日本の文学賞

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をんごく

横溝正史ミステリ&ホラー大賞

をんごく

北沢陶

妻の死を受け入れられない画家が、歪んだ霊と怪異を追いながら真実へ近づくホラー長編。

ホラー怪異夫婦

作品情報

妻の死を受け入れられない画家が、歪んだ霊と怪異を追いながら真実へ近づくホラー長編。

妻の死を受け入れられない画家が、歪んだ霊と怪異を追いながら真実へ近づくホラー長編。。

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2023-11-06
ページ数
256ページ
言語
日本語
サイズ
13.7 x 2.2 x 19.4 cm
ISBN-13
9784041142653
ISBN-10
4041142652
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作! 嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ―― 大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。 未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。 巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。 倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。 エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、 倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。 壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。 家に、死んだはずの妻がいる。 この世に留めるのは、未練か、呪いか。 選考委員満場一致、大絶賛! 第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!

●北沢 陶:大阪府出身。イギリス・ニューカッスル大学大学院英文学・英語研究科修士課程修了。 2023年、「をんごく」で第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉〈読者賞〉〈カクヨム賞〉をトリプル受賞し、デビュー。

レビュー

  • 怖いのに美しい、読後に静かな余韻が残る傑作

    大正時代の大阪・船場を舞台にした、人と怪異の物語。静かな始まりから少しずつ不穏さが広がり、最後まで目が離せませんでした。単なるホラーではなく、「哀しみ」「執着」「優しさ」といった人の情が丁寧に描かれ、読後には不思議な余韻が残ります。 町の空気感や人々の言葉遣いがとてもリアルで、まるでその時代に迷い込んだような臨場感があります。 怪異の存在も恐ろしさだけでなく美しさがあり、心に残る印象的な一冊でした。 文章も読みやすく、情景描写が映画のように鮮やか。ホラーが苦手な人にもおすすめできる“品のある怖さ”があります。久々に「読んでよかった」と感じる作品でした。

  • 文章が上手い。

    文書がとにかく上手い。 後半はバディものみたいになる。そこからがちょっとラノベ的な感じがした。

  • 恐ろしくも、温かく、切ない

    ホラーだけど、温かな気持ちになって、じわっとします。ミステリだけど、謎が解けたときに切ない思いがしました。 それに、文章が美しい。大正時代の大阪船場の言葉が、この作品を上質なものにしているような気がしました。

  • 感動する

    もののけ物は好きではないので日頃は読みませんが、「をんごく」は評判が高かったので読んでみました。 文章が大変美しく優しく読み易くスルスルと読み進められました。更に「エリマキ」の人物(?)描写に素晴らしく愛情が感じられて、非常に恐ろしい力を持った存在なのでしょうけれども愛と悲哀が胸に迫りました。 こういうジャンルの小説で感動するとは思いませんでした。

  • 船場言葉がよい!

    "『もとは単に遠いとこ、って意味らしいでっけど。....お盆の時期になるとな、おんごくからご先祖様が帰ってきはるでって、よう聞かされたわ。まぁ、いいてみたら、』死者の住む場所、と巫女は言った"2023年発刊の本書は第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞3 冠受賞作。大正時代の大阪・船場を舞台にした、人と怪異の物語。⁣ ⁣ 個人的には大阪を舞台にしている事から興味を持って手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は英国ニューカッスル大学大学院英文学・英語研究科修士課程修了の著者デビュー作で、大正末期、大阪・船場。商売人の家に生まれるも画家になった壮一郎は、早くして亡くした妻・倭子の死を受け入れられずにいた。未練を断ち切れない彼は、巫女に降霊を依頼する。しかし儀式は失敗し、巫女から「奥さまは、普通の霊とは違う」と不吉な警告を受ける。やがて、その言葉は現実となり、壮一郎の前に現れた倭子の霊は、その声も気配も、生前の彼女とはどこか違っていた。歪で、不自然で、何かが決定的に欠けていて。。⁣ ⁣ まず、大阪に縁がある私としては、審査員のコメントにもあるようにいわゆる"関西弁"とも違う、巧みに描写される登場人物たちの柔らかい船場言葉のやりとりが心地よく読みやすかった。⁣ ⁣ 一方で、ホラー小説的な怖さはあまり感じずも、顔のない怪異「エリマキ」との謎解きバディ物語としては面白く、ぐいぐいと一気読みしてしまう魅力を感じました。⁣ ⁣ 大正時代の大阪、船場を舞台にした和風ゴシックホラーの良作としてオススメ。⁣

