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コロージョンの夏 (講談社BOX)

講談社BOX新人賞

コロージョンの夏 (講談社BOX)

新沢克海

『コロージョンの夏』は、新沢克海によるライトノベル作品。青春と非日常を軸に、キャラクター小説を重ねながら、受賞作としての個性を示している。

青春と非日常キャラクター小説ライトノベル

作品情報

『コロージョンの夏』は、新沢克海の受賞歴を語るうえで重要なライトノベル作品。

『コロージョンの夏』は、新沢克海によるライトノベル作品。青春と非日常を軸に、キャラクター小説を重ねながら、受賞作としての個性を示している。 書誌識別子は図書として確認できる範囲で補完した。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2010-11-02
ページ数
356ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062837460
ISBN-10
4062837463
価格
48 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

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レビュー

  • 現実の否定と肯定を巡る思想闘争

    フツーに面白かった! 西尾○新氏の影響が濃いとの感想をよく見るが、確かに、世界観は戯○シリーズのスケールダウン版っぽいし、主人公の狂言回し的なクールかつ物好きなキャラ立ちは前述のシリーズにそっくり。主人公の取り巻きキャラクターも、アンリアルなテンプレラノベキャラ的言動をなぞっている。 とはいえ、どうやらこの小説のメインはそこではないようだ。 作中に登場するなんとなく太宰治っぽいイメージのキャラと、三島由紀夫っぽいイメージがあるキャラの思想的な対立、また、太宰チックキャラのカノジョが吐露する人生への虚無感、健全すぎるゆえの弱点を抱えるヒロイン、主人公の取り巻きキャラが体現する変革と保守と日常生活、不可解な目的を持って世界を暗躍する蜂男… 現実を前に葛藤する人の頭によぎる様々な思いが、それぞれのキャラクターに託され、それゆえにキャラクターたちは主人公を取り巻いて己のポジションを固持している。主人公はその間を葛藤さながら、さまよっている。 ゆえにこれは、目前の現実に対してどういう態度をとるべきかという思想闘争を描いた小説なのではなかろうか。 なので、あとがきで著者が「キャラクター小説」と書いているが、どのような意味で使っているのかちょっと疑問があったりもする。 あと、これは新人賞の受賞作らしいけど、本当なの?この巻は、壮大なプロローグって感じなんですけど…続編がないと主人公が何もしないまま、雨降る森の中で走っただけで終わっちゃうことになるし…どう見ても続編を考えてるよね。 なんとなく仕込み企画くさい…ま、気のせいですね。

  • 「作者のやりたいこと」と「やっていること」との解離性がある作品

    同郷の新人作家のデビュー作、しかもやたら座談会でホメちぎられての鮮烈なデビュー。個人的にすごく期待していました。・・・でも実際は。 まずタイトルの通り、「作者がやりたいこと」と「実際にやっていること」の解離性について。作者は後書きでキャラクター小説を書きたい、キャラクターが愛されればいい、といったようなことを書いていたと思います。(読んだのはだいぶ前なのでうろ覚えですが・・・)が実際は酷く薄っぺらい、リアリティのないキャラクタが大半で、とてもキャラクターが魅力的だとは思えませんでした。そんなキャラクタたちが、明らかに西尾維新に影響を受けたと思われる軽妙なノリwの掛け合いを延々とするわけです。正直キツイ。すごく無理をしているように感じました。 さらに問題なのが、1章のように、先輩と先輩の彼女が出てくる場面では、西尾維新のようなノリで掛け合いをしていた主人公とは別人と思えるほど、シニカルでアンニュイなフンイキの会話が多くw言ってしまえば、村上春樹の作品の影響を強く受けているように感じます。ここでも大きな解離性、西尾維新ノリの掛け合いと村上春樹ノリの会話がうまく噛み合ってなく、すごく不自然に浮いている。水と油のごとく、です。それを見ると、私なんかは二つの作品の影響を受けすぎてしまった新人さんの痛い作品にしか見えなくなってしまうわけです。最後まで読むのが辛かったのが正直な感想です。イラストは良いと思います。変な箱に入れて単価を上げる出版社の売り方も気に食わんですね。

  • 未熟なままの作品

    何か未完成の作品を読ませられた気がする。 西尾維新にも通じる作者の中でのみ完結している独特な世界観を持つ作品。従って物語の展開や設定はかなり自己(作者の)中心的。しかし西尾維新には遠く及ばず、空回り感が強い。地の文より会話で話を進めるのは、効果を狙ってと言うより小説の書き手としての未熟さをカバーする為と言う感じで、意味ありげな会話にしても入間人間や西尾維新程には楽しめず、又、荒唐無稽な展開にしても西尾維新や日日日程には楽しめない。つまりは作品としての弱点、いや欠点が多過ぎる。欠点をそのまま修復しようともせず発表してしまったから未完成品の様な気がするのだろう。 シリーズ二作目が近々出るそうだから、そちらを読んでみない事には、この作者の作品を読み続けるかどうか決められない。

  • 西尾×村上=新沢克海……?

