日本の文学賞

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人間に向いてない

メフィスト賞

人間に向いてない

黒澤いづみ

社会に適応できない主人公が自身の存在に葛藤する内省的物語。

ヒューマンドラマ自己探求

作品情報

社会に適応できない主人公が自身の存在に葛藤する内省的物語。

第57回メフィスト賞受賞作。社会に適応できない主人公が自身の存在に葛藤する内省的物語。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2018-06-14
ページ数
335ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2.3 x 19.5 cm
ISBN-13
9784065117583
ISBN-10
4065117585
価格
1650 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

「今年読んだ本の中で、私のベスト3に入る1冊!」――宮部みゆき(帯コメントより抜粋) 話題騒然の傑作! 続々大重版!! 心を揺さぶる衝撃の家族小説。 「家族という病」に苦しむ、息子、娘、母、父、すべての人に届けたい。 ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人たちばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか? メフィスト賞受賞作!

福岡県出身。本作で第57回メフィスト賞を受賞しデビュー。

レビュー

  • SFとして面白かった

    SFとしてストーリーが面白かったです。 異形になった引きこもりと母という設定が斬新で一気に読みました。 タイトルの人間に向いてない、ですが生きづらさを感じている人向けの内容は少なめです。 母視点なこともあり、後半まで何故息子が引きこもっていたのかよくわかりませんでしたし、異形になる以前の親子関係にはそこまでページが割かれていません。

  • 衝撃的だが深い!異形の愛と葛藤を描く家族の絆

    本書は、家族の絆や親子関係を深く掘り下げた衝撃的な小説。 この作品は、異形性変異症候群という架空の病気を通じて、家族の愛と葛藤を描いている。 この病気は、若者を異形の姿に変えてしまうもので、社会から排除される存在となる。 物語は、異形に変わり果てた息子を持つ母親の視点から進行し、家族の絆や社会の冷酷さを浮き彫りにする。 この小説の魅力は、何と言ってもそのリアリティと感情の深さ。 黒澤いづみは、親子の関係や社会の不寛容さを鋭く描き出し、読者に強い共感を呼び起こす。 特に、親が子供に対して抱く期待や失望、そして無条件の愛が、異形性変異症候群という極端な状況を通じて描かれている。 読者は、親としての立場や子供としての立場から、この物語を多角的に捉えることができる。 黒澤いづみの筆致は非常に緻密で、登場人物の心理描写が細かく描かれている。 特に、引きこもりの息子とその母親の関係は、現代社会の問題を反映しており、多くの読者にとって身近なテーマとなっている。 異形に変わった息子を愛し続ける母親の姿は、読者に深い感動を与える。 この作品は社会的なメッセージも強く含んでいる。 異形性変異症候群という設定を通じて、社会的弱者や生産性のない人々がどのように扱われるかを問いかけている。 政府が異形に変わった人々を法的に死亡と見なすという設定は、社会の冷酷さを象徴している。 このような設定を通じて、黒澤いづみは現代社会の問題点を鋭く指摘している。 本書は、家族の絆や社会の問題を深く考えさせる作品。 黒澤いづみの緻密な筆致と感情の深さが、読者に強い印象を残す。 この小説を通じて、親子の関係や社会の在り方について再考する機会を提供してくれる。 異形性変異症候群という極端な設定を通じて、家族の愛と葛藤を描いたこの作品は、多くの読者にとって心に残る一冊となる。

  • ただの奇妙な話かと思いきや

    見たらいけないものを覗いてみたい欲を絶妙に掻き立てられ続け、もう少し、後もう少し、と結局一気読み。家族親戚が苦手の方には刺さるかも。

  • SFっぽい話だが社会派なところもある

    最初は思わぬ展開でどのような物語が展開されているかが気になった。 引きこもりの息子をもつ家族をテーマにしたお話で、特に親の気持ちにフォーカスした心情描写が描かれていた。 親の期待感とそれを受け止める子供のとらえ方にはギャップがあり、当たり前だが期待しすぎると子供に負担がかかる。 途中で出てくるみずたまの会は結構物語に絡んでおり、もう少しダークな驚く展開を期待していたが、意外とあっさりしていた印象。

