日本の文学賞

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トモ、ぼくは元気です

児童文芸新人賞

トモ、ぼくは元気です

香坂直

兄をめぐる家庭の問題を起こした少年が、夏休みに祖父母の暮らす浪速の商店街で過ごす物語。家族への複雑な思いと成長を温かく描く。

家族障害夏休み

作品情報

浪速の商店街で過ごす夏が、少年の心を少しずつ変える。

『トモ、ぼくは元気です』は、香坂直による児童文学。兄をめぐる家庭の問題を起こした少年が、夏休みに祖父母の暮らす浪速の商店街で過ごす物語。家族への複雑な思いと成長を温かく描く。 受賞作としての焦点は、人物の感情や時代背景を通じて、読者に余韻のある問いを残す点にある。

レビュー要約

  • 設定や語り口の独自性を評価する声がある一方、題材の重さや余白の多さをじっくり受け止める読者向けの作品と見られている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2006-08-24
ページ数
254ページ
言語
日本語
サイズ
13.4 x 1.8 x 19.5 cm
ISBN-13
9784062135351
ISBN-10
4062135353
価格
1430 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物/童話・文学

小学生最後の夏休み、ぼくは浪速の商店街にいた――。 読み終えたあと、きっと人にやさしくなれる。そんな物語。 椋鳩十児童文学賞受賞作家、待望の第2作! ぼく、松本和樹は中学受験を控えた小学6年生。障害を抱える兄のトモをめぐって家で問題をおこし、“罰”として夏休みのあいだ祖父母の家に預けられることになった。関西弁とびかう浪速の商店街で、特別な夏がはじまる!

レビュー

  • あっという間に読みきりました

    子供の読書感想文を書くために購入しました。 小学6年生ですが、集中して読んでいました。 私も読ませていただきましたが、あっという間に読みきってしまいました。 人を大切にすることの大切さを学びました。

  • 今年の夏は、いまいち。

    障害をもつ兄、トモ。 和樹はいつでも兄を大切に思っていたし、優しい弟だった。 しかし、ある時、苛められているトモを見て 逃げ出してしまった自分の中の行き所のない感情に気づいてしまった。 当然のようにトモの優しい弟である事を強要され ついに限界になりキレた和樹。 ひと夏を父の故郷「いまいち商店街」で過ごす事になる… こういう、昔ながらの商店街を舞台にした話って好きなんですよね… 人間味があるというかあったかくて。 大阪特有のノリのいい会話に、アニマル柄のどぎついおばちゃん… ライバルである「ニコニコ商店街」との「伝統の一戦」に参加することになり (といっても金魚すくい)幼馴染の大富三姉妹と特訓に励みます。 テンポ良く話は進みますが、根底にある問題は解決するわけではありません。 和樹がどう自分の中で受け入れていくか、 和樹の成長を描いていく作品。

  • ともに生きる

    勧善懲悪がちょっと。

  • 思春期の子供に

    主人公と同じ6年生の息子に読んでほしくて購入しました。 私も読みましたが、とても感動しました。 親子で楽しめる素晴らしい本に出会えて感謝です。

  • 子どもの心にも大人の心にも刺さる一冊

    現在大学4年生のものです。小学5年生の時に担任の先生から勧められて読んでいました。 (かばさわ先生覚えていますか?笑) 記憶を呼び起こして何とかこの本の存在を思い出したのですが、久々に読んでみて、間違いなく自分の人格を形成した1冊だなと感じました。 子どもに限らず大人の方にもぜひ読んでもらいたいです。人とのつながりについて考えさせられると思います。

