日本の文学賞

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QED 百人一首の呪 (講談社文庫 た 88-1)

メフィスト賞

QED 百人一首の呪 (講談社文庫 た 88-1)

高田崇史

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2002-10-16
ページ数
520ページ
言語
日本語
サイズ
10.8 x 2 x 14.8 cm
ISBN-13
9784062736077
ISBN-10
4062736071
価格
902 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

百人一首に仕組まれた美しき謎とは!? 大人気シリーズの原点、第9回メフィスト賞受賞、待望の文庫化! 百人一首カルタのコレクターとして有名な、会社社長・真榊大陸(まさかきだいろく)が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて……。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?

レビュー

  • 面白かった

    藤原定家の百人一首と百人秀歌を、曼荼羅に落とし込み、事件と表裏一体とした物語。桑原祟が謎を解き、奈々という助手(助手というには頼りないかもしれないが)が彼の閃きを支えた。百人一首は不吉らしい。難しかった。祟は漢方の薬剤師、奈々は普通の薬剤師。死んだ大陸(人)が幽霊を見たのは身近にある食べ物の相性のバランスだった。そこがなんとも薬剤師くさい名推理。事件のキーとなる里子は認識の面において、順番がごっちゃになってしまう障害を抱えていた。犯人の皓明は自らの母を捨てた大陸への恨みにより殺害した。陰陽の話も面白かった

  • 百人一首の謎に驚く

    知り合いの紹介で読み始めたQEDシリーズ。たぶん読み始めて3冊目くらいの本だが、本来は作家のデビュー作品である。 百人一首をマンダラに並べて謎を解明する。その知力と蘊蓄には賞賛したい。 この作家のQEDシリーズは片っ端に呼んでいる最中だが、殺人事件の内容よりは、作家の蘊蓄を楽しむ作品だろう。QEDシリーズを読んで衝動にかられ、私も熊野を再訪し、神社巡りした。主人公の祟のこだわるコース通りには、参拝できなかったが、十分に熊野を堪能できた。 他のシリーズにもコメントするつもりだが、ワンパターン化された内容でも、あきはこない。 だが、小説を楽しみたい方や、推理を楽しみたい方には、お薦めしない。

  • 百人一首の配置については意欲的だが

    織田正吉氏が提唱した、 ”百人一首の札はそれぞれの語句の結びつきを重視して選ばれている” (『絢爛たる暗号―百人一首の謎を解く (集英社文庫) 』 および『百人一首の謎 (講談社現代新書)』参照) という画期的なアイデアに対し、 後継者が様々なアイデアを披露してきたが、 100 = 10x10 にこだわるあまり無理な理由づけで無理がある配置を提示し、 織田正吉氏を超えられないでいた (織田正吉氏は 19x19 の配置を提案し、余白がある分、接続に余裕がある)。 著者は新たなアイデアを提示し、 それが世間に受け入れやすいように ミステリー仕立ての小説を作り上げた。 なので、ミステリーに無理があるのを指摘するのは的を射ない。 百人一首配置の新提案が本書の骨子である。 織田正吉氏は百人一首と百人秀歌の双方、計104首を 全て一つに並べてしまっている。 それは百人一首と百人秀歌がぞれぞれ別に存在する、という事実に背く。 そこで、著者は百人一首の配置と百人秀歌の配置をそれぞれ提示し、 それを密教の曼荼羅、金剛界と胎蔵界(本来は胎蔵生曼荼羅というべき) の二つになぞらえた。 配置に空白がある分、接続に無理がなく、非常に理解しやすい配置を実現した。 本書の中盤で示した接続とは異なるものが完成形として示されているが、 それは最終形の配置に対して、 他の可能性も検討できることを示唆しているのかもしれない。 その新規性に対しては高く評価したいが、 百人一首を元にした胎蔵界曼荼羅では 中央、大日如来にあたる位置には後鳥羽上皇を据えるべきだろう。 それなのにそこに式子内親王を据えるのでは 後鳥羽上皇の鎮魂という最も大切な目的を果たせない。 後鳥羽上皇を据えた下段中央、虚空蔵菩薩は その院の主尊とはいえ、大日如来には及ばない。 金剛界曼荼羅についても同様で、 せっかく百人秀歌を並べるのであれば、 百人一首と異なる四首を四隅に配置することに拘泥するのではもったいない。 たとえば、源俊頼の百人一首とは異なる首、 山桜 咲きそめしより 久方の 雲居に見ゆる 滝の白糸 を、法性寺入道前関白太政大臣の わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波 とだけ結びつけるのではもったいな過ぎる。 久方の,滝,山桜,咲く、は全て他の首と連結可能である (実際、織田正吉氏はきちんとその四首とつながる位置に置いている)。 他の首の配置についても さらなる工夫が可能であると考えられる。 全体的に、提案は面白いものの、詰めの甘さが感じられた。 ただ、提案の新規性は類を見ないものであり、 さらなる改良を見てみたいと思った。

  • 素晴らしいです!

    面白かったです。なぜ藤原定家が、数あまたある和歌の中であの百人一首を選んだのか、を小説の中で考察しています。殺人事件そのものよりも、百人一首のウンチクの方が面白いくらいでした。藤原定家に関する新たな文献が発掘されない限り、学術的に真偽を解明することは不可能ですが、筆者の提唱する曼荼羅説は、とても説得力があるように思います。藤原定家が残してくれた壮大な謎かけに触れる事ができました。 ただ、記憶力が優れている里子のサバン症候群については、もう少し工夫が必要です。サバン症候群は自閉症の極端な例であり、自閉症特有のコミュニケーション障害やこだわりを伴っているはずです。作品の中の里子は、気遣いができて普通の感性を持つ定型発達の女性であり、サバン症候群を当てはめるには人物像に無理があるように思います。とはいえ、脳科学にも造詣の深い筆者の博識ぶりには驚きました。とても面白く勉強になる作品でした。

  • 百人一首の歴史や背景を理解していれば更に面白い

    謎解きは面白いし、世界観も好き。

  • 著者の発想と労力に賛辞を送りたい

    薬剤師の棚旗奈々は、先輩の代理で出席した研修会で、桑原崇、アダ名はタタルに出会う。桑原の行きつけのバーに飲みに行き、ジャーナリストの小松崎良平がやってくる。小松崎は最近あった殺人事件の詳細を語る。これが発端となり、奈々は推理のうずに巻き込まれていくのだった…主人公が薬剤師というのは珍しいと思ったら、作者の高田崇史さんが薬剤師免許保持者だった。百人一首の謎と、殺人事件の謎解きが同時進行していく。殺人事件のほうは、出生の秘密や、ある人物の記憶の欠点などで解決した。百人一首をあの並び方に配置した作者の発想と労力に感心します。まだシリーズは続いているようです。日本史ミステリーが好きな方むき。

  • 百人一首パズル

    延々と百人一首の歌を繋げるパズルを披露し続けている。小説として面白くない。

  • 毎年年始に読み返そう

    シリーズの第一巻にして、原点。「百人一首」成立の謎と秘められた謎。そして現代に発生した殺人事件とのつながりとは…?!

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