日本の文学賞

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キャベツの新生活

三島由紀夫賞

キャベツの新生活

有吉玉青

『キャベツの新生活』は、有吉玉青がキャベツ、キウイ、夏帆という人物たちを通じて、愛せなくなることから始まる新しい生活を描く恋愛小説。透明感のある筆致で、若い感情の揺れと関係の変化を追う。

恋愛若者再出発喪失透明感

作品情報

愛せなくなったところから、キャベツの新しい生活が始まる。

講談社から 2002 年に刊行。キャベツ、キウイ、夏帆の三人を中心に、愛の終わりと新しい関係の始まりを描く書き下ろし長編である。

レビュー要約

  • 読みやすさや清潔な筆致を評価する声がある一方、人物への共感や物語の手応えには距離を置く読者もいる。淡い恋愛小説としての軽さが長所にも弱さにもなっている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2002-09-01
ページ数
277ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062114608
ISBN-10
4062114607
価格
298 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

愛するココロ 生きてるアカシ 君を愛せなくなって僕のニューライフは始まった。 キャベツ、キウイ、夏帆――0から無限大へのラブストーリー 透明感のある清清しい筆致で描く書下ろし恋愛小説 人は生きていても死んでいることがあります。 彼らは、深夜のコンビニや無機的なビルの立ち並ぶ、 未来都市さながらの臨海副都心、 楽しすぎる遊園地などに出没するようです。 そこには死んでいる人もやってきて、 人と関われずにさまよっています。 愛し方を忘れてしまった人たち。 彼らが出会い、それを思い出したとき――。

■有吉玉青(ありよしたまお) 1963年東京都生まれ。早稲田大学哲学科、東京大学美学藝術学科卒業。’90年「身がわり――母・有吉佐和子との日日」により坪田譲治文学賞を受賞。’92年ニューヨーク大学大学院演劇学科を修了。 著書に小説『黄色いリボン』『ねむい幸福』エッセイ『ニューヨーク空間』『私はまだまだお尻が青い』『お茶席の冒険』などがある。

レビュー

  • 突然家がなくなった

    楽しいスタート。もしも突然家がなくなったら自分はどうなるんだろう?煩わしい物を一気に殺ぎ落とせて嬉しいかも。って、わくわくしながらどんどん読みすすめられました。でも落ちが見えた時・・・

  • キャベツの新生活

    先日も読書がしたくなり読みました。3回目です。読むたびに作品の奥深さがわかります。インテリアが好きなので作品中に出てくる名作家具の場面など興味深かった。文章全体の描写の雰囲気が次々と不思議なくらい浮かび、洗練された映像美を観ているようで、テレビなどで視覚的に放送してもらいたいと密かに思っています。愛することと愛されることの大切な真実を教えてもらった気がします。

  • 生きること 愛すること 愛されること

    無機質で他人との関わりを持たず、なにも所有しようとしないキャベツとキウイが読み進めていくうちに次第に生き生きとしてくる。 自分の欲するものを見極めたときの彼らの行動がもどかしくもあり、共感出来ます。 流されるようにただ日常を過ごしている自分がいるならおススメ。 ラストの衝撃にもガツンと来ますが、そのどんでん返しよりも最後のキャベツの行動に感激しました。

  • 「聴く力」を備えた主人公の魅力

    シンプルで都会的なライフスタイルに身を置きながら、 人を傷つけないやさしさを持つ“キャベツ”という主人公に癒されます。 それはキャベツが、人の話を「聴く力」があるから。 「キャベツといると、人の好きになり方を思い出せそう」というキウイ。 日を追うごとに愛されていたと実感する夏帆。 その言葉、ふるまいが、仕事に疲れた深夜の頭に やさしいヴェールとなって包みこまれるような余韻が残り、 眠る前は傍らにこの本を置いて、 少しずつページをめくっていくことが日課となりました。 単なるラヴストーリーに終わらせない、 結末の意表をついた構成。 主人公の、生きている痕跡を残さないような 簡素な暮らしぶりの意味が最終章で理解できます。 タイトルの「新生活」が何を指すのかも。 表紙に描かれている抽象画も この作品の心憎いキーワードになっています。

  • ゆったりと、でも、せつない恋のはなし

    主人公が出張から帰ってくると自宅アパートが無くなっているという衝撃的な事実から物語はスタートするのだが その反面、物語は主人公の性格のように、ゆったりとした時間が流れていて読んでいて非常に気持ちがいい。 待ち合わせの時間つぶしにちょうどだろうと軽い気持ちで読み始めたのだけれど、この本を選んで正解だったと思った。 しかし、僕はいまだにこの小説の余韻から逃れられないでいる。 こんなにも、せつない恋があるのだろうか。 愛し方を忘れてしまった人や、愛されることに不安な人に読んでもらいたい。

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