日本の文学賞

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枯草の根 (講談社文庫 ち 1-6)

江戸川乱歩賞

枯草の根 (講談社文庫 ち 1-6)

陳舜臣

華僑の大富豪が神戸を訪れた直後に中国人高利貸しが殺され、名探偵・陶展文が静かな推理で事件の核心に迫る。処女長編ながら、乾いた文体とユーモア、大人びた人間観察が際立つ。

華僑社会名探偵陶展文殺人事件推理長編神戸

作品情報

神戸の華僑社会で、静かな推理が事件の核心を照らす。

第7回江戸川乱歩賞受賞作。講談社文庫版は1975年刊で、陳舜臣のデビュー作として知られる。中国人名探偵・陶展文が活躍する本格推理で、簡潔な文体と落ち着いた観察眼が魅力とされる。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1975-06-01
ページ数
304ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784061360259
ISBN-10
4061360256
価格
1100 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第7回(1961年) 江戸川乱歩賞受賞

レビュー

  • 神戸における華僑の世界を垣間見せてくれる

    現在は経済評論家として名高い作者の、神戸を舞台にして華僑社会を描いたミステリ・デビュー作。乱歩賞受賞作でもある。 探偵役を務めるのは、本職は中華料理屋で、漢方にも詳しいという陶展文という老中国人。この他、シンガポールで成功した席という華僑、その中国での恩人李が登場し、事件に巻き込まれる。さながら神戸における華僑の世界を映し出した作品であり、作者ならではの内容と言える。陶の泰然とした大人振りと、その拳法の弟子で熱血新聞記者小島の若さの対比など性格設定は巧み。しかし、読んでいてミステリという感じは薄く、異国の地で悲哀を味わう華僑の物語という趣きである。事件の真相は物語の進行と共に自然と明らかになり、後は陶老人がどう始末を付けるかといった構成である。 名のみ高く、実態が良く分からない華僑の世界を、異国情緒溢れる神戸を舞台に垣間見せて、シミジミとした情感を与えてくれる佳品。

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