作品情報
『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』は、受賞歴と書誌情報を確認できる吉川永青の作品。
『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』は、吉川永青による受賞・候補対象作。人物の選択や時代背景、事件の推移を通じて、読者を作品世界へ引き込む構成を持つ。 書誌識別子は、Amazon JP、NDL/CiNii、出版社・書店情報で単独書籍または収録書籍として確認できたものだけを記録し、雑誌号や掲載媒体の識別子は流用していません。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2011-09-07
- ページ数
- 397ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062171984
- ISBN-10
- 4062171988
- 価格
- 2650 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/歴史・時代小説
21世紀の新・三國志、堂々の第2弾! 第5回小説現代長編新人賞奨励賞受賞者が放つ、誰も読んだことのない三國志。野心か、義か。孫家三代を支える呉の宿将・程普は、主君が大望の翼となれるのか。
レビュー
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またしぶいっすね
渋いキャスティング。 一作目に続いて読むと楽しいと思います。 三国志ものでは結構好きな方です。 感動まではしなかったので、 4 ですが意外にいい話だなって感じが好きでした。
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孫家三代の書き分けが秀逸
主人公・程普の視点から、三国志演義ベースでストーリーが進む。 時系列的には程普が孫堅軍に身を投じた黄巾の乱から、赤壁直後まで。 他の方も書いておられるように文体は拙いが、 それを補ってあまりある躍動感・バイタリティが溢れる作品となっている。 特に孫堅・孫策・孫権の個性の書き分けが秀逸。 織り込まれるフィクション要素にも、なるほどと思わせる説得力がある。 他にも、孫堅四天王の皆や周瑜、魯粛も生き生きと描かれている。 あえて言わせてもらえば、 ・正史では孫堅軍が華雄を討ち取っているのだから、そちらを採用した方が盛り上がったのでは。 ・程普の得物が槍になっている (ただ、我が鉄脊蛇矛は覇道の翼、では語呂が悪いか・・・) など個人的に惜しいと思われるところが散見されるが、 それも作品の価値をいささかも損なうものではない。
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粗野で土俗的
作中に登場する「牛の煮込みのぶっかけ飯」のような粗野で土俗的な筆致を、 2作目にして幾分心地よく感じるようになりました。 むしろこの練れていない文章でこそ描き出せる作品世界なのではないかと。 大河の匂いや大地の広がりがありありと浮かんでくる気がします。 『蒼天航路』との類似は、同じ出版社ということでセーフなのでしょうか。 ただ、「退かずの楽進」には苦笑を禁じ得ませんでした。 呉の国の有り様を総括したラストの一文には、なるほどと頷かされました。 総じて上手さに比して拙さが目立ちますが(新人さんだから当然でしょうが)、 吉川英治の詩的な世界の対極にあるような雰囲気に、むしろ可能性を感じます。 いずれ「ダブル吉川」と並び称されるような大物に育って欲しいと思います。
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呉国 創世記
呉の国3代に仕えた、武将程普の忠義の物語 盟友黄蓋らと孫家を盛り立てていく様が描かれる。 武人が主役なので、戦闘シ−ンは映像感覚溢れる迫力ある描写になっている。 この作品、結構な回数で豪快に食事をするシ−ンが出てくるが、曹操の悪食ぶりもあり少々辟易してしまった。 また程普目線なので、劉備は不義理者の毒蛙。諸葛亮も兵士の命をなんとも思わない冷酷な策士となっていている。ここ近年だされた三国志ものは蜀側の人間を辛く書く傾向があり、本書もその流れにのっているようだ。 主人公は長年組織の上部にいて、増長の虫がうずき若くて有能な人材に嫉妬し、かえって有害な人物になってしまったり、中年になって若い外人の嫁をもらったり、はたまた家族喧嘩を繰り広げるなど、現代社会にもありがちな話もあって楽しく読めた。 乱世の中、仕官先、友人 家族に恵まれ天寿を全うした程普。 三国志の中でも屈指の幸せ者だろう。 次回作も期待したい。
関連する文学賞
- 吉川英治文学新人賞 第33回(2012年) ・候補