日本の文学賞

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首挽村の殺人

横溝正史ミステリ&ホラー大賞

首挽村の殺人

大村友貴美

岩手の寒村で起こる連続殺人と、土地の昔語りに秘められた陰惨な過去を追う本格ミステリ。

村の因習連続殺人医師岩手本格ミステリ

作品情報

村の因習と連続殺人が、容赦なく結びついていく。

第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作として2007年に刊行、2009年に文庫化。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2007-07-01
ページ数
420ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784048737845
ISBN-10
4048737848
価格
2251 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第27回(2007年) 横溝正史ミステリ大賞受賞

レビュー

  • 普通

    横溝正史ミステリ大賞や21世紀の横溝正史等のうたい文句を抜きにして読めば、 物足りなさは感じるものの、設定自体はそこそこ楽しめるのではないかと思う。 ストーリーを楽しむ小説ではないという感想。

  • 横溝ワールドの再来。足りないのは・・・アレ

    著者=大村友貴美のデビュー作であるが、タイトルも内容も、 横溝正史の『獄門島』や『八つ墓村』など、いわゆる「地方もの」へのリスペクトが色濃く出ている。 地方に伝わる伝説(むかし噺)に「見立て」られたかのような連続殺人事件の不可解さに、 赤熊(幻の巨大熊)の襲撃事件という恐怖が加わって、最後まで興味が尽きない。 犯人の意外性も充分だし、酷評されるような作品ではないと思う。 ただ、不満を言わせてもらうなら、金田一耕助のような「名探偵」が不在であること。 藤田警部補は決して快刀乱麻を断つような推理を発揮してくれるわけでなく、存在感がかなり薄い。 いかにも横溝ワールド的な舞台・道具立てを用意したのに、名探偵は不在・・・とは。 なんだか肩透かしを食らったようで不満が残ってしまう。 この著者には描写力や教養や引き出しの多さを感じるだけに、 何より魅力的な「名探偵」の登場を期待したい。

  • 熊の活躍

    2007年に出た単行本の文庫化。 第27回横溝正史ミステリ大賞の受賞作で、横溝の再来とも言われたほど、それっぽい内容になっている。 岩手の雪深い寒村で奇怪な殺人が続き、巨大な熊まであらわれて人々を襲う。怪しげな旧習、不気味な昔話、マタギ、血塗られた過去の歴史と、読者の心をくすぐるような要素がてんこ盛りで、それなりに楽しい作品に仕上がっている。 ただ、やりすぎ感があり、特に熊は……。 真犯人も意外だし、主人公の「動機」の意外性はなかなかのもの。 とはいえ、これはダメだろうと思わなくもない。 今後に期待。

  • 雪と辺鄙さと熊のお話

    雪閉ざされた村と赤熊、マタギの描写力が素晴らしく、自分もそんな村に閉じ込められている気分。殺人はおまけと考えては?

  • イマイチでした。次作に期待します。

    語り手が3人に別れていて、事件も個々に検証するので、ん?なんの話し?て部分が多かった気がします。 後半になって連続事件では?となりますが、小さい村でこんなに事件が起きたら関連してるに決まってるでしょ! また、現代の話しなのに携帯電話使わなかったり、警察のやる気なかったり、リアリティが感じられない割りには、マタギの話しも、村の昔話も中途半端でなんだかなでした。

  • 横溝ねぇ ……

    「 21世紀の横溝云々 」 と裏表紙にあったので購入しましたが、正直いって期待外れでした。 金田一耕助のような魅力的な登場人物もいませんしね …… 。 地方の村が舞台ということで因習などが取り入れられたところなどは悪いとは思いませんが、 文体が3人称であり、中心となるのが一般人の医師というところで物語に制約ができてしまったのかもしれません。 そして、当たり前のことですが警察関係者が登場するのは事件が起きてからのため、 登場人物に感情移入ができませんでした。 せめて藤田警部補の内面でも、もう少し詳しい掘り下げてくれたなら良かったのですが …… 。 赤熊が人を襲う場面は臨場感がありますが、殺人の方はそれに比べると最後の方が急すぎると感じて、 ついていけませんでした。 舞台が田舎というだけであり、内容そのものは割合と現実的という印象でした。 ドロドロしたものなども無いように見え、横溝正史というよりも内田康夫氏に近いと思いましたね。

  • 好みは出るかもしれないが、面白い。

    冬の東北を舞台に、人々の暮らし、因習、社会問題、想い、 そういったものをないまぜにしながら物語は進む。 その、いわゆる「地方」の生活のいい意味での泥臭さのようなものが、 多少誇張を含んだ形ではあるにせよ、良く描けていたと思う。 熊のくだりも、個人的には好きだ。 「え?熊なの?人なの?人為なの?自然なの?」と戸惑わされる感じも、悪くない。 というか、場面を想像すると普通にドキドキ胸が高鳴って怖く、 その恐怖感が物語の雰囲気づくりに一役買っていた。 確かに、様々な伏線が張り巡らされている割には、 それが綺麗に1本に収束される感がないのはモヤモヤするポイントではある。 が、最近、理論武装を重ねて、 綺麗すぎるほどシャープに物語が片付いてしまう作品が多い中で、 妙に宙ぶらりんだったり、想像の余地を含ませて終わる部分があるのは、 むしろ現実に近いというか、 (※別にこの作品の主人公にリアリティがあるというわけではない。 そうではなくて、実際は何もかもがそんなにピシッと片付くわけではないだろうし、 そういう、完全にカタがつくわけではない部分の現実という意味でね) 個人的には新鮮で「そうか、まぁ、こういうのもアリかな」と思えた。 これからが楽しみな作家さんだし、この作品も私は好きだ。 変なアタマを使うこともないので疲れず、 夜更けに夢中になって読んでしまった。

  • 「首挽村」は必要だったのか?

    最早、現代には、横溝正史が書き連ねることのできる世界はないのか・・・。 犬神家の一族、悪霊島、本陣殺人事件・・・。 集落に澱となって残る、因習という設定は、十分に横溝を彷彿させるが、 ・・・伝わってこない。 著者の筆力のせいなのか、 また、二桁平成の世のせいなのか、 わからない。 一方、本格ミステリーという意味では、横溝的ではある。 だが、後半部分を成り立たせるために、 首挽村は必要だったのか・・・。 必然性がわからない。 中央から離れた集落が設定として必要だったのだろうか、 東京・・・それも下町でも、この物語は完成したような気がする。 それも、もっと横溝的に・・・。 前半部分の物足りなさは、 全体のプロットに少なからず影響がでている。 前半部と後半部が有機的につながり、 昇華していたらと思うと、 ちょっと残念な作品ではある。

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