日本の文学賞

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キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫)

電撃小説大賞

キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫)

岩沢藍

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2017-03-10
ページ数
328ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.7 x 14.8 cm
ISBN-13
9784048926706
ISBN-10
4048926705
価格
54 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

第23回電撃小説大賞《銀賞》受賞作! 全国紳士に捧ぐS級レアラブコメ! 女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注ぐ、高校生・黒崎翔吾。親子連れに白い目を向けられながらも、彼が努力の末に勝ち取った地元トップランカーの座は、突如現れた小学生・新島千鶴に奪われてしまう。 「俺の庭を荒らしやがって」 「なにか文句ある?」 街に一台だけ設置された筐体のプレイ権を賭けて対立する翔吾と千鶴。そんな二人に最大の試練が……! クリスマス限定アイテムを巡って巻き起こる、俺と幼女先輩の激レアラブコメ!

●岩沢 藍:東京都在住。第23回電撃文庫小説大賞《銀賞》を受賞して本作でデビュー。 ●Mika Pikazo:他社でも活躍中の人気イラストレーター。

レビュー

  • 小さい片田舎が舞台の、物語の終わりに近づけば近づくほど熱くなる傑作

    片田舎のゲーセンにて、一台の女児向けゲー筐体を巡って 女児向けゲーに青春をかけている男子高校生と、 都会から引っ越してきて間もない、ツンツンしているけどとても可愛らしい女子小学生ランカーの熱い交流が繰り広げられます。 一見すると、途中途中のキャラのやり取りで どんな展開になるか読めてしまうのですが、 その中で人物同士が広げるほっこりするシーンや 思わず冷や汗が出てしまいそうになるシリアスなシーンには 「どうなるか読めてしまう」からこそ「まるでそこに実在するかのようなリアルな想いの情熱さ」を 感じ、笑いあり涙あり、ドキドキありでした。 出会ったばかりの幼女先輩、幼馴染がメインでしたが、 このキャラはどんな子なんだろう?と掘り下げたくなるようなキャラも たくさん出てきました。 これは次巻以降にどんどん活躍していくのかな..?気になります。 主人公の好きなものに対する想い、熱意、一貫性は、 何かにハマったことがある人ならば、ハッとなり、共感できるかもしれません。

