書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2015-08-12
- ページ数
- 448ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.8 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784062931687
- ISBN-10
- 4062931680
- 価格
- 48 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
関東の地方都市で起きた連続猟奇殺人事件。ルイス・キャロルの詩に関連して、ネットの住人から「ブージャム」と英雄視された犯人は、6人を殺害した後、死刑が執行された。事件から14年後。突如として同じ手口の犯行が始まった。小指を切り取られた女性の惨殺体。「ブージャム」を名乗る血塗られた落書き。かつての被害者、南條信の双子の弟、南條仁のもとへ「襲名犯」からのメッセージが届けられる…。 関東の地方都市で起きた連続猟奇殺人事件。ルイス・キャロルの詩を下敷きにしたかのような犯行から「ブージャム」と呼ばれた犯人は、6人を殺害した後、逮捕される。容姿端麗、取り調べにも多くを語らず、彼を英雄視する熱狂的な信奉者も生まれるが、ついに死刑が執行された。そしていま、第二の事件が始まる。小指を切り取られた女性の惨殺体。「ブージャム」を名乗る血塗られた落書き。14年前の最後の被害者、南條信の双子の弟、南條仁のもとへ「襲名犯」からのメッセージが届けられる……。
1980年茨城県生まれ。二松学舎大学文学部卒業後、東洋大学大学院で文学を専攻。図書館で司書として働くかたわら、小説執筆をつづける。 2013年、本作にて第59回江戸川乱歩賞を受賞。 2014年『レミングスの夏』を発表。
レビュー
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文章が難解でナルシスティックな印象も受けるが、骨太のストーリーである。Titain`s Moonの部分にはすごいと思った。
数多くの乱歩賞受賞作というのは(個人的には、ほとんどの作品があまり面白いとは思わない)、記憶に残らない。池井戸潤の受賞作”果つる底なき”さえ、いまいち面白くなかったし、記憶に残らない。記憶に残っているとすると、最初の殺人が蜂に刺されて殺されたということぐらいである。しかし、その後の池井戸氏の活躍は周知のとおりである。 この作品、襲名犯、は多少の批判はあるだろうが、記憶に残る推理小説だと思う。おそらくTitain`s Moonという英語から、新田、霜野という登場人物、二人のプージャムといわれる人物の名前を設定することからこの小説は始まったと想像する。エピローグにでてくる月の話は後付けだとしても。一読の価値はあると思う。 ”ただし、容疑者が簡単に二人に絞れます。そして、推理小説に慣れた人なら、簡単に犯人が特定できます。そういった意味では、推理小説として、少々残念と言わざるを得ません。”などとおっしゃっている方もいらっしゃるようですが、本質的に推理小説はそのようなものである。しかし、そのような展開で、いかに読者をとらえるかどうかが作者の腕の見せ所である、ということをご理解されていないようである。こんなことをいう人は、もっと推理小説を読んでから言ってほしい。
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For the snark was a boojum, you see.
ありがとうございます。 素晴らしい!! セんター おールど 届きました。 このはんばいさき、どうかしてるぜ レビューはここから、 ぼくもBoojum そのものだ
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いやいや複雑というか混乱というか
読みながらいろいろな疑問が湧き出てくる作品だった。 「これは誰がしゃべっているの? この人誰だっけ? 今どこにいるんだっけ?」 そんなこんなで、話の筋を追いかけるので手いっぱい。 読み終えるのに苦労したあげく、読み終えても、なんでこうなったのかわけわからない。 整理がつかないままの読書はくたびれました。
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連続猟奇殺人を軸にした、B級ホラーものでそれなりに面白い
よく調べて思いを込めて練り上げた「連続猟奇殺人を柱にしたB級ホラーもの」。中々面白いが、大人には物足りません。書ける作家さんには間違い有りませんが、もう少し世の中を学んで頂、描ける作家さんになってください。
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言われるほど酷くない
Amazonレビューが悲惨だったので、あまり期待せずに読んだ。おかげで他の方たちよりは楽しめたように思う。 どうしても江戸川乱歩賞受賞作となると、読者側のハードルが高くなりすぎてしまうので、ちょっと可哀想かなと思う。しかも巻末の選評もボロボロなので、二重に作者が不憫。 確かにブージャムのカリスマ性は伝わらないし、犯人も途中で分かってしまう。凄惨な殺人の割りには生理的な嫌悪感が湧き起こらないし、ゾクゾクする恐怖感も感じない。当然、改善の余地はあるのだろうけれど、筋立ては魅力的だったし、何とも寂しげな地方都市の暗鬱な感じは出ていて、つまらないと感じることは無かった。今後への期待も込めて☆4つ。
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構想力に脱帽
