措置であったと、私には思える。 とはいえ、多少は新しいエピソードも知ることが出来た。ゆえに星3つ。

  • 大正の発見

    原 武史「大正天皇」の執筆意図は、政府によって半ば意図的に作り出された風説の向こうにあるはずの大正天皇の実像に迫りながら、最終的には大正を中心に、明治と昭和を含めた近代天皇制の見取り図を描き出すことを試みる。 大正の分岐点の象徴する事件は、政治思想史の橋川文三の着目する、朝日平吾による安田善次郎暗殺事件。 天皇像の転換は、思想史の地殻変動を呼び起こす。天皇の病気を引き金とする上からの新しい戦略が、それに呼応する下からの新しいナショナリズム、超国家主義を生み出した。

  • もっともっと知りたい。

    レトロロマンな(印象がある)大正という時代と大正天皇について関心がありながら適当な本を見つけられず(できれば英語圏のものがタブーなく書かれるだろうからよかったが)まずはと買った一冊でした。日本全国を回ったとはしりませんでしたし、それだけの体力があったというのも驚きでした。家庭生活が幸せだったのは幸いです。

  • 人間天皇と天皇制

    近代日本の礎を築いた明治という時代の偉大な存在であった明治天皇と、20世紀の日本の歴史そのものであった昭和天皇の間にはさまれた大正天皇という存在は、ほとんど忘れ去られているといってもよいだろう。 帝国議会の開会式で詔書を丸めて遠眼鏡のようにして眺めたという逸話が、真偽の程は定かではないままに、人口に膾炙されたのが唯一といってよい大正天皇のイメージである。 本書は、このように歴史の中で忘れ去られ、又、病弱で無能であったと誤解されるに至った大正天皇の実像に迫ったものである。 威厳の中にあり神格化されつつあった父、明治天皇とは違った人間味溢れる少壮の皇太子として、宮中の束縛を嫌い、自由な全国行啓を好んだ天皇、あるいは、家族を大切にし子煩悩で、良く、その妃の奏でるピアノの伴奏で子供達(後の昭和天皇達)と歌を歌っていたという天皇の姿が浮かび上がってくる。 皇太子時代にかすかに得ることが出来たこのような自由を、天皇となってからは得ることが出来ず、幼いときに患った脳症の再発もあって急激に衰えていった天皇といった事実を、良くここまで掘り起こしたと言える労作である。 強くあるべき権力の象徴としての天皇の病弱という事態に、その天皇の権威を守るために摂政としての皇太子(昭和天皇)が祭り上げられて行く過程が、近代日本の天皇制の確立へとつながって行ったという分析には、多いに納得させられる。

  • 牽強付会が過ぎる

    いままでほとんど知られてこなかった大正天皇についての評伝だが、牽強付会が過ぎる。 宮中官僚の陰謀によって「主君押し込め」にされた悲劇の天皇、といった書き出しであるが、晩年の大正天皇が政務をとれない状態にあったことは著者も認めている。 ある時期の天皇の簡潔な日記を引用して「教育の遅れの影響は特に見られない」としているが、その時の天皇は21歳である。これでは「少なくとも精神薄弱ではなかった」という根拠ぐらいにしかならない。 皇太子時代からの子供じみた振る舞いや突然スケジュールを変更することなども、いまでいう多動性障害ではないかと思われるほどだが、原は「意表をつくような言動をあえてすることで、相手の反応を楽しんでいるようなところがあった」などと好意に解釈する。ちょっと無邪気すぎる若者といった風情だが、皇太子/天皇としての自らの役割や職務をどの程度理解されていたのか、極めて疑問と言わざるを得ない。 天皇が政務を取れなくなった時のために摂政という制度があるのであり、原自身が天皇の病状を認めつつ「主君押し込め」論を主張するのは奇妙としか思われない。 大正天皇の伝記としては面白いものなのだが、著者の陰謀論めいた見解は無視することをお勧めする。

  • 大正天皇とは誰か

    昭和大喪は時代の移り変わりであるとともに、様々な論議を呼んだ。この時代 を大人として過ぎた人々には様々な想いが交錯したようである。 原氏も、そんな一人で、新聞記者として取材して、「近代天皇制」を問う端緒 を得た。 そんな中で、管見の限り、大正天皇という人物に直接焦点を当てた先行研究は 本書以前にはなかった。Amazonでは著者名による索引ができるので、原氏が どのような著作を残しているかは分かると思うが、本書の眼目は皇太子時代の 巡啓の実態に迫る手がかりを残したことである。パイオニアたる宿命で、伊藤 之雄氏などから批判を浴びてはいるものの、元新聞記者らしく、人に読みやす いということを自然と心がけた名著と言えるであろう。 私たちは「遠眼鏡事件」しか大正天皇を知らないのであるから。

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