T.R.Y.
1905年の上海を舞台に、日本人詐欺師・伊沢修が革命家たちの依頼に巻き込まれていく歴史サスペンス。騙し合いの連鎖の中で、革命のための武器調達という危険な取引が動き出す。
作品情報
革命のための武器を、騙して奪い取る。
第19回横溝正史ミステリ大賞受賞作として1999年に角川書店から刊行された作品。2001年に角川文庫化され、長編エンターテインメントとして読み継がれている。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 1999-08-01
- ページ数
- 373ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784048731799
- ISBN-10
- 4048731793
- 価格
- 2251 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第19回(1999年) 横溝正史ミステリ大賞受賞
レビュー
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おバカのQ太郎
歴史的に真実であるような、ないような…全くの作り話ではない面白さがある。
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T.R.Y (トライ) 井上尚登著
あまり期待していなかったんですが、これも凄い本でした。 夜読み出したら寝るのを忘れとうとう朝方近くまでなりました。詐欺師が主人公ですが、明治時代の中国と日本を股に正義心旺盛。中国の暗殺者に追いかけられながら、自分のささやかというか、壮大というか理想を追っていくんですね。明治の元勲諸氏を騙したり、それでいて誰もが慕うキップのいい花柳界の老姉さんにも愛されるんですね。 当時の史実を深く研究している著者の筆力にも感心しました。
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ものすごく面白いです
最近新人賞を読みあさっていますが、今まで読んだ中では一番面白かったです。これとは別の新人賞を取った心臓外科医が登場するあの本より、はるかに面白いと思いました。文章に気取ったところや嫌味と感じる部分が一つも無く、好感が持てます。登場人物が多いのですが、それぞれのキャラが魅力的かつうまく計算して登場させるので、するっと頭に入ってきて、違和感を感じませんでした。ただ、中国語が全くできないと、名前が覚えにくいと言うことはあるのかな・・・。ミステリーや謎とき系の本にありがちな、人間の暗部をほじくって見せる、みたいな陰気なところがなく、主役もわき役も愛すべきキャラばかりです。特にキムが気にいったのですが、どうやら映画ではそのあたりはカットされている???
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伊沢がいい
登場人物のキャラが多彩でいいです。特に伊沢は読者の数だけのイメージがあるように思えます。細かいところ、特に舞台設定に関して幾つか疑問点はありましたが、トータルとして面白かったです。
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懲りすぎだが面白い
詐欺師たちを主人公に、歴史上の人物を登場させ、歴史のifを描いた作品で面白く読めました。 それぞれの勝手な思惑を抱えて登場する人物たちが織り成すストーリーは、複雑にしすぎという気もしますが、割と手際よく交通整理されていて、頭にすんなりと入ってきました。 とはいえ、デビュー作ということで、思い切りいろいろな要素を詰め込んだのでしょうが、詰め込みすぎて、要素が邪魔をしあって面白さを損ねている点もあるように思いました。 ネタバレになるので詳しくは書けませんが、船戸与一の「砂のクロニクル」のようにまとめたかったのか、それともドラマ「華麗なるペテン師たち」や「レバレッジ」のようにしたかったのか曖昧で、どっちつかずの消化不良な点もありました。 出版されてだいぶ時間が経っていますが、ストーリーは古くなっていないので、未読の方はこれから読んでも遅くは無いと思います。
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虚実ないまぜ 複雑な構成 そしてラストの鮮やかさ
小説は当然フィクションですが、近代史を下敷きにした登場人物と時代設定を借りることで現実味を帯び、まるで辛亥革命前夜に起こったことかのように繰り広げられる展開と舞台である上海の描写が見事です。後に織田裕二主演で映画化もされましたが、1910年に韓国を併合し、1911年に中国でおこった辛亥革命前夜という激動のアジアの息吹が通奏低音のように流れていました。 上海の裏社会を牛耳る秘密結社「青幇」という実際の上海の暗黒社会に暗躍していた集団を魅力的に配置し、ロシア革命工作で有名な明石元二郎、後の内閣総理大臣の田中義一を登場させる一方、架空の日本陸軍の東政信中将、清朝皇族であり日本陸軍に留学している愛新覚羅溥沢といういかにも実在していそうな人物を登場させ、実際は農民反乱軍であった「赤眉」を暗殺集団として登場させるなど、読者を煙に巻く技術は確かで、したたかです。本作がデビュー作とは思えないのも当然でしょう。 その激動の上海を舞台に伊沢修という希代の詐欺師を登場させ、様々な局面でだましあいが繰り返され、読者はその小説の中での虚実にまた翻弄されるという二重の揺さぶりが本書をより質の高いエンターテイメントに仕上げている理由でしょう。 ラストの何重にも張りめぐらされたワナとどんでん返しは、最後まで読者をハラハラさせ、着地点を見えなくさせながら、鮮やかな収束を図りました。 第19回横溝正史賞の受賞作品だそうですが、文章力の巧みさや構成力を見ていますと、大ベテラン作家の作品のような風格が全編に漂っていました。
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誰のために、何のために騙すのか。。。
なかなか痛快な詐欺師の物語です。 アジアを股にかけた一大エンターテイメントが繰り広げられています。 もう一作呼んでみたいと思う一冊です。
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秀作
物語は1911年の上海から始まる。 二十世紀初頭の東アジアを舞台に、虚実入り混じったストーリが展開される。 設定された舞台自体、面白い場所と時代であったのだと思う。 ひと癖もふた癖もある登場人物が、騙し騙され、二転三転の内にラストを迎える。 終盤は若干煩雑すぎるきらいもあるが、スピード感あふれテンポ良く、 エンターテイメントとして文句無く楽しめる作品である。