小説や物語などの文学作品に求めるものは人それぞれでしょうが、自分は構成の妙を感じさせてくれる作品が好きです。その点で、本作は総体として★5の価値があると感じました。 登場人物の会話が軽妙で、無駄を省いた文体も手伝ってぐいぐい読まされます。実はAmazonで注文したのですがまだ届いておりません。昨日本屋で見かけて立ち読みをはじめたところやめることができず、最後まで一気に読んでしまいました(本屋さんごめんなさい)! でもキャンセルはせずに、到着したら再読を楽しみたいと思います。 場面によって表現に多少ムラがあるかな? とも感じましたが、それはさすがに求めすぎでしょうか。ともあれ、殺人の場面には背筋がぞくっとする迫力がありましたし、日常の場面には頬がゆるむユーモラスさも感じました。全体としてメリハリがきいています。それだけに事件の真相にははっとさせられ、その後の顛末にはほっとしました。猟奇殺人を扱っているにもかかわらず、「人」全般に対する深い愛を感じる筆力があります。 私は最近あまり小説が読めていないので最近のミステリーの動向がわからないのですが、さしあたって過去の乱歩賞の作品と比べた際に上位に入るお気に入りになりました。作者はこれがデビュー作とのこと。この出版不況の折に、長編で力のある新人が出てきてうれしいです。いかなる娯楽もハードルを上げればケチのつけようはあるでしょうが、それでもミステリー好きなら、今後の作者の進化と伸展を追うためにも早めに一読しておく価値のある良作だと思います。 (8月31日追記) 再読後の感想を少しだけ。 ミステリーの弱みは、とくに本格ミステリーであればあるほど、犯人を隠さなければならないために、犯人の人格や性格、犯行にいたる心理を十全には描ききれない点、多くの場合、後付けの説明に終始してしまう点にあると思います。それを覆すためにいわゆる「倒叙」タイプのミステリーが生まれたわけですが、それでもやっぱり説明的にならざるをえないところがあるように思います。 本作の面白さは一代目の犯罪者の犯行がすでに行われ、裁きも終わっている点。故に一代目の半生、人格を描くことができています。これは作品の構造として、本作の優れた点の一つだと思います。それでは二代目は? 一代目を本当に理解し、「襲名」したのでしょうか。「襲名」できたのであれば、描かれている一代目の人生までも背負えているはず。さて……? 一読したときは「構想力」と記しましたが、再読してみてより良かったのは作品の構造だなと感じています。 末筆ながら、選評を結構気にされている方が多いようですが、乱歩賞の選評は必ずしも読書の参考のために供されているのではなく、次回以降の投稿作へのメッセージという性格が強いように思います(その点、複数作売り物にするこのミスとは意味が違います)。そして、私は個々人の読書体験と選評・書評の類は別物だと思います。私のレビューで読む気をなくす必要がないのと同じレベルで、選評を重視する必要はないのではないかと。ちょっとここの低評価は勿体ない気がしますね。
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ミステリーとは言えないほどヒドイ!!
今回はちょっと期待していただけに、 読後とても残念な気持ちになりました。 まず、読んでいてどの人物にも感情移入が出来ません。 物語も単調で、場面転換も粗く、なんでこの場面にと思い、 前後のページを何度も確認する始末。 動機の分からない連続殺人が街で起きているにも関わらず、警察及び、登場人物の描写、行動からは切迫感や恐怖は微塵も感じられません。 警察関係の記述でも疑問に思える箇所が・・・。読んでいて違和感を覚えます。 そもそも、なぜ襲名したのでしょうか? 襲名するほどプージャムこと、殺人鬼・新田秀哉に魅力がありません。 プージャムの魅力を伝えようとする作者の意思はまったく感じられません。 ミステリーとして、読者を惹きつける力もなければ 登場人物の魅力も薄く、結局、この作者は読者をどうしたいのか どう楽しんでもらいたいのか、作者の意図も意思も感じることが出来ません。 読んでいてワクワクすることも、驚きもなくミステリー小説としてかなり欠陥のある作品だと思いました。 過去に江戸川乱歩賞受賞作した『完盗オンサイト』と同じ位 読んでいて怠く理解不能な作品でした。 とてもおすすめは出来ません。時間とお金の無駄でした。
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反面教師として読むべし
選評で石田衣良氏は「最終選考に残った5人のうち唯一の30代という若さ」を、今野敏氏は「読者に何かを伝えたいという思いが一番強かった」点を挙げて授賞に消極的な賛意を示されている。さらに、講談社の専用サイトに載った担当編集者のコメントにはこのように記されている。 「完成度、整合性、読みやすさ、そんなもので新人作家の価値をはかるつもりはありません。作品を読み、強く伝わってくる思い、伝えようとする決意があるか――。そこに尽きます。この作品には、著者の熱意と決意が溢れていました。そして、猟奇殺人モノという不穏な空気をまといつつも、この物語の根底に流れているのは、切なく優しい、人間への温かな目線です。人も死にます。皆が幸せになるわけでもありません。しかし、読み終えた時には、解放感とともに希望を感じることができるはず。それが、著者・竹吉優輔の最大の魅力であり武器であると思っています」 まあ、立場上、こういう表現しかできないんだろうなと、いささかご同情申し上げる。しかし、どれもがビジネスとして割り切るためのエクスキューズとしか思えない。他のマイナーなミステリー新人賞ならいざしらず、天下の乱歩賞で!! 320ページを超える長編だが、隔靴掻痒、最後まで物語世界へ入っていくことができなかった。「思いを伝えようとする決意」も「切なく優しい人間への温かな目線」も感じることができず、読み終えて「解放感とともに希望を感じること」もできなかった。 たとえば、おいおいよしてくれよ、青臭い文学青年の習作じゃないんだから、と思わずつぶやいてしまった次のような表現。 「生を踏みにじり死を形とする行為。それを行なうためには、人間を超越しなければならない」 「この街は、常に雨が降り注いでいる。赤黒く、粘ついた血の雨だ。血は溢れ、ドロドロと川を覆う。うごめく血液は、やがて海にたどり着き、世界を赤に染める」 「達観と若さの間を彷徨うかのようなアンニュイな表情」 さらには、「応える」と「答える」「真っ当」と「全う」などの誤記(校閲担当者は指摘しなかったのだろうか?)も、「髀肉の嘆」などの成句の誤用も逐一鼻白む。 今回は397篇の応募があったそうだが、予選段階で不運にも見逃された秀作がいくつあったのだろうかと考えてしまいました。
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