  • 場末で出会った少年と幼女の「好きな物を好きだと言いたい」という想いの「熱さ」が伝わってくる好作。主役二人の掘り下げが若干浅いのが玉に瑕

    「幼女先輩」という聞き慣れない単語に加え、「おじさん」なる表現に何とも事案臭さが漂うタイトル。 はて、どんなイロモノを読ませてくれるのだろうかと半分怖いもの見たさで拝読。 物語は下関にある田んぼと畑に囲まれた大型スーパー「マルワ」内のゲームコーナー「わくわくらんど」で 一台だけ設置された女児向けリズムゲーム「キラプリ」の筐体を前に高校生・黒崎翔吾が 自身のハイスコアを塗り替えられた事を示すランキング表示を前に屈辱に打ち震えている場面から始まる。 自分のプレイヤーキャラである「みゆ」ではなく「ちづる」というキャラが歌って踊るデモムービーが 表示されている事実と「ちづる」のコーデから滲み出るプレイヤーのセンスの良さに こんな事はあってはならないと速攻でハイスコアの座を取り戻そうとゲームを始める翔吾だったが 目標のスコアにはなかなか達せず連続で100円玉を投入してゲームに没入する。 肩を指で叩かれた事で後ろに誰かが並んだことに気付いた翔吾だったが、 「もう少しだけ待ってくれ」と順番を譲らないままプレーを続けるマナー違反を犯してしまう。 次の瞬間、翔吾の頭は後ろの人物に蹴り飛ばされあと少しで達成可能なハイスコア奪還は失敗。 何をするのかと不満げに振り返った翔吾の目に入ってきたのは小学校高学年らしい幼女の姿。 「れんぞくプレイは禁止」と店の注意書きを指差しながら席を譲るよう訴えた幼女が ゲームを始めた画面に表示されたのは件の「ちづる」というキャラクター名。 この幼女が自分のハイスコアを塗り替えたのかと衝撃を受ける翔吾だったが、 幼女が見せる精密機械の様なプレイと「ちづる」を装うコーデのセンスに更に衝撃を受ける事に。 ライバル心が芽生えた翔吾は「さっさと変われ」と相手が幼女である事も忘れて強く出てしまうが 防犯ブザーを取り出した幼女が容赦なくそれを鳴らした事で大事なカードを撒き散らしながら逃走。 逃げ帰った自宅で改造した納屋の中、「キラプリ」のイメージトレーニングに打ち込む翔吾だったが、 コーデを学ぶために女性ファッション誌を読み耽る異常な打ち込み方を 幼馴染でかつては共に剣道で汗を流した夏希に「クラスメイトとも付き合わずゲームにハマるなんて良くない」と 窘められ、間近に迫ったクリスマスパーティーに参加するよう要請される羽目に。 しかしハイスコアの座を諦めきれない翔吾は翌日も「マルワ」に出掛け、 「わくわくらんど」で「キラプリ」の筐体に向き合う幼女・新島千鶴の打倒に挑むが… 意外や意外。 幼女キャラを出すって事はラノベにありがちなロリ系ヒロインをメインに据えた年の差ラブコメだな、と タカを括って読み始めたら、男子高校生が女子小学生をまともにライバル視してガチンコでバトルする 熱血系作品だったとは…こりゃ完全に予想外。 女子小学生とまともにバチバチやり合う男子高校生が八級寺真宵を前にした阿良々木暦以外にいたとは! 物語の方はクラスメイトの名前すらまともに覚えないまま、この「場末」で打ち込んできた女児向けリズムゲーム機に 自分のハイスコアを表示させ自分のプレイヤーキャラクターのデモムービーを映させる事だけが生き甲斐だった 圧倒的な底辺感を纏った高校生・翔吾が都会から転向してきた千鶴から「2位」呼ばわりされながら、 「スコアの為にコーデを弄るなんて本末転倒、自分の好きなコーデでハイスコアを叩き出してこそ本道」という 不思議な拘りに共感を得た事で「好敵手」として認め、バチバチやりあい、限定イベントに挑む中で 最初は生意気な態度を崩さなかった千鶴からもライバルとして認めて貰うに至る…というのが主な流れ。 ただ、こう書くと非常に良い話っぽく聞こえるかもしれないけど、翔吾の置かれた状況が色々とヒドい。 下関という具体的な土地を舞台にしたことで衰退していく地方都市の「うらびれた感じ」が伝わってくるのに 舞台が「デパートの屋上」と並んで侘しさ大爆発ゾーンである「スーパーの中に設けられたゲームコーナー」って もう「場末」感が半端ない。草臥れたおっさんサラリーマンが逃げ込む最後の場所で日中から女児向けゲームに うつつを抜かす高校生…こう書くと世間から見た翔吾の「終わりっぷり」が分かっていただけるだろうか? そんな翔吾を幼馴染の剣道少女・夏希が「クラスメイトと付き合おうよ」「ゲームばかりしちゃ駄目だよ」と 本気で心配するのは当然の流れと言えるのだけど、この物語においてはそんな幼馴染が心配する姿を通じて 「本当に自分が好きなものに打ち込むのはダメな事なのか?」