作品情報
穏やかな日常の奥に、それぞれの「壺中の天」がゆっくり口を開く。
角川書店刊の単行本。後に創元推理文庫でも刊行された。日常的な人物造形と大きな謎の構造を併せ持ち、本格ミステリ大賞受賞作として倉知淳の代表作の一つに数えられる。
レビュー要約
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緻密な謎解きだけでなく、趣味や思い込みが人の見方を変えるという主題が読後に残る。長さはあるが、日常の会話と不穏な事件のずれを楽しむ読者に向く。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2000-09-01
- ページ数
- 437ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784048732482
- ISBN-10
- 404873248X
- 価格
- 2090 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 壷中の天国 : 倉知 淳: 本
レビュー
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長い小説には、読者を浸らせる魅力がないと
今では千枚以上の小説でも超大作扱いされないのかも知れないが、それでも作家さんにも出版社さんにも、往年なら「ドグラ・マグラ」なり「細雪」なりのクラスだけが許された分量だという気迫が欲しいものだ。 もちろん、そこまでの高みに達しなくても、たとえばミステリなら 「解決はもっと先で構わないから、もう少しこの小説(描写でも、ギャグでも、ウンチクでも、エロスでも、執拗なトライアル&エラーでもいい)に浸らせて!」 というような、“読書に淫する楽しさ”がないと、長すぎる小説は辛い。結末もツイストを効かせたものでないだけに、すべてが伏線でしたと言われても、はあそうですかという感じで、再チェックする気力も沸かないのだ。怪文書とか、被害者視点の文体の描きわけとか、面白いところもあるにはあるが、何といってもヒロインとか探偵役が魅力不足だと思う。
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普通
普通でした。
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他の作品も読んでみたい。
家庭諧謔探偵小説。なんじゃそりゃ?ピンとこないなぁ。ユーモア家族小説のミステリ版ってことか?それにしては、ずいぶんもってまわしたネーミングだ。そこには作者のたくらみが隠されているはず。ううーん、いったいどういう話なんだろう?それに加えて本書は第一回日本ミステリ大賞を受賞している。ということは、ミステリとしてもかなりの出来ということではないか。そしてそして、この1000枚以上という長さはどうだ。すごく期待値が高まるではないか。でも、この表紙はちょっと変だ?なんとなく『萌え』キャラっぽくないか?ていうか、そのものじゃないの?これがちょっと引っかかるなぁ。 以上のようなことを読む前に思った。手を出していいものかどうか躊躇した。ええい、ままよと読み出した。 なるほど、こういうことか。おもしろい。おもしろすぎるぞ。新書版でもいいくらいの題材が、圧巻の書き込みで1000枚を越す大作になっている。小説としてのおもしろさはたいしたものだ。本書のミステリは連続殺人。被害者に共通するものは何か?いわゆるミッシング・リンクものだ。地方都市を舞台にマニアな人たちばかりが登場し、犯行声明も電波系の怪文書。そのままいけば、立派なオタク小説になりそうなのだが、それが、そうはならないから素晴らしい。このミステリ以外の部分がかなりおもしろいのだ。 倉知淳は本書がはじめてだったが、この人の文章はかなり好みだ。安心して読める。非常に読み難い「怪文書」でさえもあまりにもリアルな質感に驚くばかりだった。だが、ミステリとしての出来はいただけない。はっきりいって真相はスカもいいとこだ。伏線は十二分に張られていたのだが、カタルシスはまったくなかった。これはちょっとキツいんじゃないの? だが、それでも本書は好きだ。ミステリ部分を評価の対象にしなければ100点満点だといってもいい。小説としての醍醐味は素晴らしいかったというわけだ。他の作品も読んでみたいと思った。
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きっつぅp('⌒`q)
この一言に尽きます。 これまでの倉知作品はほのぼのしてたんですが、この作品は禍禍しさすら漂ってます。 今まで溜めておいた人間の嫌な部分を、どばーっと噴出したかのような隠鬱さ。 更に、主流となる主人公の目線に、友人目線、4人の被害者目線に犯人目線と、移り変わっていくのですが、怪文書も含めてめちゃめちゃ読みにくい文章があって、読み終わるのにめちゃくちゃ時間がかかりました。 手に取るのが億劫でw まるで苦行のようじゃった… 犯人はわかっても、なんだかすっきりしませんでした。 二度と読みたくないです(-"-;)
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いまいち…
「まとも」部分の表現が冗長で斜め読みをしても全然オッケー。「電波」部分のロジックは作り込みがいまいちで本物の電波のざらざらした感じは、みじんも感じられません(知らない人には十分かもしれないけど)。 現実と妄想との乖離は中途半端、「探偵」の推論は隙だらけで、電波系としてもミステリーとしても平凡。あえて評価するならミステリーで電波を扱ったのが珍しいってだけで、それ以上でも以下でもない。
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推理小説なのかな?
推理小説なんでしょうけど、ちょっと想像と違ってました。 人物描写はなかなか読ませるとことがあるんですけど 謎解きが私としては、今ひとつです。 おそらく、好き嫌いがはっきりする部類ではないかと・・・・・
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そうですね
私はわりと好きでした。 舞台的には普通の公団住宅、その中での訳のわからない事件。さまざまな視点からのさまざまな心理。そういう人たちの思わずこういう人いるいる、みたいな考えなど面白いものがたくさんあった。ただ頷けないのは主人公らしき女の人の○○○が事件を解決してしまう事。いまいち必然性も見当たらない。その人の言っていたことは多少興味深いものがあったが・・・。
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人類みなオタク
おしゃまな小学生の娘の母、和子は仕事先のしがらみから、あまり興味の無い「送電線鉄塔建設に反対する市民の会」に出席する。そこで珍妙なビラを受け取った和子。デンパな内容に苦笑する和子だが、それ以来無差別としか思えぬ通り魔殺人が相次ぐのだった。 読みにくい本であった…。 まず良いところ。電波さんの文章が見事です。ホンモノみたいです。著者、なりきっておられます。その本物かげんが読みにくさを倍増している、とも言えるのですが。 そして、著者の持ち味である、ホノボノした人格の善良な人々の描写がイケてます。ヒロインの和子とか、彼女の信頼する彼とかですね。ムードはいいと思います。 最後に、関係無いような些末なことに、伏線が巧妙に隠されていること。見事です。 こっからはイマイチだったところ。人々それぞれになりきって文体が変わっていくわけですが、これが読みにくい。人物の独白であるから、読者サーヴィスなんてものはなく、つまらないことをくだくだしく述べるので辟易する。これだけ文体を書き分ける作者の技量には敬服するけれど、それが面白いかというと違うような。 そして、衝撃の真相。納得がいきにくい…。読者が予想出来ぬ結末で、それだけにサプライズも大きいのですが、どうもすっきりしない。案はすごいと思うので、もうちょっと枝葉をそいで中編に仕上げてくれたらオオッと思ったのに、と思います。長編でこのやり方では、飽きてしまいました。
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