書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2007-08-10
- ページ数
- 309ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062142342
- ISBN-10
- 4062142341
- 価格
- 2410 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
本年度、江戸川乱歩賞受賞作! 眠れるスパイ「沈底魚」が動き出した。正体は大物政治家か、それとも中国の偽装工作か。 真相究明に暗闘する刑事たちの姿をリアルに描いた、本格公安ミステリー!
レビュー
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思いがけず面白かった。
昨年はひどかったですが、今年は良かったです。 エスピオナージに続いて読みましたが、こちらの方が真面目です。 でも気がついてみたら、舞台は警察の1部屋から抜け出ていませんでした。 でも予想外に楽しめたので〇。
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暗号名が面白い
公安警察を舞台としたミステリー、第53回江戸川乱歩賞受賞作。 諜報小説にありがちな、展開がどんどん複雑になり過ぎるという事態に辛うじて陥らずに、会話主体の物語のテンポは良い。 ただ、それまで事件の核だったことがあっさり分かるなと思っていたら、やはり終盤は二転三転して、結局最後はモヤモヤした感じでした。 公安警察の刑事たちのキャラが立っていたので、その面々の鍔迫り合いの方をもっと読みたかったです。
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ハイクオリティな警察小説
息もつかせぬ展開というのはこういう小説のことを言うんだと思います。こんなにスピード感があって状況が二転三転また一転するような小説は読んだことがありません。とにかく休む暇がない。しかしものすごく面白い! 本作は警察小説でありスパイ小説でありミステリー小説でもあります。色々な要素が混ざっていますが、ざっくり言うと国家の情報を他国に漏らしているスパイを探しだそうというストーリーです。国対国なので大規模な話になりますが本書を執筆するにあたって作者はかなり綿密な調査をされているようで設定・展開に甘いところはありません。まさに隙なし。 エンタメ性も高く文章力も文句なし、欠点らしい欠点がなく、久々に大満足させてくれた小説だったのでこの評価の低さは驚きました。本作が普通かそれ以下、ありきたりだと感じる方は普段どんなハイレベルな小説を読んでいるんだろう。気になってしまいました(笑) 乱歩賞受賞作という看板も納得の出来だと思います。最初から最後まで誰を信じていいかわからない、推理する暇もない、始終物語に振り回されページをめくる手が止まりませんでした。一気読み推奨です。おすすめ!
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二転三転でくたくた
新人の作品としては良く出来ている。公安警察らしい暗い雰囲気がにじみ出た文章もマッチしている。ありがちな人物造詣も、奇を衒(てら)うよりは安心して読んでいられる。 二転三転するストーリーも次の展開が読めない構成で、決して複雑にならず好感が持てた。ただ、最後は疲れた。エピローグのエンディングもちょっと理解できなかった。次回作以降の期待を込めて星4つ。
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今ひとつの感じ
ストーリーが平板で、盛り上がりに欠ける。昨年度と同様に作品としては、今ひとつです。
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しっかり読まなきゃいけないわりに見返りが少ない
国会議員に紛れ込んだ中国のスパイ(=沈底魚)を炙り出そうとする、公安の刑事を描いた謀略小説(だね)。 誰が味方で誰が敵か、誰が嘘をついているのか。捜査が進むにつれ、公安の刑事たちにうずまく疑心暗鬼。二転三転転々する展開に読者はすっかり混乱してしまうことだろう(とはいえ驚きは少いのだが)。 つらつらと流していると分けがわからなくなるので、しっかりと読みすすめるべきだろう。そのわりに見返りが少ないのが残念。 なんといっても、国家の一大事ではあるものの緊張感に欠けるし、登場人物の魅力が乏しいように思う。【乱歩賞】
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人間の暗黒面を抉る怪作
本作品は、第53回(平成19年)江戸川乱歩賞受賞の「スパイ小説(エスピオナージュ)」。 日本推理作家協会編の「ザ・ベストミステリーズ」で2010、2011年版に選出された短篇(【義憤】【老友】)を読み、人間の暗黒面を抉る作風に興味を惹かれて、手に取った次第。 主人公不破は、警視庁公安部外事ニ課所属の刑事。 ある日、亡命を企てる中国人外交官が「日本の現職国会議員が中国に情報漏洩している」と証言したとの記事が新聞に掲載された。 捜査を開始すると、日本国内に潜行する大物の「沈底魚(スリーパー)」の存在が浮かび上がってくるが…。 小説本編を読む前に、巻頭の「受賞の言葉」に注目させられました。 著者は、有名大学に入学するも、卒業に向けた就職活動をせず、やがて中退、その後は職を転々とし、「身を持ち崩すこと」を目的としていたという。 今後は、ありきたりの価値観に抗う作家をめざすとのこと。 小説は作品本位であり、作家がどのような人物かは、小説の評価とは無関係と考えていますが、この「受賞の言葉」には、驚き。 「人間の暗黒面」が強調された作風はこのためでしょうか。 本作品の場合ですと、主人公は警察官ですから、「悪」ではないけれども、「社会悪に対抗する正義」という訳でもありません。 どこかに「暗黒面」を抱えているのです。 「エスピオナージュ」や「警察小説」が多々書かれている現在、題材やストーリーには目新しいものはあまり感じませんでした。 しかし、本作品には「世間的に良いとされている価値観」に対抗しようという気迫は十分に感じられます。 文章表現上、場面の説明は極めて少ないし、会話文の連続で進む部分も多い。 しかし、どの場面も頭に情景が浮かび、誰の発言なのかも明瞭。 上官の凸井も、同僚の若林も五味も、明確に描き分けがされています。 もちろん、スパイものに欠かせない、誰が敵か、という二転三転もあり、楽しめる作品でした。
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どんでん返しの連続で、最後まで気を抜けない公安警察推理小説!
■不破は、警視庁公安部外事二課所属の刑事。中国と北朝鮮に関する国際諜報活動・情報収集が仕事だ。相棒は無口な若林刑事である■――その日、日本に激震が走った。「毎朝新聞」一面に現職国会議員が中国に機密情報を漏洩した疑いがある旨の記事が掲載されたのだ。しかもその議員は与党閣僚経験者とあった。大物保守政治家の中に中国のスパイがいるという驚くべき内容だ。情報元は米国に亡命した中国人外交官■当初警察は当該情報をガセネタとして黙殺姿勢をとっていた。だが、数日後、不破は今抱えている仕事から外れるように指示を受け、公安会議室に行く。会議室に集められた30名の捜査員たちは、エリート女性幹部・凸井(とつい)理事官から驚くべき情報をもたらされる■亡命外交官が漏らした情報《閣僚経験者の大物沈底魚がいる。暗号名はマクベス》は信憑性があるので捜査せよというのだ(「沈底魚」とは指示があるまで何年も一市民として暮らすスパイのこと)■捜査を進める不破の前に、相棒・若林の二重スパイ疑惑や公安刑事同士の反目と内ゲバ、凸井理事官の不審な行動などが次々浮上し、ついに命まで狙われる。果たして事件の真相は? 沈底魚は誰なのか? 裏切り者は? 後半相次ぐどんでん返しで、最後の一頁まで気を抜けない小説。
関連する文学賞
- 江戸川乱歩賞 第53回(2007年) ・受賞