「世間が認めてくれる生き方以外は下らないのか?」という 結構重めのテーマが展開される事に。 実際に翔吾は教室でクラスメイトのアイドルオタクがわざわざ自転車で博多まで遠征して手に入れたグッズを 「オタクとかきめえ」とバカにして窓から捨てたのを見捨てることが出来ず、「お前の方がダセーんだよ」と 啖呵を切るぐらいに自分の生き方を、打ち込んでいる物を認めてくれない周囲に苛立っている様子が描かれている。 その苛立ちをぶつけるかの如きゲームをプレイするシーンは恐ろしいぐらいの「熱量」が込められている。 元々剣道を続けていただけあって、翔吾は体力的に優れたものを持っているのだけど、その鍛えた体を活かした 連射技で千鶴の正確無比なピアノ演奏の様なプレイに対抗する描写は「ゲームもの」というよりも「スポーツもの」に近い。 そして好きな物に自分のスタイルを貫きながら真剣に打ち込む翔吾と千鶴の関係はスポーツものにおける 「好敵手」の関係その物へと変容していくのである。 「自分以外の99人が『つまらない』と言っても、自分が面白いと感じたら『面白い』と言え」というのは 非常にエネルギーの要る行為ではあるのだけど、それまで一人で向き合ってきた孤独な世界に「好敵手」を得た事で 「世間的価値観がなんだ、自分にとっては好敵手の待つ舞台の方が大切なんだ」と振り切った翔吾の生き方が 周りに認められていく展開は実に熱いし、その熱を損なうことなく、期間限定のイベントに持てる全てを賭けて 好敵手と認め合った二人が挑む終盤の展開は読者をグイグイと引き込み、「熱量」をぶつける勢いに満ち溢れていた。 …と、淡白で年の割には達観気味の主人公も多い昨今のライトノベルとしては珍しいほどの熱さのある主人公像は非常に良い。 なんだけど、やっぱり新人さんらしく若干の粗も残っている。 主人公である翔吾や千鶴の抱えた背景がさらっと流されて掘り下げが浅い点はちょっと残念だった。 例えば翔吾が中学まで打ち込んできた剣道を捨て、クラスメイトとのまともな付き合いまで捨てるに至った経緯が ほとんど触れられていないのは翔吾のキャラクターの厚みを損なっているし、同様に千鶴が抱えている問題、 例えば両親が実質的に不在の生活環境や小学生なのに一人行動が多い理由みたいな部分が流されてしまっている事で どうにもキャラクターの背景という物が見えてこないという問題を生じてしまっている。 また、登場人物の出し方も多少疑問。 幼馴染の夏希や、「わくわくらんど」の店員で博多のアイドルを兼任している曾田さんといった辺りは良いのだけど わざわざイラストまで用意したアイドルオタクの清盛やパーティーで翔吾が出会った女子・白川といったキャラが ほとんど「出しただけ」で終わってしまっている点は頂けない(清盛は多少活用していたけど出番の少なさは否めない) これなら上に書いた主役二人の背景を掘り下げるなり、夏希の翔吾への働きかけを増やすなりする方向に尺を使った方が より深みが出たのではないか…と思わないでもない。 また、翔吾が千鶴と出掛けた小倉の町の描写も何故かそこだけファンタジーっぽいというかリアリティのレベルに ズレがあり、この辺りはもうちょっと配慮が欲しかったと思う。 あれこれ注文は付けてしまったけど、「好きな物を好きだという事の難しさ」や 相手が誰であれ「好敵手」を持つ事の素晴らしさ、真剣に物事に向き合う事でしか得られない「熱さ」 といった部分の描き方は十分に及第点。電撃文庫が賞を与えたのも頷けるだけの完成度であった。 幼女ヒロインや女児向けゲームと言った題材からは想像も付かなかった熱い物語を堪能させる 意外性も非常に良かった。 多少の粗はあるけど、文章力自体も低くは無いので、良さを活かす方向で書き続ければ十分に 今後の活躍が期待できる才能の持ち主である事を感じさせてくれたデビュー作であった。 追記 いくら何でもあの小倉の町の描写はなあ…「ワンカップ片手に野良犬と喧嘩するおっさん」なんて 北九州市内ではちょっと見かけないでしょ?飯塚とか直方とか田川とかのもっとディープなエリアならともかく… ただ、「入り口を開けた瞬間にむせ返るほどの豚骨臭さ」、「靴の裏が張り付く床のベタベタ」に ラーメン屋のレベルが表れる、という点は大いに同意。個人的にはハリガネよりバリカタぐらいが好きだが。

