作品情報
第15回小説現代長編新人賞受賞作。応募時タイトル「檸檬先生」はそのまま刊行されたのち、文庫化された。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2023-06-15
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.3 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784065317136
- ISBN-10
- 4065317134
- 価格
- 770 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
お前は独りじゃないよ、少年。 これは、「普通」じゃない僕だから出会えた、ある奇跡の物語――。 Z世代の新鋭が放つ、これが令和青春小説の新スタンダード! 小説現代長編新人賞を史上最年少で受賞! 小説紹介クリエイターのけんご小説紹介さん激賞&水野良樹さん(いきものがかり)、茂木健一郎さん(脳科学者)など各界からも絶賛された伝説のデビュー作を待望の文庫化! 小学三年生の私は、音や数字、人に色がついて見えるせいで、クラスメートたちからいじめられ、孤独な日々を送っていた。ある日、逃げ込んだ音楽室で中学三年生の少女と出会う。彼女もまた音に色がついて見える共感覚を持っていた。檸檬色に見える彼女のことを「先生」と慕い交流することで、私の人生は一変する! 第15回小説現代長編新人賞受賞作。 カバーイラスト:山口つばさ
2002年東京都生まれ。小学校二年生から物語の創作を始める。高校受験で多忙となり一時執筆をやめるも、高校入学を機に執筆を再開する。『檸檬先生』で第15回小説現代長編新人賞を史上最年少で受賞し、デビュー。他の著作に『マーブル』、『1と0と加藤シゲアキ』に寄稿した「渋谷と廃墟」がある。
レビュー
-
鮮烈なビジュアルが浮かぶ描写
描写、構成、モチーフ全部ツボでした。作者の方がインタビューで「小説を職とするか分からない」という旨の事をおっしゃっていましたが、いちファンとして勝手ながら今後も小説での活躍を期待しております。誰かの寂しさに滑り込むような物語をありがとうございました。好きです。
-
小説は、糧になる。その惹句に釣られて……
「多様性」を扱った小説。 ただそこには、よくある嫌らしさもなければ、押し付けがましさもない。唯一残すのは、その“色”が我々の心でどう“響いた”か。その残像であり、残響のみだ。 付け加えるなら、それを可能にするのも「珠川こおり」という才能なのだろう。 同じ学校の先輩少女との出逢った、ある特殊な“能力”/個性を持つ主人公の“少年”「私」から見える「世界」。その情景を丁寧かつ緻密――それでいて鮮烈――な筆致でしたためていく“追体験”型の長編小説。 「追体験」と書くのは、まさにその視点からでしか物語を観ることが出来ないからだ。 しかしだからこそ、共に浸ることも出来るし、また語り得ないものを想像し考察せざるを得ないという想像力も擽られる。 「私」と共に、「私」が生きる、そして生きた時間、或いは世界を、悩み、共感して“生け”る。 確かに面白い。ただ自分自身を、僕自身の心を、感情の演算能力を、試されているようで……寧ろ処理しきれない自らの無能さに辛さも残ったりもする。 もしこの物語を通して抱えきれない想いが芽生えたのなら、友や親、或いは先生と、語り分かち合うのもいいだろう。今、もし我々が孤独なら、他ならぬ「珠川こおり」の作品に、その”応え“を求め続けていくのも無論妥当な手段だ。 その応えを何処にどう求めるかは、まさに人それぞれのそれこそ「生きる」道だ。 いずれにせよ少なくとも僕にとって、「檸檬先生」が落とした色彩の雫は波紋――決して小さくない――となり、心の襞に深く染め渡った。そして今日以降その痕跡は”此処“に残り続けることになるのだろう。それは確信に近い予感だ。 この小説は、そう、まんまと糧になる。そういう作品だ。
-
今生き抜く事が透明感を持って描かれている
自由な文体でありながら繊細な言い回し。複数のテーマを感じつつ、現在の複雑な環境下、ふとした瞬間の積み重ねの「生きにくさ」がメインテーマだと感じた。読み終わった後にももやっと問を突きつけられている感じ。 全体として完成度高く、透明感のある臨場感は筆者のセンスによるもの?次回作が楽しみです。
-
少年は、檸檬先生がいた事で救われた。
檸檬先生が救われる道はなかったのか?
-
生きづらい人への道しるべ
始めて読んだ著者の作品だけど、若者らしくみずみずしい。 テクニックはないけど、ストレートに物語に向き合っているのが伝わり読みやすい。 特殊な状況で学校生活になじめない人は、それぞれの理由でいるだろう。 そのような人へのちょっとした思いを持ってほしいメッセージが伝わる。 もう少し時間軸の展開の追いかけ方とか、周囲の人の理解が進んだ段階の関係性とか深堀してほしい部分は散見されるけど、今後に期待は持てる。 先生のラストはちょっと共感できず。
-
人気作品みたいだけど
ストーリーがあまり面白いと思わなかった。 先生と少年の関わりが大半で、冒頭からラストまで回想エピソードで埋められてた印象。
-
共感覚者なのに共感できない
冒頭から小説の例題文みたいで、ずっとこの調子だと読むのキッツイわと思いましたが、1ページで普通に戻ったのであとはサクサク読めました。 共感覚といえば音の調性に色を関連づけるのが有名ですが、数字まで色に結びつけてしまい掛け算九九が出来なくなってしまうくだりは、こんなんあるんかいなとツッコミながらも興味深かった。 なお檸檬先生は中学の制服でダイブした方が中二病ステージ4感が出ますし、表紙ともマッチするのでよろしいかと思います。
-
小説も消費されるものになったか
何をテーマにしてるかわからない 共感できる部分が何一つない まったく分からないし、理解もできない 安易に人を殺すな 死を美しいものとするな 死して完成するものなど何もない
関連する文学賞
- 小説現代長編新人賞 第15回(2020年) ・受賞