日本の文学賞

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殺意の演奏 (講談社文庫 お 9-1)

江戸川乱歩賞

殺意の演奏 (講談社文庫 お 9-1)

大谷羊太郎

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1975-04-01
ページ数
299ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784061360228
ISBN-10
4061360221
価格
1242 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第16回(1970年) 江戸川乱歩賞受賞

レビュー

  • メタフィクション・ミステリの傑作!(重大なネタバレあり)

    作者・大谷羊太郎氏は、後に「本当に殺人事件を犯してしまったある歌手」のマネジャーだった人です。 そんな彼が、自分のかつていた芸能界を舞台にした推理小説。 物語は、ある売り出し中の若きMCが、密室の中でこと切れていた場面から始まります。この事件は自殺として処理されるのですが、長い年月が過ぎ、故人の弟でラジオのDJをしている主人公が、「本当に兄は自殺したのだろうか?」と疑問を持ち、恋人や事件の第一発見者・兄の旧友と共に、過去の事件をもう一度追って行く内容になっています。 密室トリックは……すぐに暴かれ失笑するしかない(誰にでもすぐ分かるレベル)のですが、この作品でキーになるのは、作者本人をモデルにした、元ギタリストでミステリー小説家志望のキャラクターです。 大谷氏が乱歩賞に以前応募して(そして落選した)「死を運ぶギター」という小説が劇中小説として登場し、パニック障害・躁うつ病・サイコパスなどの心理的サスペンスに、「記憶術」という連想結合記憶技術(通信教育などで有名)が絡んで、独特の世界観に仕上がっています。 犯人は消去法で1人に絞れる(この物語は、主要登場人物が4名しか出て来ない!)のですが、どうしてこんなことをしたのか? というのが最大のミステリーとも言えるでしょう。 【ここからネタバレ】 結局、事件が「自殺だったのか? 殺人事件だったのか?」不明なまま物語は終わります。結論を読者の想像に委ねてしまうというミステリー小説は、当時としては斬新だったのではないでしょうか?

  • 芸能界を背景にした密室推理の佳作

    芸能界を背景に起こった密室事件?−死体に取り巻くトランプカード。困難性のある密室に取り組んだ意欲的作品。話が少し回りくどく難点はあるものの,真摯に書いた良心的な本でお勧めです。

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