作品情報
スターに憧れる大部屋俳優の献身が、笑いと痛みを帯びて階段落ちへ向かう。
『蒲田行進曲』は、つかこうへいが映画撮影所の人間関係を舞台に描いた小説・戯曲の代表作。大スター銀ちゃんに振り回されるヤスと小夏の姿を通じて、憧れ、虚栄、愛情、自己犠牲が激しい会話と喜劇的な誇張のなかでぶつかり合う。第86回直木賞受賞作として知られ、舞台・映画でも広く親しまれてきた。
レビュー要約
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読者の反応は、映画版への親しみと小説版の勢いを重ねて読むものが目立つ。人物の極端さに距離を置く声もあるが、会話の熱量と舞台的な疾走感を作品の魅力として受け止める読者が多い。
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銀ちゃん、ヤス、小夏の関係を、笑いだけでは片づかない痛ましさを含む物語として読む反応がある。映像化作品の印象が強い一方で、原作の台詞の強さと人物のむき出しの感情も読みどころになっている。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2018-10-24
- ページ数
- 208ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784041069875
- ISBN-10
- 4041069874
- 価格
- 704 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第86回直木賞受賞作! 時代を超えて愛されるつかこうへいの代表作! 大部屋俳優のヤスは、スターの銀ちゃんからかつてのスター女優・小夏を押しつけられる。大好きな銀ちゃんの言うままに、銀ちゃんの子を妊娠した小夏のために危険な仕事を受け続けるヤスだったが……!?
●つか こうへい:1948年、福岡県生まれ。劇作家、演出家、小説家。大学時代から演劇活動をはじめ、73年『熱海殺人事件』で岸田國士戯曲賞を当時最年少の25歳で受賞。70年代演劇界に一大旋風をおこす。82年『蒲田行進曲』で直木賞受賞。現在も国内外で活発な劇作・演出活動を続ける。
レビュー
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もっと評価されていい小説だと思う
映画をまだ見ておらず先に小説を読んだのですが、大傑作だと思いました。この小説もっと評価されてもよいのではないでしょうか? ヤスのような弱者を平気で踏み台にする銀四郎の描写に圧倒されていると、途中からヤスの性格や発言が狂気を帯び始め、銀四郎のキャラを飲み込んでいく様子が圧巻。ここまで強烈なキャラにはなかなかお目にかかれません。破滅を予感させるラストシーンも生ぬるさとは無縁のもので非常によいです。 ・・・まあ映画を見るとこの評価も変わってしまうかもしれませんが。 あと舞台や設定は異なりますが京極夏彦の「嗤う伊右衛門」を彷彿とさせる作品だと思いました。どっちも好きですけどね。
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銀ちゃんの強がりの中にある優しさ寂しさに感動。
銀ちゃんの一見するとパワハラモラハラの行動の中にある、真の優しさと面倒見の良さが、周りの人々を惹きつけ、そんな銀ちゃんのために自らの命をも危険に晒す階段落ちを志願するヤス、そんなヤスに惹かれていく小夏、というドタバタ喜劇の中にある人間ドラマです。ラストのカットの後の大団円も批判もありましたが、映画って本当にいいものだと思わせてくれます。 鎌田行進曲の続編となる銀ちゃんが行く、もとんねるずの石橋さんが主演でドラマ化されましたが、そちらもみたいですね。
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映画は傑作、小説は駄作
映画「蒲田行進曲」は日本映画史に燦然と輝く傑作であり、私も大好きな映画である。 なので、直木賞まで取っている小説も当然面白いだろうと思って手に取ってみたのだが、こちらはまあつまらない。 銀ちゃんもヤスも嫌な人物過ぎるのだ。 映画だと、風間杜夫や平田満のコミカルな演技や風貌もあって、自分勝手な行動もなぜか憎めない。 しかし、これが活字だけの表現となると、ホントに嫌な奴でしかないのだ。 特にヤスがこれほど嫌な人物だとは思わなかった。 ネチネチ、ネチネチと小夏に嫌味を愚痴り、田舎に帰省した時はスター気取りで、チラシにサインをしてもらおうとしたおばあさんに対し、「色紙を持ってこんか」と言って追い払う。 小夏に対する嫌味が延々と続き、読んでて嫌になった。 「蒲田行進曲」は映画だけで十分だった。 映画を観て爽快な気分になっても、小説を読むと不愉快になる。
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この銀ちゃんの良さがわからない奴は、つまらねえ奴だ。
蒲田行進曲は、映画館へ何度も見に行きました。祖語何十回見たかわかりません。 でも、この『銀ちゃんが、ゆく』を読んで初めて俺は、自分は、銀ちゃんに似ている。 でも、銀ちゃんのようにカッコよくない男だと痛感しました。女は、しょせん女なんです。 生物学的にもそれでいいんです。でも、男は、カッコよく生きたいし、カッコよく死にたい。 私の人生、ベスト10には、絶対入る『蒲田行進曲』であり、この『銀ちゃんが、ゆく』を読んで初めて完結するんです。必見必読!