  • 中盤あたりから涙が止まらなくなりました

    なんて良いお話なんでしょう! 前半はちょっと主人公のカズ君にあまり感情移入ができず、というより、彼の心のなかの本当に痛い部分が見えてこなくて、ものすごい勢いで大阪弁を繰り出す夏美や千夏たちとの出会い(再会?)の場面などなかなか楽しい読み物だけど、上っ面をなぞっているような心持ちで読んでいましたが、 中盤からグイグイ惹きつけられ、気がついたら涙がぽろぽろこぼれていました。 カズ君が(「桃花」という、もうひとりの知的障害児とその姉が普通にじゃれ合っているのを見て)やっと「トモはトモだ」と気づいた瞬間でした。(159ページ) 冷静に考えればごく当たり前のことで、ことさらものすごい「気づき」ではないのだけど、 それでも嬉しかった。やっと、カズ君の心が晴れ始めたとわかって嬉しかった。それで嬉し泣きをしてしまったのだと思います。 この本は児童書だから、もちろん小学生や中学生に向けた読み物なのでしょう。 でも、大人の読者のこともよく考えて書かれていると感じました。 たとえば、183ページのこんな笑えるところ。 ・・・引用はじめ・・・ おばあさんにきかれて、寿屋のおじさんが「あたりまえだのクラッカー」と答える。意味不明。 ・・・引用おわり・・・ この作家さんは、2005年のデビューだそうですが、もしかするとそんなにお若い方ではないのでしょう。 と本の裏表紙を見たら、1964年生まれとありました。なるほど、ほぼ同世代です。 というわけで、こういう読者サービスに作家さんの心配りが感じられました。 子どもたちが読んで、これって何?と親か祖父母に尋ねたらいいなと作家さんは考えたのかもしれません。 ともかく、しゃれたショッピングモールもいいですが こういう昔ながらの商店街って貴重ですね。 大事にしなければ勿体ない、日本の文化がたくさん盛り込まれた作品だと思います。 大阪弁の柔らかな台詞に、その昔、大好きだった今江祥智さん著の『ぼんぼん』を思い出しました。

  • 架空の大阪です。

    『走れセナ!』で子どもの日常の輪郭を巧く捉え、いいスタートを切った香坂のデビュー第2作。 松本和樹、6年生の夏。彼は中学受験を控えているにもかかわらず、父親の実家である大阪へとやってくる。少し家族と離れて過ごすために。彼には一歳年上の兄トモがいるのだが、知的障害児で、カズはずっとよく世話をしてきたのだが、それに疲れてトモと別の中学に入りたくて受験生となり、でもそんな自分をちょっとイヤでもありしているとき、ある事件をきっかけに母親からトモと同じ中学に行ってくれないかと言われ、誰への、何へのかはともかく怒りがわき起こり、つまりは「キレ」て母親が創ったキルトを切り刻んで荒れたのだ。 カズが飛び込んだ大阪は異世界。反発しつつもしだいに巻き込まれていく。夏の重要なイベントに子ども金魚すくい大会があり、カズはメンバーに入れられるのだが、そこで出来事達が起こっていく。 70年代に見られた「障害児」賛美の罠にギリギリ陥ることなく描いている。それはおそらく、トモ(兄)と距離なくつきあわざるをえなかったカズ(弟)という位置づけが良かったからだ。 最後のピークに金魚すくい大会を持ってくるのは物語作法上そうなるのはわかるのだが、ベタすぎるとは思う。でもその後敵役のタクにまで視線が行き届いているのは、香坂の子どもを見る目の確かさだ。 あ、それと大阪は、架空の大阪です。

  • かなり良い

    すごいよかった。 小学6年生の和樹には知的障がいのあるの1つ年上の兄トモがいる。 ある日、学校からの帰り道、虐められているトモに遭遇するが、 助けることもなく、その場から走って逃げてしまう。 帰宅後、母親に連れられて帰ってきたトモ。 そして、母親は和樹にトモと一緒の中学校に行って トモを守ってくれと懇願する。 そのコトバにキレた和樹は家を壊した・・・(といっても母親の縫った おパッチワークのソファー掛けをはさみで切っちゃったくらいだけど) 和樹の気持ちが痛いほど分かる。 近親者に心身に障がいをもった人がいると 周りの視線が気になるし、 周りの容赦ない行動に打ちのめされることがままある。 それを小学6年生の子どもが耐えられるわけはないと思う。 だから逃げるために 私立の中学校を受験しようとする和樹の気持ちを誰も責められるものではないと思う。 もちろんもっと年齢がいってるのであれば非難されるかもしれないけど。 そんな和樹は夏休みの間大阪の祖父母の元へ送られる。 そこで向かいの和菓子屋の孫娘たちと 地元の商店街で行われる伝統の一戦に巻き込まれていく。 その伝統の一戦とは・・・・内緒。 最後はスカッと終わります。 和菓子屋の末の孫娘が トモと同じように障がいをもっており、 その子を通して、伝統の一戦を通して 和樹はトモとの関係を改めて見つめなおす。 そしてトモのことをありのまま受け入れようとする その姿にちょっと感動です。 和樹と孫娘の夏美の淡い恋心・・・ 和樹は全然気付いてないようだけど、 心がほんわかとしました。 児童文学だけれど、大人が読んでも十分通用する作品だと思います。

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