日本の文学賞

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三島由紀夫賞 みしまゆきおしょう

第16回(2003年)

小説評論詩歌戯曲

受賞者

6名
舞城王太郎 まいじょう おうたろう 受賞

『阿修羅ガール』は、恋に悩む少女アイコの一人称が、殺人鬼、都市の混乱、魔界や天界まで巻き込みながら疾走する舞城王太郎の長編。暴力と妄想と青春の高揚が、過剰な文体で一気に押し寄せる。

恋する少女の声が、世界の大混乱を巻き込みながら暴走する。

284ページ
青春暴力恋愛文体実験都市の混乱
嶽本野ばら たけもと のばら 候補

『エミリー』は、嶽本野ばらが孤独な魂を抱えた若者たちの出会いと再生を描く恋愛小説集。表題作のほか、服飾や乙女文化へのこだわりを通じて、自分の好きなものを守ることと生きづらさが結びつく。

残酷な世界で、自分の美意識を抱えて生きる者たちの恋愛小説集。

200ページ
乙女文化孤独恋愛服飾自己肯定
有吉玉青 ありよし ぎょくせい 候補

『キャベツの新生活』は、有吉玉青がキャベツ、キウイ、夏帆という人物たちを通じて、愛せなくなることから始まる新しい生活を描く恋愛小説。透明感のある筆致で、若い感情の揺れと関係の変化を追う。

愛せなくなったところから、キャベツの新しい生活が始まる。

277ページ
恋愛若者再出発喪失透明感
黒田晶 くろだ あき 候補

『世界がはじまる朝』は、病のためニューヨークから東京へ来た十四歳のルビーが、治療の過程でケイゴと出会い、世界を再び始めていく物語。記憶や身体の不安と、運命的な恋の感覚が重なる。

忘れていく病を抱えた少女が、東京で世界の始まりを見つける。

264ページ
記憶少女東京恋愛
佐藤智加 さとう ともか 候補

『壊れるほど近くにある心臓』は、佐藤智加が三人で築こうとする幸福の形と、その近さがもたらす危うさを描く小説。強い親密さが救いにも破壊にもなりうる関係を、切迫した感覚で追う。

抱き合うほどに壊れていく、三人の幸福のかたち。

185ページ
親密さ三角関係幸福破壊身体感覚
野中柊 のなか しゅう 候補

『ジャンピング・ベイビー』は、別れた夫と愛猫の埋葬へ向かう時間を軸に、過ぎた結婚生活や新しい生への感覚をたどる野中柊の小説。苦い記憶の中に、日向のような温かさが差し込む。

愛猫を送る道行きが、終わった生活とこれからの生を照らす。

173ページ
離婚記憶再生日常