ひとり旅一人芝居
『ひとり旅一人芝居』は、渡辺美佐子による随筆です。受賞時に注目された主題や語りの調子を手がかりに、人物、場所、出来事が重なり合う作品として読むことができます。
作品情報
『ひとり旅一人芝居』は、題名が呼び込む情景と作者の関心を結びつけながら、受賞作としての輪郭を残す作品です。
『ひとり旅一人芝居』は渡辺美佐子の随筆として、講談社から刊行された作品です。題名に示された対象や場面を入口に、時代の空気、生活感、人物の内面を読み取れる構成になっています。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1987-04-01
- ページ数
- 218ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062032858
- ISBN-10
- 4062032856
- 価格
- 2200 JPY
- カテゴリ
- 本/エンターテイメント/演劇・舞台/演劇
女優、妻、母としての自然流の生活を綴る。 思いがけず女優の道に入った逸話、養成所時代のほろ苦い思い出、「化粧」の一人芝居にまつわるエピソード、海外旅行初体験談等々、30数年の女優生活を振返る。
昭和7年、東京・麻布生まれ。実践女子学園高校卒業後、俳優座養成所入所(3期生)。「家庭教師」で初舞台。「果てしなき欲望」でブルーリボン助演女優賞、「マリアの首」で新劇演技賞、「小林一茶」「オッペケペ」で紀伊国屋演技賞、「化粧」の一人芝居で芸術選奨文部大臣賞を受賞。テレビでも「みだれ髪」「ムー」「おしん」「いちばん太鼓」などに出演。夫の大山勝美氏との間に一男。
レビュー
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著者、ご本人の記念の書
NHKのラジオ深夜便で女優が代り番で自分の人生を語っているが、かつて渡辺美佐子さんが登場していた。そこで紹介されたのがこの本。 著者の生の声によると、この本はお母さんのために書いたのだが、出版されたときお母さんは入院していて、病室にこの本をもっていったのだけれど、看護婦さんが面白そうともっていってしまった、翌日、本を読んであげようと再び病院にいったところ、母は他界してしまい、ついにこの本の内容を伝えそこなった、といようなことを語っていた。 さらに本書で書きたかったことは、戦争の経験、とくに小学校の頃、心をよせていた男の子が広島に疎開して被爆したこと、人探しのあるTV番組で彼を探してもらったのだけれど、そこでご両親と対面し辛い思いをしたことだったとのことである。 早速、本書を取り寄せて読了した。幼児の体験、姉と兄のこと、戦争体験、偶然に入ることができた俳優座のこと、好きな海外一人旅(ソ連、インド、スペインなど)、結婚と出産のことなど興味深く書かれている。とくに一人芝居、「化粧」がスタートし、600回ほどの公演、その過程での井上ひさしさん、木村光一さんとのコミュニケーションが印象に残る。最初は(1982年)6人の女優の6本の一人芝居のひとつで、一本45分。それが3本づつ、二日間にわたって演じられたらしい。6本のうち。「化粧」が独立し、2幕ものと長くなり、今では日本の一人芝居の代表的作品となった。
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「化粧」をもう一度
日本エッセイストクラブ賞受賞作。渡辺美佐子の唯一の著書。渋谷と三鷹で育ち、ヴァイオリンを習いたいと言ったら父親が教師として連れてきた音大生が芥川也寸志というお嬢さんぶりに驚く。演劇の話はいいが旅行と子供の話はちょっと退屈。夫はプロデューサー大山勝美。パスポートを忘れてきたのを自宅に電話してお手伝いさんに聞いたというブルジョワぶりにちょっと辟易。「化粧」仏訳はパトリック・デュヴォス。しかし「化粧」どこかでソフト化してくれないものか。