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ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)

電撃小説大賞

ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)

鳩見すた

書籍情報

出版社
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
発売日
2015-02-10
ページ数
344ページ
言語
日本語
サイズ
10.7 x 1.7 x 15 cm
ISBN-13
9784048692472
ISBN-10
404869247X
価格
350 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

それは、いつ終わるとも分からない。ボクの、『生きるための戦い』――。 すべての『陸』は、水底(みなぞこ)に沈んだ。透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、『アフター』。 セイラー服を着て『海の男』として生きるボクは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。そんなボクに、この大海原は気兼ねなくとびきりの『不運』を与えてくる。 ――『白い嵐』。 無情にも襲いかかる自然の猛威。それは、海に浮かぶ全てを破壊した。 愛船パラス号を失い、ボクが流れ着いたのは孤立無援の浮島。食糧も、水も、衣服も、何も無い。あるのは、ただただ広がる『青』。ここに、助けは来るのか、それとも―― それは、いつ終わるとも分からない。ボクの『生きるための戦い』。

レビュー

  • 電撃大賞だけど・・・

    まず、絵が良い 転じて世界観や主人公も魅力的だった ただ、一般的なラノベと比べて絵の枚数が少ないと思った カラー絵が冒頭に何枚かあるだけで、本編の中には申し訳程度にしか挿絵がなくて、とりあえずそれが残念 ストーリー的には、特にひねりのない海洋冒険モノなんだけど、ラノベというよりは児童文学に近い感じ なんていうか、俗っぽいところの少ない素直な話なので、ジョルジュ・サンドの「愛の妖精」みたいな子供から大人まで楽しめる古典文学を連想するところもちょっとあった (あくまで感覚としての話なので、内容やテーマは全然違うけど) ただ、その割に、 ・シャンプーが目に入って「目が、目がぁ!」 → ムスカ? ・「おつかれちゃ〜ん」 → インスタントジョンソン? など、雰囲気を微妙に壊している割に笑えるわけでもないパロネタモドキが、数こそ少ないものの悪目立ちしてるなぁ、とは思った また、ストーリーだけ見ると、作中通して何回か死にかけたり緊迫したりする場面こそ多いものの、 ラノベらしい斬新な驚きといったものはハッキリ言って皆無 世界観こそややラノベ的ではあるが、作中でやってることと言えば、 ・船が嵐に襲われる ・海賊と出会って戦う ・海の上を漂流する など、超古典的なものばかり ここまで古典的だと逆に新鮮というものあるが、この作品の真骨頂は、そういった古典的ストーリーに現代的なラノベ風キャラを合わせている部分だと思う(まぁ、キャラ的に見てもラノベ成分は薄めなんだけど) 中途半端にボーイッシュなボクっ娘主人公はありそうでなかった(?)絶妙なキャラ造形だし、萌えるし、絵も含めてお気に入り この娘がなにかと酷い目に合うのがまた良いんだよなぁ・・・ (逆に言えば、後半仲間になる相方の少女はいまいちだったし、サブキャラ勢は総じて単純且つ影が薄かったと思う。好みの問題かもしれないが・・) ただ、他の人も言っているけど終盤の展開は結構、酷い (なにが酷いのかは低評価の人のレビューを見れば大体わかるので割愛) と、いうか、繰り返しにはなるけどストーリー自体には(山場っぽいものこそ何度かあるものの)特筆すべき点はないと思う 良いシーンもあるけどイマイチなシーンや退屈な場面も多いというか・・・ ではなぜそのような作品に☆5をつけるのかと言うと、絵や、世界観や、文章や、キャラが良いからだ・・・というような一般的な理屈に加えて、 言葉では言い表せない不思議な心地よさ、謎の魅力の片鱗を感じたからと言う他ない こんなことを言ってしまうと身も蓋もないような気もするけれど、小説とかマンガ、アニメといったものは結局のところそういう側面のあるものだと思う 簡単に言うなら「相性」とか「好み」といった感じか(?) 総論として、ともすれば凡庸な駄作として放り捨てられてもおかしくはない危うさを持った本作を、電撃小説賞の大賞にまで選定した電撃編集部を、少なくとも私は賞賛したい ・・・と、いうか、レビューの分布見ればわかるけど、ラノベにしては比較的地味な話なのにこうまで賛否がわかれるってのもすごいと思う。否定派の意見も十分わかるのがまたアレだけど・・

