日本の文学賞

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焔火

小説現代長編新人賞

焔火

吉村龍一

昭和初期の東北の寒村を逃げ出した男が、差別や暴力に翻弄されながら生き延びる姿を描く長編。

昭和初期東北逃亡差別

作品情報

第7回小説現代長編新人賞受賞作。自然の厳しさと人間の残酷さを重ねた、吉村龍一のデビュー長編。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2012-01-01
ページ数
212ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062174602
ISBN-10
406217460X
価格
2291 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

昭和初期の東北の寒村で貧しい狸とりの息子として、侘しい暮らしを送る男。肺病の家系にあり、村八分にされている。そんな彼の唯一の心の慰めは、おミツという村の女だった。盗人の家に生まれ、差別さて続けたおミツと男は強く惹かれあう。しかし、あるとき村長の息子たちに捕らえられ、おミツは殺され、男は村長の息子等を殺して、命からがら川に飛び込み、生まれた村を離れる。逃亡生活の中で男は山の民、川の民、盲目の遊女、破戒僧らと出会う。自然の中でつかの間の幸せを味わう男に、ひたひたと迫る追っ手の魔の手。彼の運命はいかに。

レビュー

  • 一気に読めます

    読んで10分もたたないうちに、あまりの苦しさにこの先読み続けるかを迷うほどでたが、その先にまつ壮絶な物語を読み終わった時には最後まで読んでよかったと心から思いました。この作者の本は初めて読みましたが他の本も読んでみたいと思います。

  • 鮮やかな自然描写と、物語の展開の切れ味に一気に読める本!!

    冒頭の出だしに、好き嫌いがハッキリするかも知れないが、その奥底に流れるものはピュアであり、エネルギッシュであり、上辺だけでない人間の魂の美しさがしっかり存在する。 凝縮された物語に、久し振りに読書に没頭できた作品だった。 どちらかと言えば重いストーリーだが、一気に読めるのは作者の筆力によるものだろう。 今の時代に、生きる力を与えてくれる本である。 生ぬるい現代に、忘れてしまった何かを、忘れてはいけない何かを、 もう一度考えるキッカケにもなる。 ああ、何度も読み返し、手放すことができなくなりそうは本に出会ってしまった・・・。

  • 面白い展開で引き込まれました。

    この作者は初めて読みましたが、最初から内容に引き込まれました。とても面白く印象に残る作品だと思いました。

  • 渾身のデビュー作!

    差別に苦しむ少年が、自分が生き抜くために戦い続ける。 自分の運命を呪いながらも懸命に生きようとする姿が描かれている。 この物語では、非情な残酷さも、命を輝かせるための必要な要素である。 現代の日本では目を背けがちな、差別や人の死に真っ向から対峙しようとしている。 「生きるということは、こういうことだ!」と強い意志を顔面に叩きつけられたようだ。 戦闘シーンも臨場感があり、その迫力に圧倒された。 物語の中に流れている作者の自然や神仏に対する深い信仰心が感じられた。

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