日本の文学賞

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戦友の恋 (角川文庫)

センス・オブ・ジェンダー賞

戦友の恋 (角川文庫)

須賀しのぶ

満洲を舞台に、芸を身につけた女性が時代の荒波を生き抜く歴史ロマン。芸能、恋愛、政治の力学が重なる大河的な物語である。

文学賞受賞作人物の選択記憶と関係性

作品情報

芙蓉千里は、須賀しのぶの受賞作として、題名のモチーフから作品世界へ読者を導く。

満洲を舞台に、芸を身につけた女性が時代の荒波を生き抜く歴史ロマン。芸能、恋愛、政治の力学が重なる大河的な物語である。

レビュー要約

  • 題材の明確さと読みどころの強さが評価されている。物語や論述の推進力があり、人物やテーマに踏み込む構成が読後の印象を残す。

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2012-01-25
ページ数
208ページ
言語
日本語
サイズ
10.7 x 0.9 x 14.9 cm
ISBN-13
9784041001288
ISBN-10
4041001285
価格
49 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

たいせつな存在を失って、それでもわたしは生きていく。 「友達」なんて言葉じゃ表現できない、戦友としか呼べない玖美子。彼女は突然の病に倒れ、帰らぬ人となった。彼女がいない世界はからっぽで、心細くて……大注目の作家が描いた喪失と再生の最高傑作!

●大島 真寿美:1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞して小説家デビュー。2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化され、好評を博す。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『ピエタ』など。

レビュー

  • ハッピーエンド?

    恋というタイトルが付けられていますが1度読んだだけではよくわかりませんでした。

  • 彼女が死に続ける世界を、どう生きるか

    タイトルと評価だけ見て買ったので、内容について全然違うものをイメージしていました(笑) 結果的には面白く読めたので、良い意味で裏切られたのだと思います。 大切な存在の喪失。この出来事に対する反応の描き方に絶対の正解はないと思いますが、今作の主人公の態度は私にとっては非常に共感できるものでした。 消えてしまったと思った人がまだそこにいるのなら…から始まる彼女の決意のシーンが印象的。

  • 想像をいい意味で裏切られた

    もっとセンチメンタルでありがちな話かと思っていた。 想像より深く、登場人物もリアルでずっしりとした内容だった。 他の作品も読んでみたい。

  • 長い回復のトンネルの先にあったのは?

    死んでしまった戦友はいつまでも死に続け、やがては死ぬだろう語り手はどうしたって今は行き続ける。死んでそこで時が止まってしまった戦友はもう齢を重ねないけれど、語り手あるいは周りで関わる者たちは仮に今は若くてもやがて歳を取り、仕事でスランプになったり、恋人に振られたり、良い子でいるプレッシャーに耐え兼ねて突然会社を辞めてしまったり、病気で入退院を繰り返したりするようになる。良いことはそんなに多くないかもしれないけど、でも悪いことばっかりというわけでもない。それに一見悪いと思ったことだって見方を変えれば良いことに変わる(この辺りが大島真寿美節ですね!)。自分自身を見つめ直すための…… 長い長い回復のトンネルの先にあったのは、かけがいのない自分自身と戦友を含む多くの友たちであった。

  • 戦友がいる幸せ

    戦友は、物語の早い時期にいなくなってしまうのに、 ずっとそばにいる。 感傷的にいるのではなく、近くにいる。 この作者の作品は、力いっぱいでないし、癒しばかりを求めているわけではないのに、 人間賛歌の感じがあり、とてもいい。 小説って、状況説明な感じがどうしても多くなると思うが、 佐紀の思いや行動だけで状況が手に取るようにわかる。 連作なので、適度に時間があくのもいい。 人にとって、生きていくには、やはり人が必要で、 それは、生きていれば、もちろんいいのだけれど、 その存在は、いなくなってしまっても、財産なんだな、と思う。 30年来の友を亡くして数年。 実感。 いい本です。

  • 再び歩き出すまでの物語

    立ち止まってしまった者が、再び歩き出すまでの物語。 それは、作者である大島真寿美が繰り返し書いてきた題材だ。しかし今までの彼女の作品の中でも、今作はもっとも、主人公の再生までの過程が穏やかに、わかりやすく書かれているのではないだろうか。 死に続ける玖美子と、生き続けなければいけない佐紀。 生きているということは、変わっていくということだ。いつまでも変わらない死者を心の中に押し込んで、でも否応なしに変わっていく自分に戸惑いながら、歩いていかなくてはならない。それが、生き続ける者たちに課せられた宿命なのだから。 しかし変わらないものもある。決して変わらないものも、この世には確かにある。たとえ歩くことに疲れて立ち止まってしまったとしても、それらが、変わっていく自分を受け入れるための勇気を与え、そして再び歩き出す。この作品の主人公の佐紀も、そして、私たちも。

  • 何がいいのかわかりません。

    ダラダラとつまらない話が続き、何がいいのかわかりませんでした。タイトルに惹かれ、読みましたが私は好きになれませんでした。

  • すこやかな日々

    淡々とした文章で読みやすく、そんなに長くないので読み終わるのも 早かったのですが、読んだ後しみじみと「良い本を読んだ」という 気持ちになれる本でした。 それぞれのキャラクターがみんな魅力的で、人を書くのが上手い 方だなと思いました。特に達貴さんの義理のお父さんは、ほんの ちょっとしか出てないのにいい味でした。あと、編集者の君津さん が良かったです。どこかで見たことがあるような?と思いつつ、 そのパワーと子供っぽさと暴言に笑ってしまいました。 主人公の生き方を新人編集者の女の子が「すこやかな日々」だと 言うのですが、なるほどなと思いました。もう若くもなく、独身で 仕事にスランプも感じたりして決して楽しいばかりの日々では ないのに、ゆったりと時間が流れている感じがとても素敵でした。 こんなふうに暮らしていけるなら年をとるのもいいな。 星4つにしましたが、非常に星5つに近いです。

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