  • 淡白で面白味に欠ける

    文章力や世界観などに不満はないです。 ただ、ストーリーやキャラクターがあまりに淡白で、 エンターテイメントとしての魅力に欠ける。 序盤のキーちゃんとのイベントなどは、この作品のテーマ性が如実に出る、 「ここで盛り上げなきゃどーすんの!」というようなシーンのはずなのに あまりにあっさりと片付けられてしまった。実にもったいないと思う。 それに「生きる」というテーマが強く出たシーンも数えるほどで、 全体的に淡白なイベントシーンが延々と続くようなイメージ。 書きたいこととエンターテイメントを両立できていないと感じた。 この作者さんは地力はあるけれど、キャラと演出が弱いように感じる。 深いテーマのはずなのに、キャラに魅力がなくて、 イベントやドラマを盛り上げるための演出がとにかく弱い。あまりに淡白。 キャラの魅力と演出力が優れていれば、面白そうなテーマだったのに…。 とまぁ、批判がメインでしたが、 初見では世界観が魅力的に見えましたし、文章はまともだった。 何より最近の流行の後追いだったり、 読者に露骨に媚びているような面がなかった。 そこは良かったと思います。

  • 様々な形で繋ぐ命の物語

    『第21回電撃小説大賞』の受賞作で,海洋冒険ロマンにジュブナイル要素を加えた一冊. 海水から真水を蒸留したり,それでも足りない水分を補うために魚の血をすするなど, 厳しいサバイバル生活を描く序盤は,かわいらしい女の子が跳ねるカバー絵とは裏腹で, その最後に迎える『命のやり取り』は,良い意味で期待を裏切る前半の見せ場となります. また,中盤には新しい出会いが用意され,生きること,生きるために悩む主人公が, 少しずつその関係に心地良さを感じ,笑顔が増えていく様子には強い印象を覚えます. かと思えば,現実的で強ささえ伺わせていたその友人も,同じ苦しみを吐き出したりと, 互いに思い,ぶつかり合い,成長していく二人の若さとみずみずしさがまぶしく映ります. このほか,海だけとなった今の世界を『アフター』,それまでを『ビフォー』と呼び, 失われた文化や言葉を,軽い言葉遊びとユーモアを交えて語る場面はおもしろいところ. 反面,軽めではあるものの,チラホラと漂う『百合っぽさ』は気になる人も出てきそうで, アクション映画のような終盤も少し唐突で駆け足,そして都合の良さがあるのは否めません. それでも,人や船,いくつもの名前が結ぶ縁,様々な形で繋ぐ命の物語はうまく畳まれ, ただ漠然と海に出て行くだけだった日々から,大きな希望を抱き世界へと飛び出す最後は, プロローグの出『港」からエピローグでは出『航』へ,小さな変化が大きな余韻を残します. なお,巻末には早くも続編が告知(15年04月)されており,こちらにも期待をしたいです.

  • 今までにない電撃の大賞作

    電撃大賞の大賞作はここ数年読んでますが、 今年の受賞作はこれまでのとはだいぶ違うなと思いました。 タイトルや絵だけを見ると海洋冒険ぽい感じで、期待していました。 しかし、読んでみると、ちょっと期待外れでした。 展開に起伏が少なくて、ストーリーのあらすじを書き出すとすると、 おそらく七、八行で過不足なくまとめることも可能なくらいです。 正直、読んでいて退屈でした。 もう少し量を減らして、内容を濃くしてもよかったのでは。 この世界ならではというような要素が少なく、 これなら世界を全部海に沈めなくても話が成立しそうな気がします。 最後も予定調和的な感じで、新しさを感じられませんでした。 良い点としては、船や航海の記述が詳細で、かなり調べてあるなという感じでした。 また、どこまでも続く海を感じられ、また、海の怖さなども十分伝わってきました。 この作品を大賞に選んだのは、まんねりを避けるためかもしれませんが、 正直、ヒットにはつながらないかなと思います。

  • 次巻以降が楽しみ

    読んだ感想は「面白かった♪」です。 内容を要約すると、 舞台は、数百年(数十年?)後の地球。 地表のほぼ全てが海に覆われた世界に生きる、 「ヒロイン「アキ」の、出会いと別れの物語」 です。 物語は、アキと相棒のキーちゃんが、愛挺のパラス号で旅立った直後に嵐に遭い、漂流するところから始まります。 その後、フロート(浮遊ゴミの固まり)に漂着するが、パラス号が流されてしまい、アキはフロートでサバイバルすることに・・・ その後、相棒のキーちゃんとの悲しい別れ、後の親友となるタカと(表題の)「パラスアテナ」との出会いを経て、アキとタカの冒険が始まります。 アキとタカのお互いを思いやる気持ちや、守られるだけだったアキが、タカを守るために出す勇気。 健気なアキはもちろん、タカの根の優しさにも、途中で涙が出そうになりました(^^;) 最期はアキとタカの別れで終わってますが、 「悲しさより、再会が楽しみ」 という終わり方なので、次巻以降が楽しみです(^^) 悲しい出来事も多々ありますが、微笑ましい(感動できる)出来事はそれ以上あり、お勧めできる作品です。 ちなみに、他の方が言うように船に関する専門用語がたくさん出てきますが、「くどい」という程ではないと思います。 むしろ、船に関する知識が得られると思えば、かえって楽しめると思いますよ(^^)

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