作品情報
少女の胸に芽ばえた思いが、憧れと戸惑いの季節を映し出す。
講談社から刊行された八束澄子の児童文学作品。少女の内面に焦点を当て、大人への憧れを単純な恋愛ではなく成長の痛みとして描いている。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2006-04-15
- ページ数
- 214ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.5 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784062132794
- ISBN-10
- 4062132796
- 価格
- 1430 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
小学6年生のさやかの家は、小さな町工場。母親はさやかの幼い頃に出奔したため、父と兄の3人家族だ。母親と入れ替わるようにして工場に現れて以来、父を支えて一緒に働いてきた杉田も、もはや家族の一員といえるかもしれない。さやかは二回りも年の離れた杉田に、ひそかに想いを寄せていた。その気持ちは家族愛に近いものなのかもしれない。しかし、さやか本人にとっては、ひとりの女性としての真剣な恋心なのだった……。 少女が心をよせたのは、おとなの、男の人……。 肩車からながめた夕焼け空。夜の駐車場で見つめた月。わたしのそばには、いつもあなたがいてくれた――。 北上次郎(「IN・POCKET」4月号より) 「リアルでコミカルで、そして切ない恋物語に引き込まれていく。ラストもいいぞ。」 第44回野間児童文芸賞受賞
広島県因島市生まれ。岡山県倉敷市で、ネコ一匹、犬一匹ときどき夫と暮らす。 児童文学作家。日本児童文学者協会会員。「季節風」「松ぼっくり」同人。 「青春航路ふぇにっくす丸」(文溪堂)で日本児童文学者協会賞、「わたしの、好きな人」(講談社)で野間児童文芸賞受賞。 その他の作品に、「明日につづくリズム」(ポプラ社)、「海で見つけたこと」(講談社)など。
レビュー
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表紙に惹かれて!
何となくほのぼのとした感じの表紙に惹かれて手にした本でした。 一人の少女の純粋さがひしひしと伝わってくる作品です。憧れの人の全てを知った時、少女はどうするのでしょうか! 読んでみて下さい。遠い昔の記憶がよみがえる様な感覚にとらわれますよ。父親と兄貴も・・・・・なかなかです。
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わたしの、好きな本。
八束澄子先生著『わたしの、好きな人』。恋愛を扱った小説で一等好む作品です。約20年前ハードカバーで手にとり。それは手元から消えたため文庫版を。久々に読んだがやはりよいですね。登場人物全てが活き活きと躍動し、人でないものも然り、時の移り変わり、人の変化もけざやかに描かれていて。決して長い話ではないのに、年月の流れがしっかりと描き出されています。なんと言っても主人公の女の子が魅力的です。理想型の可愛らしい子(いわゆる萌えの対象になったりする)ではなく、八つ当たりしたりふて腐れたり怒鳴ったり、そういう自然で、でも優しさのある生きた姿。杉田を思う気持ち。はっとさせられるものが散りばめられてもいて。私のなかでは宝物のような作品。おそらく八束澄子先生作品中、最高傑作。良質な小説、物語を求める方に、お薦めできますね。 めちゃくちゃ好きです。 恋愛とはいえないかもしれない。 恋がはじまったばかりといったところですが、その鮮烈さといったらもう。 今まで読んだ、観た恋愛もののなかで、迷うことなくNo.1です。 みんな魅力的だし、内容もかなり深くてぎゅっと詰まっていながら、でもすっきり爽やかに読ませてしまう。 すっきり爽やかだから、かるく読みとばしそうですが、再読するとその深さに驚かされます。 ほんと大好き。
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74P
「デザインのかわいさに惹かれて読んでみましたが、最初はちょっと表紙とのギャップを感じました。」というレビューや、 内容や設定とのギャップに驚くレビューも多々あるが、 もともとは八束澄子の大人向け文芸小説。それがなぜか児童文学としてリリース。 初恋をテーマにしているわりに内容は異様に泥臭く(油臭く?)、 恋愛をテーマにしているくせに、恋愛モノというより、90年代初頭を舞台にした家族小説っぽい。 父親が障害者になって、娘が糞尿の始末や介護をするなんて普通の児童小説ではありえない。 障害者も犯罪者も平然と出てくる。まったく夢の無い世界。 あまりに児童小説とは世界観やテイストの違うこの作品を、子供たちが、どう読んだか気になる そのあたりからも読者とのギャップが生じ、 いまひとつテーマをしぼれず、私も乗り切れなかった。 舞台も90年代というより、80年代っぽい?
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表紙はかわいいけど…
デザインのかわいさに惹かれて読んでみましたが、最初はちょっと表紙とのギャップを感じました。 テーマが「少女の初恋」だから、ふんわりキラキラした感じをイメージしていましたが、意外と汗くさい感じと言うか…(笑)まぁ、男だらけの家族だからしょうがないですけどね。 でも、初恋の相手の真実には驚きました。 なるほどーとは思いましたが。 良くも悪くも、普通の初恋物語とはちょっと違いました。 ラストの、みんなの8年後がとても良かったです。
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すごく新鮮なのです。
愛おしい初恋物語。 中学生のさやかの家は、小さな鉄工場をしていますが、従業員である年上の杉田に恋をしている。母親は早くに家を出て行ってしまったから、さやかは杉田に育てられたようなものだ。だからいつまでも子ども扱い。物語はさやかのモノローグで展開していくから、その切なさがいっそう伝わってくる。 イマドキの小説に飽た人にお勧め。古くさいって意味じゃないですよ。こういう恋もありなんだというのが、すごく新鮮なのです。
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ふつう。ほんとの恋はこれから!
タイトルもそうですけど、かわいい本だと思います。12歳の少女のひたむきな気持ちが伝わってきます。年上(けっこう離れた年上)の男の人に憧れる気持ち、女心はわかるなあ。淡い、ほんわりとした読後感。ただしほんとの女の恋は、この後、8年後の再会からではないのかなあ。
関連する文学賞
- 野間児童文芸賞 第44回(2006年) ・受賞