作品情報
名門を守る一手は、酔象のように時代を揺さぶる。
講談社刊の単行本を確認。後に講談社文庫版も刊行。
レビュー要約
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戦国史の細部を生かした人物配置と、滅亡へ向かう緊張感が評価されている。歴史好きに向いた骨太の読み味がある。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2018-12-20
- ページ数
- 274ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14 x 3 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065140352
- ISBN-10
- 4065140358
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
越前の名門、朝倉家で軍奉行を務める朝倉宗滴は、能登撤退戦で15歳の若者と出会う。のちの山崎吉家だ。吉家は敗戦の中で心が壊れ、言葉を失っていた。責任を感じた宗滴は吉家を手元に置き、親子のように接する。だが吉家24歳のとき、実父の謀反が露見し打ち首に。宗滴は所領半分と引き換えに吉家を救う。時が経ち、命の恩人であり父親代わりであった宗滴が病没する。後事を託された吉家は、朝倉家を守ることを固く誓うが……。 越前の名門、朝倉家。七代当主・孝景のころ、軍奉行を務める朝倉宗滴は生涯初めての敗北を喫する。能登深くに攻め入るも味方の裏切りに遭い、総崩れとなった。その撤退戦の中で宗滴は15歳の若者と出会う。のちの山崎吉家だ。吉家は敗戦の惨劇を目の当たりにして心が壊れ、言葉を失っていた。責任を感じた宗滴は吉家を手元に置き、親子のように接する。その後、仏門修行を経て周りの民とも打ち解け、吉家はついに言葉を取り戻す。だが、吉家24歳のとき、思わぬ災難が降りかかる。実父・祖桂が謀反を企てて露見し、打ち首となったのだ。宗滴は所領半分と引き換えに吉家を救う。時が経ち、朝倉家当主は父・孝景の後を継いだ義景の代になる。軍事は宗滴に、政務は従兄の朝倉景鏡に委ねられた。宗滴は加賀に攻め入り、一揆勢を次々に討ち果たしていった。だがついに陣中に倒れ、後事を吉家に託した。また、育成していた吉家以外の四将にも加賀侵攻の継続を指示したうえで病没する。命の恩人であり父親代わりであった宗滴の遺命に従い、吉家は朝倉家を守ることを固く誓う。が、のちに将軍となる足利義秋の保護、織田信長の畿内進出、宗滴門下・五将内の対立、そして当主・義景の気紛れと、時代の波に翻弄された名門朝倉家の土台は根底から揺らぎ始めていた。そこで吉家が打った秘策とは!
レビュー
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再読中
朝倉方が貴重な戦機を何度も逃し、徐々に、確実に追い詰められていく様が読み応えありだった。 メジャーな舞台で、歴史好き以外にはマイナーな山崎吉家を主人公に選んだのも新鮮だったし、 読み終えた後に、酔象の流儀というタイトルも絶妙だったと感じた。
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青草の中に今も静かに横たわる一乗谷遺跡の光景と強烈にシンクロし、走馬灯のように流れ去る愛・憎・義・裏切りの戦国絵巻。読み応えあり。
読みごたえはあった。 信長に敗れた朝倉氏の辿った運命についてはよく知られているし、冒頭、一乗谷への敗走シーンから始まることから、不幸な結末であることが既にわかってしまっている。 また、山崎吉家の風貌を、最初から「仏眼」と称しており、その人となりが想像できてしまうし、読者に同情、応援、感動を強いているような印象すらあった。 ただ、昔、たまたま一乗谷朝倉遺跡に行ったことがあり、青草の茂る山際の草原に、庭園や巨石、石仏が点在する光景が強烈に焼き付いていた。 それだけに、ここを舞台に数百年前息づいていた桃源郷のような平和、それが一瞬にして地獄に変貌する恐ろしさ、何があっても端然と義に生きる吉家や堀江景忠、暗愚ゆえに滅亡に向かって悪夢のように間違った判断を連続する朝倉義景、弱さ故に深い恨みに囚われて物語暗転のキーマンとなる前波吉継、陰影を持った貴公子朝倉景鏡、伝説的なかつての偉人でありながら今も生き続けるかのような朝倉宗滴、絵に描いたような悪女・小少将などなど、わかりやすい登場人物をバランス良く配し、最終的にはあの何もない青草の静けさに着地させるかのような、著者の絵巻物のような物語構築力は見事。 数十年昔、良き事も悪い事もすべての遠因となった宗滴が生きていた時代の出来事、加賀一向一揆との戦いそして和睦、つかの間の平和を貪る傍らで迫る信長の影、信長包囲網の完成と瓦解、面従腹背と裏切り、それでも変わらないもの変わるもの、そして琵琶湖湖北での最後の戦い。 そして今、そこに横たわる青草の廃墟。 走馬灯のような筆致で描かれる、朝倉家の最期を演じた人たちの長い長い旅路。 大友三部作よりはずっと知られた題材だし、また冒頭からの予定調和の印象はあったけど、最終的には歴史・時代小説好きの人には読んで損の無い、いや読むべき一冊だと思います。
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期待通りでした。
期待通りでした。
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朝倉氏の戦国史とそれを支えた山崎吉家の誠実な生涯が描かれており小説としても面白かったです。
山崎吉家の朝倉氏を支えたいっぽんぎで誠実な生きざまを描いてあり小説としても面白かったですし越前の戦国史を知る上でも参考になりました。
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主役、「酔象」を一人でも多くの人に知って欲しい。
「素晴らしい作品」のひと言です。 久しぶり、というよりも初めてかも、ここまで心を揺さぶられる歴史物語、歴史人物は。 感動してます。
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あっという間に読み進められます
強きになびきがちな戦国時代にありながら、苦しみながらも愚直なまでに上司に仕える吉家の姿に、現代の生くべき様を見た。 人は何のために生きるか、それぞれの背中を押してくれる作品である。 著者の他の作品も、大変おもしろく、オススメしたい。
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登場人物のキャラが弱い&話の展開がちと唐突で全般的に薄味
山崎吉家と魚住景固、堀江景忠の友情をベースに吉家の半生を描いた意欲作ではあるが、宗滴五将といいつつ宗滴との絡みを描かれない印牧能信をはじめ、どうしても登場人物の多さにページ数が足りておらず全体的に薄味な人物描写となっているのが残念。 またストーリーも30年を時系列を前後しながらぶつ切りエピソードで描いている感が強くこちらもちと薄味。 総じてちょっとライトすぎる味付けで、これをドマイナーな朝倉氏でやるとディープな戦国マニアには物足りず、ライトな戦国好きにはちんぷんかんぷんという微妙な作品。 最終的に吉家渋い、義景阿呆くらいしか印象に残らないのが残念。
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戦国の世の愛と誠と義、そして深い悲しみ
赤神 諒『酔象の流儀ー朝倉盛衰記』を一気に読んだ。山崎吉家の朝倉家への愚直な義、その前提となる宗滴への誠、妻子への愛、そして最期に迎える深い悲しみ。わたくしたちの現代は、このような悲しみを背負っていることを思い起こさせる。それだからこそ、わたくしたちは簡単に戦国の世に戻ってはならないのだ。
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