  • ラノベの最高峰

    ちょっと高飛車な小学生女子との友情が面白い。 作中のアイドルリズムゲームの設定もよくできている。 アイドルゲームにハマる男子高校生と女児という設定がコミカルで、それを活かしたストーリーも個性的で面白い。まさにラノベのお手本のような作品。 人を選ぶテーマだけど、抜群に面白いので、少しでも気になったらオススメ。 続きも読みたいし、この作者が別の話を書いても追いかける予定。 ちなみに、おじさん→男子高校生、幼女先輩→小学5年生。

  • JSヒロインラノベはもっと増えて良い。

    ロリコンと言われようが、もうちょっと萌えシーンがあってもよかった。 まぁこういうハイスペックぼっちみたいな女の子は大好きです。 それがJSだともう最高。 ただ、 北九州市の小倉について、グンマーみたいな扱いをしてるのが他県の人間から見ても、ちょっと馬鹿らしくて不快だった。 それとも架空の都市なのだろうか? 幼馴染もちょっとおしつけがましくてウザいかな。

  • とても素敵で素晴らしい作品でした。

    購入までの経緯です。 某SNSにて同作品のイラストを担当なされた絵師様のツイートが自分のフォロワー経由で共有されておりましたのでツイートを拝見しました所、題名と内容に興味を惹かれ公式サイトで詳細を読んで試しに読んでみようと思い、KindleストアでサンプルをDL、じっくり読んでみようと思い同作品を購入しました次第です。 タイトルと表紙絵が誤解を与えそうな同作品ですが中身は他のレビュア様が仰います通り、キラプリという架空の女児向けアーケードゲーム、現実でのプリパラアイカツスターズなどの筐体ゲームに賭ける男子高校生と少女との熱き友情の日々を面白可笑しく、また時にはシリアスに描いた作品です。 作品を読んで一番関心を抱いたのはやはりそのゲームをプレイしている時の描写が妥協なく非常に細かく『本当にそのゲームを好きでなければここまで事細かく書けない』という部分でした。文章を読み進めるとまるで自身がその場に居てキラプリをプレイしているかのようで、お世辞抜きでもそのような錯覚を覚えてしまい最後まで読み終えた瞬間、えもいわれぬ達成感と爽やかさ、そしてほんの少しの寂しさをと感情を揺さぶらされてしまった、といいましょうか、早く続編をという渇望感に支配されていた自分がおりました。 とまあ色々と漠然な感想で大変恐縮ではございますが、ひとつ言えることは、この作品はハズレではないということです。ゲーム好きなら必ずや心の琴線に触れること間違いないと思います。 評価は文句なしのパーフェクト。 それでもお釣がくる位にとても素晴らしい作品でした。

  • 久しぶりに読んで良かったと思えるラノベ

    詳細は他の方が記載されているので省略しますが、 久しぶりに読んで良かったと思えるラノベでした。 面白いラノベ、楽しい気分になるラノベは色々ありますが このように感じられたのは久しぶりです。

  • 幼女先輩という魅惑的なワードですが

    ヒロインは幼女といより女児ですよね← 何か腑に落ちない……と最後までもやもやしてましたが、改めて表紙見て納得です。 幼女じゃない、女児だ( ゚д゚) 細かい部分で妙に引っかかるところが目立ちましたが、最後まで楽しく読めました。いくつかの主人公のモノローグは、のめり込んでいた視点からパッと現実に引き戻してくれて、途端におかしくなって笑えたのが印象的です。読んでるといつの間にかに引き込まれますね。 幼馴染の女の子が、ちょっと嫌な感じに見えてしまうのが勿体無いなと思います。熱の描写は素晴らしいの一言につきます、わくわくハラハラさせるツボをおさえてますね。 ただやはり、キャラクターの台詞選びにはもう少し気を遣ったほうが良いと思います。幼女先輩を、幼女先輩たらしめるには、明らかにそこが欠けています。 どのキャラクターにも共通して言えるのは「どこか魅力のある良い人物なはずなのに、どこか印象をおかしくする台詞がある」というところです。 お話としてはきちんと纏まってますし、引き込まれますが、やはりキャラクターの発言に引っかかる部分があるのは、とても勿体無いです。 以下は、場合によってはネタバレになってしまうかもしれない感想なので、気になる人はページを閉じてください。 タイトルからの予想を裏切るのは、良い方向に振り切ってこそ効果があると思います。ぜひ幼女先輩という魅惑的なワードを、もう一度見つめ直してほしいです。 主人公もまた、女児向けゲームの本来の対象から外れているキラプリおじさんなのだということを、もっとハッキリさせた方がメリハリ出てくるのではないでしょうか。 作品内でのキラプリというゲームが、本来のお客様である幼女を完全に置き去りにした「おじさんが作った、分かってるおじさん向けのコア要素を中心に据えたゲーム」ということが、何よりのズレを起こしてるのかもしれませんね。 いくら人気のない寂れたゲームコーナーとはいえ、入り浸ってる主人公と引っ越してきた幼女先輩の他に、本来のユーザーである地元の幼女がキラプリを遊びに一度も出てこなかったのが、現実味を薄れさせてしまったと思います。ゲームコーナーの近くで子供が遊んでいたはずなのに…… 主人公が居たせいで、子連れの親も寄り付かなったのかもという想像はできますが、先客のプレイが終わるまでの順番待ちが一度も出ないのは、少し表現としてやり過ぎなのではと思います。 ゲームの魅力そのものを否定しかねないので(;'Д`) 本当にごく細かい部分が少し気になりましたが、とても熱いものを秘めた一冊だと思います(*゚∀゚) 登場人物達の喜びの涙に素直に納得できる作品って、あんまりないと思うんですよね(*'∀`)

  • 笑いながら手に汗握る物語

    とても読みやすく、内容も面白かったのでダレることなく一気に読めました。 登場人物それぞれの掘り下げがあまりなく、それが全体に良いテンポ感を与えている印象です。失速することなく締めくくりまで楽しめました。 シュールかつ熱い展開やシーンが多く、題材となっているアーケードゲームにまったく興味のない自分でも十二分に楽しめました。

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