    革命家の父親がいる以外、自称普通の高校二年生、真上草太郎は一年前に「とある事件」に遭遇していたが、特別大活躍することなく、自らの変わらぬ日常を「保守」することにしていた。 そんな夏のある日、彼は酔っぱらった大学生の話を聞き、彼に水を与え、知己を得る。 そして一年前の「蜂の羽音」を響かせながら、暑く濁った「腐食の夏」が、彼らを迎えようとしていた―― そんなような筋だが、女の子とのやり取りでは西尾維新を思わせる冗長さがある。一部の趣味の人にしか受けない年代ネタだったり、下ネタだったりが多い。そして対人における真面目な会話では村上春樹を思わす、すっとぼけとユーモアの合いの子のような、反復の応答が目立つ。自問する箇所では細部の行動を拡大して描写し、思念に移るようなセンテンスが見受けられる。人によってはこの取り合わせに違和感を覚えてもおかしくないだろう。というか、この二つを同じ皿に載せる必然性があるのか? と首を傾げたくもなろう。 しかし、この主人公は暗にこの世界を……もっと言うならばこの小説が持ち得る指向性というものを、潜在的に何度もしつこく言及し、表明しているのである。 つまり「偉大なる革命家を父に持ち、その「マガミ」の血脈をめぐり、ヒロインたちが、あるいはなにがしかの勢力が、彼にヒーローとなることを、世界に革新をもたらす存在になることを求めてくる/強要してくる……にも拘らず、彼はそれをはねつけ「日常」を選ぼうとする」という、そんな構造の小説なのである。 そしてこの構造をさながらあぶり出しの如く薄く縁取るのが各章のインタールードだ。例えば映画監督の「セカイ系」アニメ、「日常系」漫画への言及であったり、蜂王寺家・鴉堂院家の会談の様子であったり、デスメタル・バンドのアルバム・レビューなどであったり。単なるトピックのような体裁で挿入される断章は、気付く読者にはある種のメッセージを伝えようとしている。さて、それはなんなのか? 二つの可能性の内の方を「日常」を選ぼうとする主人公の姿……ではないだろうか。 と、ここまではかなり褒めているように見えるかもしれないが、しかしこれは作者、ひいては作る側が、作られた側にコミットする上での思い入れのようなものだと思う。あとがきで「キャラクター小説」であることを言及している以上、自覚的に行った試みであろうが、如何せん意図が伝わらないことには果たして、と思う。 個人的には星4つ、人に薦めるであれば星3つの作品だと感じた。

  • 革命と日常

    革命と日常。システムと逸脱。対立項が明確な作品。 日常が腐食していく夏の物語だが、腐食というおどろおどろしさも、熱気も感じられない。 ここにあるのはただ湿度の低い気だるい感覚だった。なんとなく生暖かい夏の夕方っぽい印象。 エンタメとしての熱量が少ないという欠点はあるけど、好きな作品だった。作者とも重ねてしまう、登場人物の文化で革命を夢見るという、その心意気が。

  • 作品としての昇華の欠如

    自分自身の中でこの作品に対する評価は実に難しい位置にある。 そのストーリーや設定の作り込みは確かに目を見張るものがあるし、実際、かなり尖っていた。 個性と言う点では申し分なく、恐らくは嵌る人はトコトンまで嵌り尽くす事間違いないであろう。 特に章と章の間に挟まれる挿話には作者の趣味・嗜好が多分に現れており、個人的にはソコに一番独自性と光るモノを感じた。 たがしかし、この作品には何かが欠けている。この作品を読み終えた後、私の中にはそんな何かが浮かび、そしてようやくそれに結論が下された。 それはエンターテインメント性の欠如である。 この作品は良くも悪くも個性に特出しており、それの善し悪しを語る意味も必要も無いのでここでは言及しないが、しかしその個性が非常に閉じている。 有り体に言って、エンターテインメントとして昇華出来ていない。 それはストーリーに反して余りにも影と個性の薄い登場人物にも、見方を変えれば如実に現れてはいないだろうか。 まあこれは、この講談社BOX新人賞の構造的欠陥が生み出したコトとも言えなくもないが。 講談社BOXの公式座談会を見てもそれは明らかです。 なので、それ故に作者には二作目以降にこそ期待したい。 この作品を一気に読むと、書きながら作者が明らかに成長して行っている事が良く分かるからでも、それはあるが。 以上が私のこの作品に対する感想でした。

  • 期待していただけに

    座談会や化物語に挟まれていたちらし(?)を読んで期待していただけに、ちょっと残念でした 設定や展開は作者独自のものがはっきりと現れていて非常に良かったと思うですが、反面、その世界で生きる人々があまりにも機械的過ぎると言うか、感情を感じ取ることができませんでした なぜそんな行動をとるのか、なぜそんな台詞に繋がるのか、なぜこの人とあの人は繋がっているのか、というところに説得力が欲しかったです もちろん、そういう繋がりを生む設定はあるのですが、いまいちピンときませんでした そのため、のめり込んで読む、というところまで行きませんでした

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