  • 変身は武器

    人間に向いてないと思って検索したらでてきたので購入したが、ある意味社会派の内容だった。深いい後味も残った。 結論、人は皆人間に向いてないので変身してハロウィンの渋谷で暴れるしかない。

  • 不思議な読後感

    どういう展開になるのは全然わからなかったけど、不思議と読み終わりの感覚は悪くない。社会的な課題をSFホラー仕立てにした感じ。家族とは、社会とは…

  • サスペンスというよりヒューマンドラマ

    なかなか突飛な設定で、少々気持ち悪い部分もあるけど、読み終わったあとの読後感は悪くないです。一気読みできます。最後の東えりかさんの解説も良かったです。

  • あなたも私も異形ってことで笑

    フェイスブックで紹介している人がいて、ピンときて購入。 読後はもうちょっとフィットするタイトルがあるように感じた。 最初の2ページに難しい言葉が多くて馴染めず、3日ほど放置。 で、数時間前にパソコンの挙動がおかしくなり、再起動の待機時間に再度本書を取り上げたら、そこから最後まで一気に読んでしまった。 私は16歳の一人息子を持つ父親45歳。 妻とも割合と仲良くやっていると思う方。 仕事は医療系なのだけど、 「優一を異形にしたのは美晴なのではないか」 の一文に作者の考察の深さを感じた。 人は自分自身や誰かを病気にも健康にもできるからね。 しかし、こんなに冷え切った夫婦関係ってありうるのかしら? 美晴はもっと早くにキレた方がいいと思った。 あ、だから優一が異形になったのか。 美晴がああいう人間になったってことは、やっぱり美晴の親にも原因があったわけで、世代間でいらん原因が引き継がれてきたのだと思う。 清美は「子育てに正解はない」なんて言ってるけど、年を取った今だから言えること。 美晴が小さい頃にはやっぱりキツイ母親だったと思うんだ。 その結果が優一に対する美晴の態度だもの。 美晴が勲夫みたいな男と結ばれるのも必然だよ。 端的に言えば、全部感情の扱い方の問題。 これは優一の独白からも明らか。 ケガしたら手当をするのは誰でも知っている。 でも、感情について私たちは何も教わらない。 ヘタしたら、心の傷口を広げるようなことを平気で繰り返したりする。 そりゃあ、芋虫にでもなった方がラクだわな。 それでもまあどうあったとしても、虫にしか見えない優一を信じぬいた美晴はあっぱれだと思う。 子育てなんて植物を育てるのと一緒じゃないかな。 その子を 日に当てるのか 日陰に置くのか もっと栄養をやるのか 別な場所へ植え替えるのか 水を与えるのか 音楽を聴かせるのか 涼しい場所に置くのか 間引くのか 土を換えるのか 優一が物言わぬ虫になったからこそ、美晴は賢明に優一の声を探ろうとした。 今までは優一が人間だったからそれをしてこなかったのだね。 だからホント良かったよね。 親子の物語として、自分の人生を振り返る物語として読んでも良い感じ。 作者の怒りや悲しさの独白とも言えると思う。 さくらい病院で、美晴と同じ境遇の女性たちがそれぞれに異形を連れているシーンは印象的。 作者が現実で着想を得たシーンを作中で再現したのかしら。 例えば、小児科の待ち合いなんかは、見た目こそ人間の子どもでも、一向に親の言うことなんか聞かない子どもたちで溢れているもの。まあ、子どもはそんなんでいいけどね。 少なくともこれを読んでいる私たちの前には今のところ異形はいない。(たぶん) 私たちは勝手に相手に過度な期待をしているから、自分の意図に反する言動をされると、思わず「カッ」となったり、「何で分かってくれないの!」なんて怒り狂ったり、なんとかコントロールしようとしたり、悲しんだり、ひねくれたりする。 だからさ。 「限りなく人に近い異形」が周りにいっぱいいるんだなー、と思うといいかもしれないよね。 で、なんだ、あなたも私も異形じゃん、って思えると明日から気持ちがラクかも知れない・笑 「どう在ってもいいのだ」 私にとって作者からの最大のプレゼントがこれ。

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