作品情報
どうで死ぬ身の一踊りは、受賞作として読まれるにふさわしい特色を持つ作品です。
藤澤清造への私淑を支えに、貧困と屈折した生活を送る男を赤裸々に描く平成の私小説です。
レビュー要約
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作品の素材と文体の個性が評価され、読後に残る余韻や構成への関心を集めている。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2006-02-01
- ページ数
- 200ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062133067
- ISBN-10
- 4062133067
- 価格
- 2925 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
ああ、なんて暗くて酷い人生なんだろう。 酒とDV=一緒に住んでいる女への暴力。最低でも毎日息をすって吐いて希望はある。大正期の作家・藤澤清造と文学への思い。引くに引けぬ人生を描く小説集。
レビュー
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とにかく
おもろい
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ママゴトのような照れ笑いの絶えぬ毎日も日が立つうちによろこびが慢性化してゆき、お互いの嫌なところが目にも鼻にもつきだしてくる
『墓前生活』(2003年)『どうで死ぬ身の一踊り』『一夜』(いずれも2005年)の三篇。 いずれも主人公「私」による一人称。 超傑作『焼却炉行き赤ん坊』(『小銭を数える』に伴録)が秋恵と同棲して2か月の頃の話でしたが、『どうで死ぬ身の一踊り』『一夜』はそれよりも少し後、同棲4か月くらいの頃のお話。 私は、西村賢太作品における「私」と「秋恵」との何気ない普段の会話が大好きで、「私」が爆発に至るまでの、自分勝手な屁理屈全開の会話(それでいてどこか文学的)が可笑しくかつリアルな生活そのものであるがため、『焼却炉行き赤ん坊』や『小銭を数える』での「私」のブチ切れも作品として非常に面白く読めたのですが、主人公の怒りが彼女の大切にしているぬいぐるみに向かった『焼却炉行き赤ん坊』と違い、本作では直接秋恵に暴力が振るわれ、かつ自分の保身で頭がいっぱいの「私」の態度たるや、さすがに引きます。 「私」が頻繁に通っていた中華レストランで働いていた彼女。 「私」の「藤澤清造」愛を熱く語っても、嫌がらずうんうんと聞いてくれた彼女。 数千万人に一人の女を得た思いで狂喜乱舞した「私」。 ママゴトのような照れ笑いの絶えぬ毎日。 そんな蜜月も日が立つうちによろこびが慢性化してゆき、お互いの嫌なところが目にも鼻にもつきだしてくる。 そして、最後はどうしても険悪なことになってしまう彼女との関係を思い、どうしていつもこうなるのだろうと思いながらも、やはりこうなってしまう。 そのたび「もうこの女に一切嫌な思いはさせまい」と決意を固めるも、再び自分を制御できなくなる。 ただ、このカツカレー事件直後のお話もあるようで、そちらも気になります。 やはり読まずにおれない。 それが西村賢太作品の魅力か。 一方『墓前生活』はもともと同人誌に発表された作品で、とにかく作者の「藤澤清造」愛が満載の作品であり、『どうで死ぬ身の一踊り』のイントロダクション的立ち位置として読め、これ一作だけだと、西村賢太の面白さが爆発する前の雌伏の作品のように感じます。
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残念無念
石原慎太郎がこの西村賢太を非常に評価していました。 確かに素晴らしい作家でしたが慎太郎と丁度同じころに亡くなりました。 残念無念!
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タイトルに惹かれちゃう
うんうん、駄目な人ですね、悲しい人ですね。憎めない人ですね。 生いたちから考えると大変苦労されたと思います。もう少し早く手にしていても良かったなあと思います。 著者さんの生命の息吹が感じられる良文学です。おすすめです
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好きにはなれない
捨てがたき人々によく似てる。まあ、こんなもんか、というレベル。
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程度のよいものでした
レビューが遅くなりましたが迅速に到着しました。
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「私」という人物の生々しさ
【前置き】 西村賢太について、芥川賞受賞の映像で初めて知った新参者です。私小説についてもふんわり自身の生活を赤裸々に綴り、作品として世に出す程度の理解しかしておりませんでした。芥川賞受賞時の一言がかなり強烈だったので、いつか読みたいと思いつつそのままになってたのを、私生活で色々あってやさぐれていたタイミングで思い立って購入、読了。 【レビュー】 バラエティ番組で見ていた姿からは想像できないすっきり簡潔な文体でリズム良く読み進めることができる。当方無知なためわからない単語も出てくるが、調べながらでもサクサク読める。私小説だろうがSF小説だろうが基本となる文章が大事なのだろう。同居女性への暴力、藤澤清造(清の字が変換で出なかった…)への偏執、自身の感情の変化が生々しく語られ、一切無駄の無い文章の畳み掛けもあり、胸につっかえを感じながらも一気に読んでしまった。全て実話なのかは分からないが、どうにもこの小説の「私」を追いかけたくなってしまう。作品が発表された時系列順に、引き続き読んでいきたい。 【星の数について】 内容が理不尽な(ように私は感じる)暴力、所謂小説の終わりで一区切りがつくような作品ではなく、そういった世界とはまるで別軸なのもあって、万人受けしないだろうし星4かなとか考えてました。しかし、そもそも万人受けする必要あるのか?自分が読んで衝撃を受けたのは事実だし、などなど考えて、シンプルに未読の方には勧めたいなと思い、星5にしました。まあこんな私のレビューを参考にする方がおられるか疑問ですが。
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面白い
作者の早逝が悔しくてなりません。
関連する文学賞
- 三島由紀夫賞 第19回(2006年) ・候補