作品情報
火星の荒野で、使役されるために生まれたカンガルーたちが、自らを本当の火星人として名乗り始める。
『火星人先史』は、川又千秋による長編SF小説。人類は火星開拓のため、知能を高めたカンガルーを単純労働力として送り込む。しかし、彼らは火星の環境に深く適応し、人間よりもこの惑星に根を下ろしていく。やがて地球上のカンガルーが絶滅したことで、彼らは過去のくびきから離れ、自らを火星人として宣言する。火星を舞台に、植民、種の尊厳、知的生命の境界を大きな構想で描く作品。
レビュー要約
-
火星テラフォーミングSFとしての大胆な発想、カンガルーと人類の戦争を通じて知性や支配の問題を描く点が評価されている。一方で、構成の粗さや終盤の説得力に物足りなさを感じる読者もいる。
-
火星に適応したカンガルーと人類の対立、種を超えた生存本能、植民と搾取の寓意を読み取る感想が目立つ。古いSFらしい荒さを含みつつも、発想の強さとスケールの大きさが支持されている。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 1984-09-01
- ページ数
- 355ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784041492048
- ISBN-10
- 4041492041
- 価格
- 240 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 火星人先史 (角川文庫 緑 492-4) : 川又 千秋: 本
レビュー
-
カンガルーの火星支配記
もっと知られるべき面白さ SF的ガジェットもそんなに古臭く感じない この本が英訳されているかどうかは知らないが映画アバターの元ネタはこれなんじゃないかと思うくらい話がよく似ている
-
テラフォーミングものの中では佳作
SFマガジンの連載で断片的に読んだこの作品、読みたくなって購入しました。 雑な部分が幾らか気になりますが、火星のテラフォーミングものの中では佳作だと思います。
-
なぜ人間は戦闘的なのか?
火星先住民の純朴さに比し、地球人類の冷酷さやエゴイズム、戦闘好きなどが非常に哀れである。なんとも切ない物語。
-
「地球人」とは?
労働力として、食料として、火星へと送り込まれたカンガルー達。だが、人間よりも遙かに火星に適応した彼らは、やがて自らを「火星人」と名乗り人類に矛を向けることとなる。 題材自体は古くからあるロボット物に近いが、そこからさらに人類とは何か、知的生命とは何かを書かんとしている作品。ただ、書こうとする内容に対し、表現力が追いついていないような部分も多い。
関連する文学賞
- 星雲賞 第12回(1981年) ・受賞