日本の文学賞

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ナイト&シャドウ

山田風太郎賞

ナイト&シャドウ

柳広司

『ナイト&シャドウ』は、柳広司による小説の受賞作である。受賞記録と公開書誌をもとに、人物の選択、記憶、時代や社会との関係を描く作品として整理できる。

受賞作記憶人間関係社会葛藤

作品情報

『ナイト&シャドウ』は、受賞作としての輪郭を通じて、人と時代の関係を見つめる作品である。

柳広司の『ナイト&シャドウ』は、小説として記録されている受賞作である。単行本または収録書の書誌情報を確認し、識別子を記録した。作品紹介では、物語や詩歌が扱う関係性、記憶、時代感覚を中心に、公開情報から確認できる範囲で整理している。

レビュー要約

  • 題材の切り取り方と人物描写を評価する声がある一方、静かな展開や重い主題をじっくり読む作品として受け止められている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2014-07-09
ページ数
309ページ
言語
日本語
サイズ
19 x 14 x 2.4 cm
ISBN-13
9784062190503
ISBN-10
4062190508
価格
311 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

人を守るとはどういうことなのか? 知力、体力、先読み能力。すべてが一級のエリートSP・首藤武則(しゅとうたけのり)は、合衆国シークレットサービスで“異例の研修”を受けることに。初日、銃規制を求めるデモに遭遇した首藤は、突如暴れ出した男を瞬く間に制圧し、人質の少女を助ける。しかしその現場には、大統領暗殺計画を示唆する二枚の写真が残されていた。

一九六七年、三重県生まれ。二○○一年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で朝日新人文学賞受賞。○九年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門を受賞。同年刊行の『ダブル・ジョーカー』は、『ジョーカー・ゲーム』に続き二年連続で「このミステリーがすごい!」の二位に選ばれる。近著に『ロマンス』『怪談』『パラダイス・ロスト』『楽園の蝶』などがある。

レビュー

  • 作品に深みがなく現実感に乏しくないか

    日本の超優秀なSPが米国に研修に来て、大統領暗殺事件に巻き込まれる。小さなどんでん返しが何度か繰り返され、最後はこのSPが 中心になって事件解決に至るというストーリー。しかし、どうも作品自身に深みがない。余りにも、この日本人SPが完璧過ぎて、ストーリーや謎解き で読ませるという作品になっていないことに大きな違和感を感じてしまう。もともと日本人SPが米国を舞台にして大活躍することに、現実感が 伴わない。この設定が日本で、登場人物も日本人ばかりで人物描写にも深みを加える方が作品としては良質になったのではないか。柳広司の 作品は、「ジョーカー・ゲーム」と「ダブル・ジョーカー」を読んだが、こういった短編集の方がキレがあるように思えてならない。

  • 良質のエンターテイメント

    約300ページの長編ですが、一気に読むことができました。 幅広い作風で知られる柳さんですが、これは系譜的には「ジョーカー・ゲーム」「キング&クイーン」などと同じ、よりエンターテイメントの要素の強い作品であると思います。もちろんただのライトノベルなどではなく、柳さん独特のひねりの効いたユーモアが随所に挿入されており、にやりとさせられることもしばしば。 最期の1文には、ぞくりとさせられます。

  • 残念です

    惜しい… 日本の超優秀警察官が米国でシークレットサービスと組んで闘う 米国大統領と日本の首相を爆弾魔が狙う… いい素材とプロットだと思いました ところが、致命的に納得感無し… ストーリー凝り過ぎで ヒトの気持ちを軽視していると思いました 残念です

  • アメリカの陰謀

    2014年に出た単行本の文庫化。 とある理由から2001年のアメリカが舞台となっている。 警視庁からアメリカのシークレット・サービスに派遣された警護官が主人公。 ふとしたことから大統領暗殺計画に巻き込まれていくのだが、謎が謎を呼び、というストーリーだ。柳作品らしいつくりこみが楽しく、またトリッキーな展開に思わず引き込まれる。 そして犯人も真相も意外。すっかりだまされてしまった。

  • ファンとしては・・・

    深く考えずにサラリと読めば、それなりに面白く興味深い内容なのですが、この作家のファンとしては「えっ?どうして・・」「やっちまったか・・」みたいな複雑な思いがありました。 柳広司の文章の魅力は、最近流行りのいかにも映像的なカットバック方式を多様をしないこと、「ドアを開けるとそこには思いもよらない人物が立っていた」なんて描いておいて、そこから全然違うシーンに飛ぶような描き方をしないで、一つのシーンをきちんと切りのいいところまで描き切ってくれるところでした。だから興味が持続して面白く読めるし、そういうきちんとした描き方がすごく好きだったのに、この作品はほかにも沢山あるミステリーと同様、思わせぶりなカットバック方式が出てきてしまっていました。 それだけでなく、「彼は・・・」と始まる記述で、その「彼」は実は読者が思っていた「彼」ではなかったという、いかにも翻訳物によくある思わせぶりな描き方、正直、文章についてはがっかりしました。 内容的には前述したとおり興味深い点も多々あるのですが、何だか終わりが尻切れトンボ・・・本来、もっと長編になる作品のような気もしました。「ロマンス」と同様、作者が描きたいことを描き切っていないような、続編(シリーズ)があるのかな?と思わせるような読後でした。

  • 面白かったです!おススメ!

    あっという間に読了。楽しかったです。 首藤とバーンのコンビもよかったし、かっこよかったです。脇役たちも、柳さんらしく、個性豊かで、楽しめました。 本作も含め、柳さんの小説にはいつも、思想信条、性格が全く異なる、複数の人物が登場します。その人たちが、様々な体験をし、衝突したり、和解したり、冗談を言い合ったり。そこが読みたくて、いつも手に取ってしまう作家さんです。 今回も、小説というメディアの持ち味満点の面白さを感じることができ、しかも肩ひじ張らずに楽しめました! おススメです!!

  • 読んでいて恥ずかしくなる駄作

    出版社が無理強いして、昔書き溜めた原稿を出させたのか? ヒロインは取って付けたような登場、映画で観たことあるようなステレオタイプな相棒。真犯人は最後に付け足しして、前の章に伏線を挿入。知識的に目新しさもなく、残念。最後まで読んで後悔。

  • 設定をアメリカにしたのが裏目に出たかも知れない。しかも首都ワシントンって詳しく説明しないと知らない人のほうが多い。それなりに読み応えはあるのに。

    「つまらない」「薄味」「物足りない」「深みがない」というのが多くのレビュー。著者のこれまでの作品(戦前の特務機関がテーマだと)の陰影の濃い主人公は魅力的なのだが本作品ではその辺りに瑕疵があったのではないか。登場の主人公首藤武紀は警視庁SPなのだが。時代背景は猿顔のGWB大統領、そしてHow are you?も言えないYM首相の頃。9.11はまだの日々。 37もの章立てのなかで早くも3番目で「犯人」の一人が登場。7で脅迫電話、10で別の「犯人」、15、19でも「犯人」が描かれるが、その一人の名前は20で明かされる。その間にワシントンの地形や道路や建物の案内(ケネディ芸術センターとナショナル・シアターの違いも)をしないと話が進まない。首藤が派遣された米国財務省秘密検察局ことシークレット・サービスの起源や歴史も解説しないと。 主犯はここで明かさないのがお約束だが、その設定にいささか無理があるだろう。ここも裏目かも。 続編を期待させるのは最後の一行である。

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