日本の文学賞

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玉兎の望

小説現代長編新人賞

玉兎の望

西田耕二

琵琶湖の湖北・国友村で、鉄砲鍛冶の藤兵衛が火を使わない鉄砲「気砲」の完成を目指す歴史長編。

江戸時代鉄砲鍛冶ものづくり郷土史

作品情報

第7回小説現代長編新人賞受賞作。応募時タイトル「指月の筒」から『玉兎の望』へ改題して刊行された。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2012-11-09
ページ数
284ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062181020
ISBN-10
4062181029
カテゴリ
本/文学・評論

鉄砲鍛冶の藤兵衛が暮らす琵琶湖の湖北、国友村。怠惰な年寄方と貧しさに喘ぐ平鍛冶衆の不和が江戸にまで聞こえるほどになり、幕府の発注も止められかねなくなっていた。危機感を募らせた藤兵衛は、ある秘策を思いつく――のちに一貫斎の号を賜り、日本で初めて火を使わない鉄砲「気砲」を作った名鍛冶師、国友藤兵衛の、一途な人生を描く傑作長編。小説現代長編新人賞受賞作。朝日時代小説大賞も受賞した大型新人のデビュー作!

1955年1月16日富山県生まれ。東京造形大学卒業。広告制作会社や広告代理店勤務を経て広告制作会社を設立。その後、会社を解散し、執筆に専念。2012年本作で第7回小説現代長編新人賞、「無名の虎」で第4回朝日時代小説大賞をそれぞれ受賞。時代小説界の大型新人として期待を集めている。

レビュー

  • 真正直な鍛冶師の生き様に涙…。

    日本で始めて火を用いない気泡を作った伝説の鍛冶師・藤兵衛の 半生を綴った長編の伝記です。 働いても働いても年寄り四家に金を詐取され貧困に喘ぎ、 好きな人の身売りさえも止められず前半の藤兵衛の苦労は 並大抵ではありませんがその才気と能力もまた桁外れで 藤兵衛はどんどん出世していきます。 詐取していた年寄り四家が没落する様子は小気味が良かったです。 身売りをされたおサヨの見受けも芸妓になった身の上では 藤兵衛の手にしたはした金ではままならずかわいそうになりました。 ノンストップで頁をめくる手が止まらず一日で読みました。 久々に感動の伝記ものに出会えました。 著者の今後に期待します!!

  • 気迫のこもった新人賞受賞作

    我国初の気泡を作った国友村の鉄砲鍛冶・藤兵衛の一代記として、大変興味深く読んだ。新人賞に挑戦する作品らしく、行き届いた資料調べと気迫のこもった筆致には好感を持つ。 ただ小説的には、村を支配する年寄四家の没落で溜飲を下げ、身売りされた恋人を藤兵衛を認める藩主が身請する等、史実に基づかない都合のよい展開が気になった。また、前半の試練を乗り越える苦難の展開の読み応えに比べて、後半はトントン拍子で歴史的事実が語られるにとどまり、物語としては、やや精彩を欠いているように思われた。 書き始めの意欲を持続することはプロでも難しいので、そのあたりを克服すれば、この作者は今後ますます期待できる歴史小説の書き手になられると思う。期待したい。

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