作品情報
白い廊下の先で、医療の現場に潜む謎がほどけていく。
講談社から1992年9月に刊行された単行本。第38回江戸川乱歩賞受賞作で、医療ミステリーの先駆けとされる。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1992-09-01
- ページ数
- 319ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062061049
- ISBN-10
- 406206104X
- 価格
- 2251 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
医療事故か?巧妙に仕組まれた殺人事件か?現役外科医が挑戦した乱歩賞史上初の医学ミステリー! 第38回江戸川乱歩賞受賞作。 医療現場の問題点も鋭く抉る意欲作!! ●選評より [生島治郎氏] 医学の専門知識を扱いながら、それをふつうの読者にも通じるような平明さで描いてあるところはさすがである。 この新人は今後も医学的な世界を描くだろうが、専門的な知識を武器にしながらも、専門的でない読者を魅了する世界を描ける書き手ではないかと思う。 [西木政明氏] 一見唐突に登場した人物が、実はちゃんとした必然性にもとづいて物語の中に組み込まれていることが、しだいに明らかになる。 人物にかぎらずつぎつぎに敷設される伏線のいずれにも、きっちりとした答えが用意されている。すべてに目配りが行き届き、安心して物語の世界に身をゆだねることが出来た。
昭和23年10月、三重県松阪市生まれ。本名、田上鑛一郎。名古屋大学医学部卒業。現在、愛知県渥美郡田原町の総合病院に外科医として勤務。専門は腹部外科。
レビュー
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ドラマ原作
昔観た単発ドラマ(中井貴一と財前直見が主演でした)が忘れられず、原作を探して行き当たりました。ドラマをもう一回見たいなぁ。ドラマでは結構ショッキングな展開がありますが、原作ではそこまではっきりと描かれていません・・がこれはこれで。
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おもしろい、と当時思いました。
1992年の江戸川乱歩賞受賞作。 10年以上前に読んだときは、面白いと思いました。今回再購買し、再読。 「チームバチスタ」等の最近の医系ミステリーと比べると、キャラクターが弱い印象です。 また、1.注射器がガラス製(今は使い捨てプラスチック)。 2.病院内が消毒薬臭い(今は消毒薬の臭いはしない)。 3.医療廃棄物を軍手で触る(感染症がうつる!)。 4.医局制度は15年前と変わってきている。 など医療も社会も変わってきており、少ししみじみしました。
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優れた医学ミステリー
外科医の方が書いたー医学的な世界を舞台にした、本格推理小説。医学の専門知識を上手く使いながら、素人でも分かるよぅに描いて物語をミステリアスに創りあげました。人物の心まも描いて見せてくれています。専門家の成せる技です、流石です。普通の作家の方では書けない世界を魅せて頂けました。少し難をいえば、推理にいくらか無理筋を感じますが、丁寧に書かれた作品で読む価値ありです、楽しめますよ。
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僕は主人公の生き方に賛成です
医療ミステリーですが、事件の解決よりも心理戦の攻防が殆どを占めています。 現在の医療ミステリーに比べたら全てにゆるいストーリー、煮え切らない結末と、納得できない点も数多くあるかもしれませんが、主人公の真っ正直な生き方や、イマイチ悪人になりきれない周りの人物描写はよく描けていると思います。 少なくとも医療ミスを無理矢理押しつけられて復讐に走ってドロドロの結末・・・というような安直なミステリーにならず、少しずつ人間関係から犯罪の裏が見えてくる所は最後まで飽きずに読めました。 15年以上前の作品である事を考えればよくできた医療ミステリーでしょう。
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医療ミステリーの先駆け
個人的には、川田弥一郎さんの作品は、時代小説の方や、続編の「白い狂気の島」の方が好きかな?と思いました。 今となっては、医療ミステリーといえば、まっさきに思い浮かぶのは海堂尊さんですが、先駆けですね。
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イマイチ
江戸川乱歩賞の傾向の一つとして、特殊な世界を舞台にした作品が多いというものがある。医療の世界を舞台にしたこの作品もそんな傾向を反映したものと言えよう。 医療の世界っていうと、私なんぞには全くわからない世界で、なんとなく医者っていうと金持ち、とかそういうイメージを抱いているんだけど、勿論、そんな作品じゃない。病院内部での労使の対立、大学の医局による縄張り争い…など、興味深く読むことが出来た。 が、全体的には不満の残る出来。まず、ある特殊な器具がキーポイントとなるんだけど、これが困る。一応、図での解説はあるのだが、私のようなド素人には、それを見てトリックを思いつくとかっていうのはまず不可能。「こういう風にすれば良い」と言われても全くピンと来ないのだ。また、その事件までの準備期間の話にしても色々と首を傾げたくなる箇所がある。犯人の人間像も薄っぺらいし。また、結末に関しても、ただ1つの推論を出しているだけで、確証などが無いままに…というのも不満。後味が悪いのは構わないのだが、こういう形での悪さは頂けない。 ハッキリ言って、イマイチ。
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乱歩賞初の医学ミステリー
現役医師の書いた医療ミステリー。 最後に犯人が判る訳でも、最初から犯人が判ってる訳でもない。 中途半端な構成。 病院の内情や手術の様子、大学の医局と病院の関係など、 医療関係者で無ければ書けない内容だが、ミステリーとしては 今一歩と感じた。 人物の造形、特に女性の台詞や書き方に違和感を感じる。 まあ、つまらなくはないが、取り立てて面白くもないといった印象。
関連する文学賞
- 江戸川乱歩賞 第38回(1992年) ・受賞