日本の文学賞

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虹を待つ彼女

横溝正史ミステリ&ホラー大賞

虹を待つ彼女

逸木裕

死者を人工知能化するプロジェクトに参加した研究者が、ゲームクリエイターだった女性の人格モデルと向き合う。恋愛と喪失が重なるSFミステリ。

AI喪失恋愛ゲームクリエイターサスペンス

作品情報

死者の記憶を再現した先に、届かない恋が残る。

第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作。近未来のAI研究を背景に、再生された人格と残された感情のずれを描く。

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2016-09-30
ページ数
384ページ
言語
日本語
サイズ
14 x 2.5 x 19.5 cm
ISBN-13
9784041047521
ISBN-10
4041047528
価格
600 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

圧倒的な評価を集めた、第36回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作!! 二〇二〇年、人工知能と恋愛ができる人気アプリに携わる有能な研究者の工藤は、優秀さゆえに予想できてしまう自らの限界に虚しさを覚えていた。そんな折、死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。試作品のモデルに選ばれたのは、カルト的な人気を持つ美貌のゲームクリエイター、水科晴。彼女は六年前、自作した“ゾンビを撃ち殺す”オンラインゲームとドローンを連携させて渋谷を混乱に陥れ、最後には自らを標的にして自殺を遂げていた。 晴について調べるうち、彼女の人格に共鳴し、次第に惹かれていく工藤。やがて彼女に“雨”と呼ばれる恋人がいたことを突き止めるが、何者からか「調査を止めなければ殺す」という脅迫を受ける。晴の遺した未発表のゲームの中に彼女へと迫るヒントを見つけ、人工知能は完成に近づいていくが――。

レビュー

  • かなり面白かった。

    素晴らしい作品でした。

  • 綺麗にまとまった良作だと思う

    性別の違いによる叙述トリックというのかな。とても良かった 最後のオチ的に主人公が嫌なやつに描いていたと思う。囲碁のAIをうまくミスリードに使いつつ、虹を深掘りできていたのは良かった

  • この本からファンになりました

    新刊-空想クラブへと,つづく作者のデビュー作。 今までに,無い物語,ミステリー。 この本から作者のファンになりました。

  • 後半以降のダラダラ冗漫な展開は残念

    前半はかなり面白かった。謎が未解明で緊張感のあるうちは退屈せずグイグイ読み進められるのだが、犯人が判明してエンディングに向かって物語を収束していく流れが驚くほど冗漫だった。あと、主要登場人物(主人公、犯人、ヒロイン)がかなりエキセントリックで、感情移入が難しい。それに主人公と犯人の描写のブレ(殺し合いをした相手とすぐに馴れ合ってしまう)がなんだか気持ち悪い。

  • アナログハック、再び

    ミステリーの新人賞の受賞作ですが中身はSF。その時点で反則じゃねえかと思いますが、面白さも反則級です。 もうとにかくぐいぐい引き込まれます。ヒロインの晴ちゃんがかわいい。もうね、同じ人工知能をテーマにした長谷敏司先生のBEATLESSの言葉を借りればアナログハックされます。本を閉じるまで目がハートになります。冷静になると主人公はそうとう変な人のはずですがこんなにかわいければそりゃそうだよね、と妙な納得をすること請け合いです。 それだけで充分読めるのにストーリーもぐいぐい読ませます。もったいぶったタイトルの意味があきらかになる終盤はもう鳥肌ものです。ページが止まりません。危うく泣きかけたのは内緒です。 文句なしの星5です。ミステリーとしても、SFとしても、キャラクターノベルとしても楽しめるいろいろ反則な作品、是非に。

  • 久しぶりの当たりを見つけた

    ストーリーとしては天才的なゲームクリエイターだった晴が謎の自殺を遂げ、 人工知能開発者の主人公が生前の晴を蘇らせるってことなんだけど、 元々、恋愛小説は全く興味ない私でもとても面白く読めました。 プライムのお試しであったので読み始めてみたのですが、お試しは 半分ぐらいまでしか読めない。 もう続きが気になって仕方ないので即、Amazonで買ってしまいました。 気になっている方はまずお試しを読んでみてください。 すぐ、買うことになると思います。面白いので。 あまり細かく書くとネタバレしちゃうので、ただ面白いですよとだけ言っておきます。

  • 人工知能を交えた、恋愛ミステリー小説

    はじめに断っておくと、読了した際に感じたことを、物語に触れたほうがより的確に表現しやすいので、このレビューはネタバレを含んでいる。一応、決定的なネタバレは避けるが、味読の方はこのレビューを読むことはおすすめしない。 さて、物語は、水科晴が六年前に劇的な自殺を遂げたところから始まる。時が流れ、人工知能に携わる工藤賢は、人間と会話できるコンピューター――フリクトを発展させるため、”死んだ人間を、人工知能として復活させる”という事業に取り組む。そこでプロトタイプとして目に着けたのが、水科晴だった……。 序盤の流れはこんな感じ。 思えば僕は、普段手に取るミステリー小説は年代を経たものが多く、2010年以降のものが少なかった。だから人工知能が小説に登場し、新鮮な気持ちで読んだ。 それから、読書中、着地点が想像できなかった。水科晴を調査中に脅迫を受けるが、主人公が目指すゴールは、犯人の正体を突き止めるのではなく、あくまでも水科晴の人工知能を完成させることだった。 IT用語がでてくるが苦にならず、興味が絶えることなく、最後まで楽しめた。 で、星を一つ減らした理由だが、それは主人公の描写だった。 序盤のほうで、工藤は子供の頃から周りより秀才という描写がある。それゆえ、周囲にあわせて行動するのが退屈に感じ、人を超えた存在――人工知能の分野に足を踏み入れる。工藤が今の仕事をしている理由だった。 ここまではいいのだが、全体を通して、工藤が秀才の片鱗を窺える場面がなかったことだ。人を見下した心情のわりに、思考が人間の域を超えていない。終盤で、仲間が集まってくるときにも、上から目線で少し嫌だった。そのため、ただ横柄な人物としか映らなかった。 それでも、物語を通し、ガラス玉のように空虚だった工藤の心が変化したのがよかった。

  • 晴と『雨』の物語

    人工知能と恋愛できるアプリゲーム『フリクト』の新たな試み、『死者を人工知能のモデルにして販売するプロジェクト』の試作品に選ばれた、一部にカルト的人気を誇る、ある女性『水科晴』 主人公工藤はもうこの世にいない彼女の事を調べれば調べるほど、その彼女のアンバランス差、ミステリアスな人生、人柄、そういった言葉では言い表せないモノにどんどん惹かれて行きます。そして読者もおそらくみんなが思うでしょう。ページ進めれば進めれるほど、水科晴を知れば知るほど、 「彼女はどんな人間だったのだろう?」 「話の終着点が全く見えない」 『続きが、終わりが知りたい!『虹』とは何の事なんだ?』 もうこの世にいない、登場人物との会話劇もできない彼女を中心に、これほどかと思うほどの話の広がりを見事に展開します。 話を読み進めても、全く『虹を待つ』ような作品に思えない。そんな話の構成は見事の一言です! 伏線なんだろうなという伏線と、思いもよらなかった伏線、その二つが彼女、『晴』と『雨』の間に、数年の時を経て、物語のラストページに向けて一気に『虹』をかけていきます。 是非一度、読んでみてはいかがでしょうか? 読者の心が、ラストページまで『虹を待つ』 素晴らしい作品でした。

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