  • ちょっとアッサリしてた

    横溝正史ミステリ大賞というので、横溝正史チックな民俗学要素のある不気味さを期待していたけど、呪術廻戦みたいなマンガ的な描写だったかな。全く怖くはないですので、個人的にはホラーと言うほどではないと思いました。 ちょっと怖いのが苦手で、フシギ&不気味な本が読みたい人にはちょうどいいかも! つまらない本は読みきれないので、この本は面白かったに入りますが、ちょっと期待しすぎてしまいました。 文章は綺麗という声が多いけど、文章も普通の範疇かなあ。。これを書けと言われると書けないし、こうやって書くには方言とか時代背景に関する知識がいるし、上手いことに違いないと思うんですが、わざわざ特長として取り立てて美文という程でもないと思います。 全体的に短くて、特に終盤は畳み掛けるように展開するんだけど、それまでにさほどの伏線が引かれてないから、初出の設定で本全体を片付けられてしまったような印象が拭えないです。 登場人物も平面的な性格で、誰にも取り立てて欠点もないし、成長もしないので、これもアッサリ感を助長していると思います。 商売繁盛を狂おしいほど熱望する雰囲気をキャラクターの言動から読み取るにはイマイチ描写が不十分だったかなと思います。

  • 幽明のあわいを行き来するような作品の風情、大切な人への主人公の思いが、胸にじんと沁みました。

    タイトルの〈をんごく〉。〝おんごく〟とは遠国、死者が住む場所のこと。 本書は、大正時代の末期、大阪の船場(せんば)、心斎橋(しんさいばし)辺りを舞台に、画家の古瀬壮一郎(ふるせ そういちろう)が、生と死の狭間で立ち往生する妻・倭子(しずこ)の霊と関わるなか、遭遇する奇怪な事件の模様を描いてゆきます。 成仏できずにいる倭子に寄せる壮一郎の思いは、じんわりと胸に沁みるものでしたね。 さらに、ふとしたことから壮一郎に協力することになる、さまよえる霊魂を喰う妖怪? のっぺらぼう? 蜥蜴男? みたいな〈エリマキ〉のキャラが立っていて、この者と壮一郎とが次第に心を通わせてゆく様子が、とても良かったです。 ラスト二頁。 なんや、ぐっと来てもうて、涙が出ました。 『このホラーがすごい! 2024年版』(宝島社)の中、【国内編】の第3位に選ばれた作品。それを見て購入したのですが、読んだ甲斐がありましたわ。 これが、デビュー作かあ。 次作が楽しみです。

  • 愚かな因習と「をんごく」の恐怖

    あの世とこの世が入り混じったような世界観が、とても不気味に感じました。 妻を亡くした主人公は、巫女に妻の霊を呼び戻してもらおうとします。 ところが巫女からは、妻の霊は何故か降ろしにくい、と言われさらに、気をつけるように、と警告されてしまいました。 最初は、何に気をつけるのか理解できない主人公でしたが、次第に家の中で奇妙な出来事が起こり始めます——。 物語の構成がしっかりしていて、文章の流れがいいので、とても読みやすかったです。エリマキという、人間ではないものが出てきても、わざとらしさを感じませんでした。 そして、話中の童歌のような歌が、より不気味さを際立たせています。 怪異はもちろん恐ろしいものですが、やはり人間が1番おそろしい。そんな風に感じるホラー小説です。 ミステリ&ホラー大賞の、読者選考の時も読ませていただいたのですが、もう1度読みたいなと思って書籍を購入することにしました。書籍で読んでも、やはり面白かったです。

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